Blog on Business
2005年06月14日
「NaYOGA」がTypePadを使う理由
NPOのTypePad実用例
NaYOGA
http://www.nayoga.net/
「ホームページも作ったことのなかった私が、ウェブログのおかげでアフィリエイトで活動資金を調達し、NPO法人を4カ月で申請することができました」
名古屋に本拠を置く特定非営利活動法人・NaYOGAは、健康で持続可能なライフスタイルを実現するために、自己治癒力や基礎代謝を上げるヨガの普及を推進している。健康と地球環境を意識したライフスタイルは、LOHAS(ロハス:Lifestyles of Health and Sustainability)と呼ばれており、消費社会を見直す新たな価値観として注目されつつある。NaYOGAではヨガを通してこの新たなライフスタイルの普及や実現を目指しているが、この組織の生まれるプロセス自体もまた、設立から運営にいたるまでをすべてウェブログを使って行うというユニークな手法を採っている。NaYOGAの設立のきっかけやTypePadを導入した理由、またウェブログ形式のメリットなどを探ってみた。

NaYOGAのウェブログ「NaYOGA Blog | 名古屋+ヨガ=ナヨガ」
■ウェブログを使ってNPO法人設立へ
特定非営利活動法人・NaYOGAの坂野旬理事長は、ウェブログを開設したきっかけをこう語る。「働いていた会社のメーリングリストで2004年1月頃、米国にウェブログという面白いサービスがあり日本でも人気を呼んでいることを知りました。そこで、自分でもウェブログを立ち上げてみようと思い、複数のウェブログ・サービスでいくつかサイトを立ち上げてみたのです。それまでホームページを作ったことはありませんでしたが、驚くほど簡単にサイトを開設でき、アクセス数もあったので、面白い使い方ができるのではないかと感じました」
坂野氏は、最初はとくにLOHASやヨガにテーマを絞ってはおらず、いろんなアイデアを散文形式で書いていた。しかし、たまたま趣味で習っているヨガについて書いたら大きな反応があったので、ヨガ専門のウェブログを作ろうと考えたという。ちょうどOCNがTypePadをベースにした「ブログ人」サービスを開始する時期だったので、サービス開始日(2004年3月30日)にブログ人で「NaYOGA Blog」を開設。4月にはすでにLOHASというコンセプトを打ち出し、5月に開催するヨガ・イベントの告知を行ったところ、ウェブログを通しての申し込みが多数あったという。
人々から大きな反応があったこと、また、ヨガ・イベントの成功を受けて次のイベントの開催も決まったことから、継続して活動を続けるためにNPO法人を立ち上げることを決心した。ただし、NPOを設立するには正会員が最低でも10名が必要になる。そこで、5月26日に自身のウェブログで会員募集の告知を行ったところ、名古屋、東京などからトラックバックが来て、10名の正会員は数カ月で集まったという。ウェブログは個人向けだけではなく、法人向けにも使えると確信した。

特定非営利活動法人、NaYOGAの坂野旬理事長
さらに、NPO法人設立に必要な定款策定もまた、ウェブログを使って行った。無制限でウェブログを開設できるブログ人の「ジャンプ」プランを利用し、自身のウェブログとは別に会員用ウェブログを開設した。名簿には住所や名前などの個人情報も載せるので、IDとパスワードで守られた非公開のウェブログにし、添付ファイル機能を使って定款の草案をアップロードして会員からの意見を求めた。意見交換に関しては、ウェブログのコメントのほかにもメールで直接やり取りしたという。こうした努力が実を結び、2004年8月に名古屋県にNPO法人の設立承認申請を行い、同年11月にNaYOGAはNPO法人として認証された。
坂野氏は「会員用ウェブログには現在20名ほどが登録されており、現在でも会員同士のコミュニケーション用に使われています。今年4月の総会のときも使いました。NPO法人の設立メンバーの募集から、定款策定の打ち合わせまですべてウェブログで行ったので、このNPOができたのはすべてウェブログのおかげですね」と語る。
■ウェブログと既存ツールの組み合わせ利用
現在、検索サービスなどで「名古屋 ヨガ」と検索すると、NaYOGAが検索結果ページのトップに来るようになった。現在、毎日5000PV、ユニークアク セスは 2000件を超える。ウェブログ開始と同時に始めたアフィリエイトでは、ヨガマットなどの関連グッズの売れ行きが好調だという。アフィリエイトを通した売上は毎月数百万円になり、収入は10万円近くになる。こうして得られたアフィリエイトの収入は、ヨガ・イベントの会場代や活動資金に利用している。

