Blog on Business
2006年05月26日
インプルーブ・テクノロジーズ『モノ・マガジン・オンライン』がMovable Typeを使う理由
モノにコダワリを持つ男性諸氏にとって垂涎ものの商品を紹介し続けて24年という長寿隔週刊誌「モノ・マガジン」(ワールドフォトプレス刊)の公式サイトには、「モノ・オンライン・エクスプレス」という通販サイトがある。この通販サイトは、Eコマース関連のコンテンツ&ソリューションに定評のあるインプルーブテクノロジーズ株式会社が自社運営する「モノ・マガジン」公認の公式ショッピングサイトである。ワールドフォトプレスの関連会社であった通販会社ストリートエクスプレスの機能やノウハウを引き継ぐ形で、99年に「モノ・マガジン・オンライン」サイト内にオープンした。
EコマースサイトをMovable Typeで構築する例には、過去(05年3月)にロイズ・アンティークスを紹介したが、ロイズの場合、決済システムは自社開発のシステムを使っていた。「モノ・オンライン・エクスプレス」では、株式会社ロフトワークが開発したMovable Typeをベースにしたアフィリエイト型ECソリューション「ECKit for Movable Type」を採用している。
このEC Kitを導入した経緯、またウェブログを使ってEコマースサイトを構築するに当たって注意していることなどを「モノ・オンライン・エクスプレス」を担当し、仕入れや打ち合わせの裏話や最近購入した商品など日常のことなどを綴る店長ブログ「店長フジタの物欲ブログ」も運営する、第二営業部 ショップ運営マネージャーの藤田雄一郎さんに伺った。

■ストーリーのある商品が売れる
「もともと弊社では、長年『marble(マーブル)ASP』という高機能なECシステムをASP提供しており、これに自社開発のCMSツールを付け加える形で『モノ・オンライン・エクスプレス』を運営していたのですが、このCMSが若干古くなったので代わるものはないかと探していたところ、ロフトワークさんからお話を頂いて『ECKit』を使うことにしたんです。Movable Typeをいわゆるブログとして利用するつもりは当初はなく、あくまでCMSの一環として導入しました。」(藤田さん)
自他共に認める買い物マニアぶりを見込まれて、現在三代目の店長として活躍する藤田さんだが、もともとはデサイナーであり、Movable Typeの立ち上げ自体はいくつも行ってきたという。「Movable TypeはCSSで自在にカスタマイズできるところがいいですね」(藤田さん)と、技術的な使い勝手は隅々まで認識しているし、日々の更新で不便と感じることも特にない。それだけに「店長フジタの物欲ブログ」のエントリ内容や店舗運営そのものに難しさを感じることが多いという。
「私はもともとデザイナー出身ですので、テキストを書くということが苦手でして......。慣れてはきましたが、今も大変苦労して書いております。」(藤田さん)
藤田さんは下書きをきちんと書いて、それをもとに何度も推敲するタイプ。これだけテキストを書くということを重要視しているのは、「ストーリーのある商品ほど売れる」ことを強く認識しているからである。
「ターゲットはもちろん、『モノ・マガジン』の愛読者を想定していますが、本誌よりも若干年齢層は下の20代後半から40代が主要顧客層です。本誌の愛読者は、商品にどんなストーリーがあるのか、ブランドにどんな歴史があるのか、そういうことを重視する方が多いのですが、商品説明にそういうことを加えると反応がグッと違います。私自身、そういう商品を紹介するときは筆が進みますし、実際売れ方に違いがあるので、どうしてもストーリーのない商品というのは、掲載を見送ることが多いですね。」(藤田さん)
例えば、最近の売れ筋で「EDWARD MIRELL(エドワード・ミレール)」というブランドの黒いチタンを使ったアクセサリーがあるが、通常の黒チタンはメッキ状で内部は白色なのだそうだが、このブランドの商品は独自の特許技術で中まで黒い。
「こういうちょっとした薀蓄的なことがお客様の反応を左右しますね。また、このブランドは某有名宝飾店にOEM提供しているんですが、これも大事なストーリーです。最近では、ドラマ『海猿』の影響で主演の伊藤英明さんが着けていた『Sinn(ジン)403.EZM2』というダイバーズウォッチが売れましたが、TVに出ていたからという理由だけではなく、この商品が実際にドイツの特殊部隊に正式採用されているという背景も込みで、お客様に反応していただいたのだと思います」(藤田さん)
価格は24万と高額だが完売したという。ちなみに「モノ・オンライン・エクスプレス」では、決済は代引きかクレジットカードの1回払いのみである。商品のストーリーに納得さえすれば購入をためらわない顧客が多いというのが「モノ・オンライン・エクスプレス」の特徴といえるのかもしれない。

最近の売れ筋のひとつである「MORELLATO(モレッラート)」のアクセサリー紹介ページ。ドルチェ&ガッバーナやクリスチャン・ディオールなどビッグブランドの時計バンドをOEM供給してきたブランドであるなど、商品のストーリーを詳細に説明している。
■テキストの力でEコマースサイトに"接客"というファクターを加えたい
店長ブログである「店長フジタの物欲ブログ」では現在コメント欄はクローズしている。
「私自身も、お客様と交流してみたいという欲求はありますが、コメント欄に誹謗中傷が書き込まれることで方々に迷惑がかかるのを避けたいので、コメント欄は閉じています。しかし、オンライン通販は"自動販売機"になりがちな側面もあると感じていまして、なんとかテキストの力で"接客"というファクターを組み込めないかとは考えていますね。メーカーはどういう想いで作ったのか、そういったことを血の通った言葉で直接お客様にお伝えしたいし、それが可能なのがブログの力かなと感じてはいます。できるだけ店長ブログでは私自身の日常を綴ることでお客様に親近感を持っていただくとともに、メーカーとお客様をつなぐ場として機能できないかと試行錯誤しています。」(藤田さん)
商品選定において制約は設けないと決めているそうだが、「モノ・マガジン」というブランドに添ったものを選ぶということは意識しているという。その点でショップ自体をブランド化させるということに重点を置いているという。
「具体的には、セールはしない、並行輸入品は扱わない、オリジナル商品を取り扱うなどですね。価格競争をしない以上、『モノ・マガジン』の名前に期待している人を裏切らないということが大事。ショップのコアユーザーと本誌のユーザー層には年代的に若干の乖離があり、今後は創刊当初から読んでいる超コアユーザーである団塊の世代をも取り込みたいと考えています。」(藤田さん)
「モノ・マガジン」という金看板がある以上、その制約を受けることもあるが、ショップそのものをブランド化させることによって、さらに多くの顧客を取り込めるのではないかと藤田さんは考えている。「納得したものなら惜しみなくお金を使う」という顧客は、ウラを返せば「理由がないモノにはお金は使えない」ということでもある。高価格帯商品も取り扱うEコマースサイトにとって、テキスト重視のサイト構築はひとつの成功パターンといえそうだ。
■事例データ■
・Movable Type商用ライセンス
・サイトを公開したのは:2006年
・はじめた理由:CMS導入の一環として
・制作を担当したのは:自社開発
・何か手ごたえはありましたか?:売り切れ商品が出るなど、売れ筋商品への反応が感じられた。
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 13:01
- カテゴリー Movable Type
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