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2007年01月25日

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ヤマハが『ぷりログ』 と『タナカミドリのミュージック・ライフ・カフェ』 でMovable Typeを使う理由

オンラインサービスとブログを融合し顧客満足度をアップ

楽器の製作販売や教室の運営まで、音楽事業を幅広く手がけているヤマハ。近年は、ネットを利用した楽譜販売や音楽レッスンなどの、インターネットサービスにも積極的に進出している。顔が見えづらいネットでのサービスだが、ブログを活用することで顧客満足度を上げ、リピーターの獲得も実現している。

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『ぷりログ』のトップページ。テレビで使われている曲の紹介や、スタッフ日記といったエントリーが掲載されている

■ブログとオンラインサービスの融合
創業100年を超える、老舗の音楽事業社ヤマハ。時代のニーズと共に事業の幅を広げてきたヤマハが今取り組んでいるのが、ネットを利用したサービスだ。ネットラジオや楽曲・楽譜のオンライン販売、オンラインレッスンやカラオケサービス・SNSと内容は多岐にわたり、意欲的に新しいサービス提供に取り組んでいる様子が窺える。

ぷりんと楽譜」は、様々な楽譜を1曲からネットで購入できるサービスだ。顧客が楽譜を「購入」すると、一定期間その楽譜をネットからプリントすることができる。扱っている楽譜は、ピアノやバンドスコア、ギター、管楽器、バイオリン、合唱、吹奏楽譜までと幅広い。
「ミュージックレッスンオンライン」では、その名のとおり、オンラインで音楽のレッスンを受けることができる。ネットで配信されるお手本の演奏を参考にするなどして、自宅で楽器を練習することができる。この2つのサービスに共通しているのが、ブログを併設していること。単なるスタッフブログではなく、サービスを補完したり、直接販促に結びつく内容となっている。2つのブログを運営するヤマハ株式会社 eヤマハ室の皆さんにお話を伺った。

■楽譜のオンライン販売需要を喚起する「ぷりログ」
「ぷりんと楽譜」のスタッフによるブログが「ぷりログ」だ。2006年の8月に導入された「ぷりログ」の導入の一番の目的はリピーターの獲得にある。
「せっかく『ぷりんと楽譜』 を訪れていただいても、目的の楽譜を手に入れたらそのまま去ってしまったり、好きな楽譜がなければその後訪れていただけない、という傾向があったんです。そこで、日々更新される読み物コンテンツを用意しようということで、ブログを導入しました」(日置 猛さん)。

「ぷりログ」の執筆は、「ぷりんと楽譜」の運営スタッフが兼任している。イベント情報やサイトの特集ページに関するもののほかに、スタッフの日記的なものも含まれ、役に立つと同時に親しみやすいものとなっている。
「季節的なものや、世間的な流行は意識しています。昨年末には『のだめカンタービレ』 が大流行したので、作中で使われた楽曲はスタッフみんなでチェックするようにしていました」(上野 真絵美さん)。

更新頻度は高く、休日を除くほぼ毎日更新されている。いつでも新しい記事が掲載されているということで、定期読者もかなりついているようだ。しかし、単に「読み物」として日記を掲載するだけでは、購買需要を掘り起こす直接的な効果は薄い。そこで、文中の楽曲名には、直接楽譜の販売ページに飛ぶように、リンクを設定してある。日記の内容に興味を持った読者が、自然に楽譜に辿りつくことができるというわけだ。

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エントリー中で紹介した曲には、「ぷりんと楽譜」へのリンクが設定されている

また、「ぷりんと楽譜」の内容をさらに掘り下げるためにも、ブログは活用されている。
「『ぷりんと楽譜』 には、特集のページがあり、あるテーマに沿った楽譜を集めて販売しているのですが、詳しい説明を1曲ごとにつけるということができませんでした。それを、ブログでさらに詳しく補完するということもできるようになりました」(上野さん)。
リピーターを増やし、購入欲求を掘り起こすという目的は、徐々に効果を上げている。
「現在、ブログからの購入は、全体の3~4パーセント程度です。数字だけ見ると低いようですが、ブログの記事はすぐに過去記事にまわってしまうことを考えると、瞬間的にはかなりの方が購入してくださっているのではないかと思います」(日置さん)。