ヨガ教室の様子
知名度バツグンになるためのコツを聞いてみたが、まず、「ブログ人」のサービス開始日からウェブログを立ち上げたことが大きく、初日からすでに100件以上のアクセスがあったという。次に、ログ解析でアクセスが午後12時前後に集中していることからOLや会社員が昼食時間に読んでいると推測し、毎朝10時に更新するようにしている。ほかにも、レイアウトやユーザビリティをできるだけ分かりやすくシンプルにすることを心がけている。
「NaYOGAのウェブログ読者やイベント参加者は、20?30代の女性が中心です。ウェブログに慣れていない人も多いので、記事のカテゴリーが多すぎると選びにくくなります。現在、TypePadのカテゴリー機能を利用してますが、すべてのカテゴリーを掲載するのはバックナンバーのアーカイブの部分のみにして、トップページには注目の項目だけをHTMLで手書きで書いて数種類のみ掲載しています」(坂野氏)
さらに、NaYOGAではウェブログとは別にNPO法人としての公式サイト「LOHAS by NaYOGA」を立ち上げており、ウェブログと役割をうまく使い分けている。坂野氏は「個人のウェブログとNaYOGAの公式サイトをどのような関係にするか迷いましたが、ウェブログはあくまで個人サイトとして機能させ、イベントの告知や参加申し込みは公式サイトで行うようにしました。データベースとして優れており、イベント予約システムの便利なモジュールのあるXOOPSを公式サイトに使い、イベント告知などのお知らせはメールマガジンで行うなど、ウェブログとは使い分けています」と説明する。
今後は、ウェブログに加えて紙媒体やなどのさまざまな手段を使って、コミュニケーションの種類を増やしていきたいとしている。「最初は全員ウェブログを使い、アイデアはトラックバックで知らせることも考えていましたが、ウェブログが分かりにくいという人もいますので、その意見も大切にしていきたいですね」(同氏)

XOOPSで作ったNaYOGAホームページ「LOHAS by NaYOGA」
■LOHASとウェブログの普及を目指して
坂野氏は、NaYOGAの活動が忙しくなってきたため、今年1月に大手企業を辞め、現在はNaYOGAに専念している。現在、NaYOGA主催のヨガ・クラスは県外からも参加者がやって来るほどの人気ぶりであり、坂野氏自身はウェブログ講座の講師やLOHASをテーマにしたプロジェクトを行う企業からのコンサルティングも行うなど、幅広い分野で活躍している。
「ホームページも作ったことのなかった私が、ウェブログのおかげでアフィリエイトで活動資金を調達し、NPO法人を4カ月で申請することができました。会場を提供してくださっているヨガ・スタジオ『ENERGY BODY』のオーナー・金江宏幸氏もウェブログを通して知り合いましたし、ウェブログ講座の講師、コンサルティングなどの分野でお手伝いすることもできるようになりました」(坂野氏)
今後は、LOHASをキーワードにした企業やコミュニティのプロジェクトがますます増えるものと予想される。LOHASにより「これまでのライフスタイルに、もうひとつ新しい価値観や選択肢が増える」とする坂野氏は、NaYOGAのこれからの活動についての抱負をこう語った。「小中学校でヨガを教え、子供達に身体について考えてもらうといったイベントを開催したいですね。また、高齢者やリタイヤ世代に対しても、ヨガおよびウェブログを普及させていきたいです。ウェブログで自分の考えが社会に公開させることに大きな生き甲斐や喜びを感じてほしいと思います」

会場を提供してくれた「ENERGY BODY」のオーナー、金江宏幸氏(左)とともに。
■事例データ■
・TypePad
・ウェブログをはじめたのは:2004年3月
・はじめた理由:情報発信、アイデアを書き留めるため
・制作を担当したのは:自分自身
・何か手ごたえはありましたか?:NPO設立、イベント集客、アフィリエイト売上、
(Text/Photo by 長野弘子/Hiroko Nagano, http://blog.digi-squad.com/)
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 12:17
- カテゴリー TypePad
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