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2006年10月31日

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松下電器が『展示会ブログ』でMovable Typeを使う理由

松下電器の運営する 『行きたい、でも行けない人のための松下グループ展示会ブログ』 は、名前の通り、大規模展示会における松下電器のブースの模様がレポートとして伝えられる。

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『展示会ブログ』 のトップページ。現在、3つの展示会の模様が伝えられている

■ブログの役割
ブログの開設は2006年6月。これまで6月の『Interop Tokyo 2006』 、10月の『CEATEC JAPAN 2006』 などの大きな展示会の模様が、すでにこのブログを通して伝えられている。このブログが作られた経緯を、ブログ導入の発案者である松下電器コーポレートコミュニケーション本部国際グループ 展博プロモーションチームの西井保博さんにお伺いした。

「展示会では来場してくださる方々に見てもらえるように、ブースの装飾や展示に全力を尽くすわけですけど、展示期間の期間を過ぎると、跡形もなく撤収しなくてはいけないんです。つまり、限られた場所、時間、人にしか見せることができない。それを会場に来ることができない人たちに見てもらいたい、というのがこのブログを作った動機です」

西井さんの部署が担当するのは展示博覧会などでの大規模展示会だ。そのため、普段店頭やカタログ、Webサイトで見ることができる個々の製品のPRとは違った、展示会場ならではのデモンストレーションやステージなどのレポートが、その主要な役割となる。そして、オフィシャルな商品ページとは違うチャンネルとして松下電器の商品がレポートされる。

ブース自体のPRを目的とした時期限定の展示会情報サイトは、ブログ以外にも存在する。これはFlashなどリッチコンテンツを使って作られるもので、主な集客は自社のポータルサイトからのリンクに頼っているという。

「こちらはこちらで重要なものなんです。しかし、通常のWebサイトの場合は、人が来る入り口はある程度決まっています。ポータルサイトに費用をかけてバナー広告などを展開すれば、人は来るでしょうが、バナーを撒いた以上のアクセスというのはなかなか容易には望めません。なので、それとは別に、テキストベースでもデータがWeb上に残るものを並行してやりたかったんです。コンテンツとしてネット上にあれば、Googleなどの検索エンジンや個人のブログなどから、口コミ的に商品名を辿ってお客さんが訪ねて来てくれる可能性が高まります。Web自体の進化によって、情報を発信する側(企業)と受け取る側(お客様)が結びつくチャンスが増えた、と言えるかもしれません」

ツールとしてブログが選ばれたのは、西井さんが日ごろ情報収集にブログを使っていたことが大きい。

「自分自身、欲しい電気製品のよりリアルな情報が見たいときはブログを探すんです。探してみると、実際に使っている人の感想もあれば、関連する情報をいろいろ集めてリンク集を作っているブロガーもいたりして、たくさんの情報を得ることができるんです。こういった情報流通の流れの中に、自社の情報発信をのせる必要性を強く感じました」

■どのようなスタンスで書くのか
このブログを始めるに当たり、どのようにブースを紹介するかという形式については、さまざまなアイデアがあった。企業ブログでもっとも多いパターンは、担当者が自らの目線で書くタイプのもの。これで成功した有名なケースは、日産自動車『ティーダブログ』 だ。「日産自動車の山本です」 の一文から始まるこのブログは、企業の目線ではなく、現場担当者である山本さんならではの目線で情報を伝えたことで、信頼につながり評判となった。

しかし、西井さんは、この担当者ブログ路線を除外した。なぜなら、このブログのコンセプトが「担当者が伝えたいことを伝えるブログ」ではなく「お客さんが知りたいことを代わりに伝えてくれるブログ」だったからだ。本ブログで重要なのはブースを見に来る人の視点だった。そのため、西井さん自身ではなく、お客さん側の視点が保てる書き手を探すことになった。

そしてブログのライターとして選ばれたのは、松下電器のブースに常に関わっているプランナーの"toshiさん"だ。

「始めは、たとえば女子高生がレポートするという形式にした方が親しみやすいんじゃないか、といったアイデアもあったんです。いろいろ演出したくなるのが広告屋の性ですから。でもブログは嘘があってはいけません。見る側にすぐに見破られます」(toshiさん)

「書き手は誰でもいいわけではないんです。私たちが情報を伝えたい相手(展示会に来る人、興味がある人)というのは、自分よりも素人の書き手は期待していません。自分たちが情報源として信頼するに足る、ある程度、製品や技術に詳しい人でなくてはならない。それでtoshiさんにお願いしたんです」(西井さん)

"toshiさん"は松下電器のブースで、本来の企画などの仕事をしながら、ブースの取材も行うようになった。ブログ上ではイラストで登場しているが、正真正銘実在する人物なのだ。toshiさんは取材をしている際、取材相手のパナソニックの説明員から「その記事はいつ掲載されますか? 」と聞かれ、「5分後ですね」と答えて驚かれたこともあったという。

松下電器の名前を出して運営されているブログである以上、外部のライターによる"客観的な報道ですよ"というスタンスも偽りとなる。松下電器側の情報ももらいながら、あくまでお客さんに近い立場の目線で商品を見ることができる、というのがtoshiさんの立ち位置だ。

「たまに"これは買いたい"なんてあっさり書いてしまうと、西井さんからボツを喰らうんです。"本当に欲しい? なんで? "って。鬼のようにチェックが厳しいから安直なことは書けないですね(笑) 」(toshiさん)

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画像はもちろん、並行して発信している動画サイトの紹介なども盛り込まれている

■次のステップはコミュニケーション
2006年6月の開設から『Interop Tokyo 2006』 、9月の『国際福祉機器展』 、10月の『CEATEC JAPAN 2006』 などの大きな展示会を通じて、ブログの手応えはあったのか?

「アクセスは明らかに増えました。また、訪れてくれた人のブログ内での滞在時間が長いというのも特徴ですね。"会場に行けない人" がブログを通してパナソニックブースをじっくり見てくれている、ということならうれしい限りです。個人ブログからのアクセスもありましたし、海外のブログからリンクを張られているのも見つけました。ただ、これで成功というわけではないですね。これからやりたいことはまだまだあります。例えば、展示会場から直接ブログを更新しているので、読んでいる側から "toshiさん、その製品の裏側の端子を見せてよ" というようなニーズをキャッチできれば、その場でその写真を撮ってアップしたり、ということが可能になるはずなんです」(西井さん)

第一段階としては、消費者に近い目線での情報発信に成功し、アクセスにもつながった。この新しい展示会情報の発信の充実を図りつつ、次に進むステップは双方向でのコミュニケーションだ。展示会前にどの製品の詳細レポートを読みたいか、事前にリクエストを募るようなこともしてみたいという。展示会の開催前にユーザーの意見をキャッチできるようになれば、それはブースのディスプレイにもフィードバックできるようになるかもしれない。

pana_ex-3.jpg 今回お話を伺った西井さん

事例データ
・ Movable Type 通常ライセンス(ライセンスパック)
・ サイトを公開したのは:2006年6月
・ はじめた理由:ブースの展示内容を会場に来られない人に伝えるため
・ 制作を担当したのは:社外
・ 何か手ごたえはありましたか?:アクセスが増え、従来のWebサイトにないキメ細かな展示会情報発信ができるようになった

  • 投稿者 Blog on Business 編集部
  • 22:37
  • カテゴリー Movable Type

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