Blog on Business
2005年10月14日
榎本会計事務所がMovable Typeを使う理由
『榎本会計事務所』のMovable Type実用例
http://www.ecg.co.jp/
法律、税務、会計など、いわゆる「サムライ業」と呼ばれる職種は、いったいどんな具体的なサービスを提供してくれるのか、私たち一般ユーザーがその詳細を知る機会は少ない。だが、榎本会計事務所はMovable Typeを活用し、会計、税務、経営などに関するさまざまな情報を発信するビジネスブログを運営。わかりにくいとされる会計顧問、決算、起業など、会社をサポートするプロの仕事を読み手に伝える試みを行っている。
▼榎本会計事務所
サイト全体がMovable Typeで構築されているわけではない。閲覧者に見せたいコンテンツ(同事務所のサービス案内等)は、通常のHTMLで作成されている。
■マーケティング活用できないホームページは意味がない
榎本会計事務所のホームページが開設されたのは約8年前。業界内でもいち早くホームページを導入し、インターネットを活用した広報活動をスタートさせた。だが、同事務所の副所長・榎本恵一さんはその後、悩みをもつようになったという。
「ホームページをつくって多少なりともアクセスはあったのですが、それがお客様につながらなかったんです。単に見世物、鑑賞物レベルで、マーケティング活用できないようではホームページをもっている意味がないと思っていました」(榎本さん)
そんな折、大学院の同窓生だった齋藤伸也さんが起業した会社(有限会社イーナチュラル)の会計業務を担当することになり、同時に榎本さんは会計事務所のホームページについて齋藤さんに相談を持ちかけた。約5年前の話である。
2003年当時、榎本さんはすでに1年半ほどウェブ日記を書き続けており、会計に関するメールマガジンを発行していた。それを知っていた齋藤さんは、当時まだ個人ユーザーが中心だったブログに目をつけ、「Movable Type」を使ったホームページのリニューアルを提案した。
「榎本さんの場合は、すでにコンテンツのある方だったわけなので、ブログに非常に適しているんじゃないかと思ったんです。それがうまくハマった、しっくり来たという感じですね」(齋藤さん)
■ブログで、"無形のサービス"をわかりやすく伝える
ブログをビジネス利用する場合、ツールの選定やデザイン、ユーザーインターフェースなど、技術的な面で注目すべきすべき点は多い。だが、もっとも重要なのはやはり記事の内容、つまりコンテンツである。榎本さんは、ブログに切り替えたことで、記事の内容が大きく変わったという。
「ブログにする前はプライベートな日記も書いていました。しかし、会計事務所のサイトを見に来る読者層を意識すると、自然に企業経営に関するエントリーが中心になりましたね。ブログの場合、たとえば、会計用語集というカテゴリーをつくり、そこへ新しい用語を簡単にどんどん追加できます。これは非常に便利だと思いました」(榎本さん)

榎本会計事務所の副所長・榎本恵一税理士(右)と、同事務所のサイトを構築したイーナチュラル代表の齋藤伸也さん。
現在、榎本会計事務所のビジネスブログでは、企業の経営に関するさまざまなニュース、榎本さん自らが執筆するコラム記事、メルマガのバックナンバーなどがアーカイブされている。また、同事務所の社員や提携する社労士や診断士など、各ジャンルのエキスパートにもブログを書いてもらうことで、「士業」という"無形のサービス"をわかりやすく伝えようとしている。
「ブログは外部への情報発信だけでなく、社内の人間に対するメッセージ発信にも役立ちます。社員がブログを書くことで、普段のコミュニケーションでは気づかなかったことも発見できるし、私ができない表現や見解も出てくる。また、社外の専門家の皆さんも、同じ守備範囲の読者に向けて情報を発信できますから、相乗効果も期待できると考えました」(榎本さん)
■今ある最適のツール、手段を使いたい
会計事務所は、商品を並べて売る商売ではない。榎本会計事務所の場合は、訪問者に自分たちのサービスをわかりやすく説明し、会計に関するさまざまな情報を発信することで、インターネットにおける知名度をアップさせている。
「人間というのは不思議なもので、サーチエンジンで検索をして3回ほど同じページが出てくると、『やっぱりここか!』と思うんですよね(笑)。榎本事務所のサイトでは、"会計"に関するキーワードがほとんど網羅されていますから、SEOに有利だと言われているブログの効果もあって、非常に検索に引っかかりやすくなっています」(齋藤さん)
利用者に「やっぱりここか」と思わせればこっちのもの。ビジネスブログ導入後の問い合わせ件数は着実に増え、見込み客ベースでは1ヵ月で平均4.5件という効果を得たという。問い合わせ件数がゼロという月はほとんどないそうだ。
▼榎本会計事務所(ブログ)
ブログは情報をどんどん発信する場所として機能。「確定申告」「年末調整」「税金」など、検索キーワードの網を広げる役割をになっている。
今回、榎本会計事務所を取材して面白いな、と感じたのは、ビジネスブログを徹底的に活用しよう、インターネットをもっと効果的に使ってやろう、という貪欲さをもっていることだった。榎本さんは齋藤さんに、半年に1度はサイト全体、あるいは部分的な改修を依頼している。
「この業界に限らず、『ホームページなんて1回つくっておけば同じだ』なんて感覚の人は多いんじゃないでしょうか。でも、ホームページにお金を掛けていない会計事務所は、本当のホームページの意味がわかっていないと思うんです。やっぱり、税理士・会計士選びも医者選びと同じなんですよ。だって、最新の医療技術をしっかり学んだ名医なら、遠くても診てもらいに行くでしょ?」(榎本さん)
弁護士もそうだが、一般には「会計事務所って、相談料だけでいくら取られるんだろう」と思っている人も多いはず。いわば、世間一般になじみがない業界だけに敷居が高いのだ。
「だからこそ、『うちはこんな事務所で、実はみなさんのために顧問契約をしている弁護士もいるんですよ』という情報をインターネットで発信していきたい。そのためには、一番便利で有効な手段を使う必要がある、と。それがいまは、齋藤さんに提案していただいたビジネスブログであり、Movable Typeなんだと思っています」(榎本さん)
■事例データ■
・Movable Type商用ライセンス
・ビジネスブログをオープンさせたのは:2003年秋頃
・はじめた理由:イーナチュラルの齋藤伸也代表からの提案によって。
・制作を担当したのは:有限会社イーナチュラル
・何か手ごたえはありましたか?:問い合わせ件数ゼロの月がほぼなくなった。見込み客が月平均4~5人は来るようになった。
Text by 宮脇 淳(ノオト) / Atsushi miyawaki(note)
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 10:52
- カテゴリー Movable Type
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