Blog on Business
2006年09月26日
エムアウト『Wish On Dish』がMovable Typeを使う理由
顧客ニーズを起点とした新規事業の創出・育成を行うエムアウトが運営する『Wish On Dish』 は、インターネットのデリカテッセン(惣菜)専門店。外食に頼りがちな「忙しい人」の食生活をサポートするため、一品からでも注文可能という便利なサービスを展開している。

『Wish On Dish』のトップページ。中央に新製品、左にジャンルが表示されている
■モール型か独自店舗型か?
トップページには次々と開発される新製品の商品写真が並び、サイトの左側にはメニューのジャンル、右側には売れ筋商品のランキングが配置されている。このサイトは、パッと見にはわからないがMovable Typeによって構築されているのだ。いわゆるブログを使ったEコマースサイト。
これはもともとエムアウトのシステム、インフラを受け持つIT室にいた小山清佳さんが、デリカのオンライン販売のビジネスを事業部として立ち上げることになった際、同部署に異動してメンバーと共に企画を思いついた。小山さんはEコマースを立ち上げるにあたり、最初に悩んだのは楽天のようなショッピングモールに出店するか、自社で独自に立ち上げるの二者択一だったという。
「まず集客の問題がありましたので、簡単に出店できる楽天さんのようなショッピングモールを利用する、という選択肢もあるんじゃないかと思っていました。ですが、自社でドメインを持って独自にやりたいという気持ちもあったんです。それらを両立させる案として、選んだのがビッダーズでした。ビッダーズさんの "Webサービス"ではAPIが公開されているので、それと連携することで独自の店舗を構えつつ、ビッダーズさんからも集客できるという方法です」
つまり、自社のサイト(ブログ)とビッダーズのモールの二つから客が入ってくるような流れのECサイトで、決済の部分はビッダーズに委ねるという形。ショッピングモールに連なることで、立ち上げ直後から客の流入を見込めるという利点も活かしたという。
■ブログの勉強会
『Wish On Dish』 をMovable Typeで立ち上げることになったのはなぜか。
「立ち上げから運営開始までの期間が短かったというのが、ブログを選んだ理由のひとつですね。実質2ヶ月くらいだったと思います。なので"安く、早く"やろうとしたらブログという選択になりました。それと、私たちは週に一回くらい新しいメニューを開発していまして、そのたびに本社のウェブマスターに更新を依頼していたのでは、スピードとして遅くなる。でも、ブログなら現場のスタッフでも更新できる、という強みも考慮して選びました」
エムアウトは他にも多くのサービスやウェブサイトを抱えているが、ブログが採用されたのは、この『Wish On Dish』 のケースがはじめてだったという。
「基本的に、ITの知識レベルは高い会社ではあるんですけど、最初に部内でブログの勉強会を開催して、"日記とどう違うのか"などを理解してもらうことから始めました。(Wish On Dishの)スタッフにもブログの練習を行い、メンバー全員ブログを使って更新することができるようになりました」
フードデザイン事業部がブログを採用したことで、エムアウト全体の業務に変化が現れているという。エムアウトのウェブプロデューサーである前田晴美さんにも話を聞いた。
「私どもの会社では、これがブログ導入のはじめての例だったこともあって、他の部署でも気になっている人は多かったんですよ。そしてフードデザイン事業部のサイトが成功したのを見て、これをモデルケースとしてブログを採用することが多くなっています。本社のコーポレートサイトも一部ブログ化しました」
■「お客様の声を拾う」ことに力を入れている
『Wish On Dish』 が、成功事例となって他のセクションにも伝播したというが、エムアウトにとっての"成功"というのは、決して収益だけの問題ではないようだ。
「エムアウト自身が"お客様の声を拾う"ということを打ち出している会社なので、ブログを使うことでコメント欄などを通じてお客様の声が伝わってくること自体、とてもプラスであると考えています」
というのは広報の井川沙紀さん。エムアウトはアート作品の売買を行っている「@GALLERY tagboat」、ジュエリーのリフォーム専門店「アイデクト」など、さまざまなサービスを手掛けている。これらは、どれも顧客の生の声を拾い上げ、その中からニーズを抽出し立ち上がったサービスなのだという。実際に『Wish On Dish』 が扱っているのはデリカということもあり、その反響はわかりやすい。
「トラックバック先を見に行って、"美味しかった"という内容が書かれていたりすると素直にうれしいですね。B to Cのビジネスなので、全員にアンケートをとるといったことはできないんですけど、このようなストレートな声が伝わることで、いろいろなことがわかります。あと、自社でキッチンを持っているので、お客様の声を直接、商品開発に結びつけるということも可能なんです。そのために商品開発のブログもあって、そこへの意見はすぐに活かせる体制になってます(小山さん)」
■今後試してみたいこと
『Wish On Dish』 をはじめて4ヶ月。小山さんにはブログを使って試してみたいことがまだまだあるという。
「真空調理といって、とても動きのある調理法で作っているんですよ。スチームで過熱する業務用のオーブンで調理をするとすごい湯気が出たり、調理の仕方がダイナミックなんですね。それを動画で撮影して、メニューからすぐに見られるようなこともやっていきたいですね」
いまや、ネットで美味しいものを"お取り寄せ"するというのは文化として生活に根付いてきている。『Wish On Dish』 がやろうとしているのは、そのもう少し日頃の生活に近いところでのアプローチといえる。
「毎週新しいメニューを開発しているんです。『Wish On Dish』 のRSSを登録すれば、毎週新しいメニューの情報が写真付きで届きます。それを見るだけでも楽しいと思いますので、登録してみてください」

今回お話を伺った井川さん、小山さん、前田さん、上松さん(左から)
事例データ
・Movable Type ライセンスパック
・サイトを公開したのは:2006年5月
・はじめた理由:デリカテッセンの販売、Eコマース
・制作を担当したのは:アークウェブ
・何か手ごたえはありましたか?:お客様の声に直接触れることができるようになった
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 19:38
- カテゴリー Movable Type
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