■オンラインレッスンのコミュニケーション強化にブログを活用
「ミュージックレッスンオンライン」では、オープン当初からブログもサービスの一環として提供されている。ブログ名は「タナカミドリのミュージック・ライフ・カフェ」。タナカミドリさんは、ブログの執筆だけでなく、「ミュージックレッスンオンライン」の会員からの相談を一手に引き受けている、オンラインレッスンの顔的な存在だ。
「音楽教室の受け付けに座っている、お姉さん的な存在だと思ってください。レッスンで困ったときや、質問したいことがあったときなどは、生徒さん1人ひとりに用意された質問ボックスから私に相談を記入してもらい相談にお答えしたり、指導内容に関わることは回答者として適切な先生に質問を相談し、そのお返事を生徒さんにお伝えする役割です」(タナカミドリさん)。

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「タナカミドリのミュージック・ライフ・カフェ」のトップページ。オンラインレッスン会員とのコミュニケーションが目的の1つ

オンラインレッスンの良さは、時間や場所を考えずに受講できることにあるが、その反面、先生とのコミュニケーションが取れないという弱点もある。
「なるべく双方向のコミュニケーションを取れる、"面倒見のいい"サービスを提供したかったんですね。そこで、タナカミドリに何でも相談できる人として登場してもらいました」(鞍掛 靖さん)。
ブログには、集中する質問や、聞きにくい質問があらかじめ掲載されているほか、タナカミドリさんの日記も掲載されている。
「こんなコンサートに行きましたとか、音楽の豆知識的なものとかを紹介しながら、もっと音楽に興味を持ってもらい、レッスンを続けることによって生活が楽しくなると思ってもらえるようなことを書くようにしてます」(タナカミドリさん)。

相談メールのやりとりは会員向けのサービスだが、ブログは誰でも見ることができる。
「まだ会員になっていない方に向けての、販売促進の側面も兼ねています。ネットでレッスンを行うという試みは、まだまだ普及していません。実際にどのようにレッスンが進んでいるのかを、ブログを通じて伝えられればと思っています」(タナカミドリさん)。
実際にブログを見ると、会員でなくても十分楽しめ、役に立つ記事が掲載されている。前知識なく、たまたまこのブログを訪れた人であっても、オンラインレッスンに興味を持ってもらえそうだ。

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一部の相談メールと回答はブログでも公開されている

■イントラブログで編集会議
2つのブログは、共にMovable Typeで構築されている。ヤマハ(eヤマハ室)とMovable Typeの付き合いは長い。
「CMS(コンテンツマネジメントシステム)的な目的で使おうということで、導入したのがはじめですね。Movable Typeを使って更新したら、とても更新が楽になったんですね。それで、次にWebマガジンを作るときに、これもMovable Typeでできるんじゃないか? ということでチャレンジしてみたんです」(鞍掛さん)。

対外的には、ブログには見えないような凝ったレイアウトのページだったが、スタイルシートを駆使することで実現できたという。その際にノウハウを積んだため、今回のブログ構築も、実質2週間程度で実現したそうだ。
さらに、eヤマハ室では、イントラネットでも編集用のブログを用意している。
「毎週定例で編集会議も行いますが、日ごろからブログでやりとりができるので便利です。記録も残りますし」(鞍掛さん)。
イントラブログでは、問題が発生したときに対応を検討したり、気づいた人によって記事用のネタがアップされる。スピード感が重視されるブログのスムーズな運営に、内部でもブログが役立っているのだ。

■今後も重要性を増すブログの存在
ブログを導入してよく問題になるのが、更新頻度の低下やマンネリ化だ。その点については、導入当初当初から危機感を持って望んでいた。
「日々の更新はやはり大変です。だから、担当をきちんと決め、更新頻度も決めておいたほうがいいですね。体制作りは肝になると思います。また、口コミによって広まることが多いので、即効性を求めると期待通りにならないということになります」(鞍掛さん)。

着実にページビューを増やすために、地道な努力は欠かせない。2つのサイトでも、トラックバックしたり、動画を取り入れるなど新たな試みを取り入れている。「ぷりログ」では、実際にスタッフが弾いた映像をアップする試みを開始した。
「楽譜そのものはサンプルで見られるのですが、そこから曲をイメージするのは難しい。実際に音として聞けば、すぐにわかります。これからどんどん曲数を増やしていきたいと思います」(上野さん)。
また、今後は、「ミュージック・ライフ・カフェ」にも、先生の模範演奏などを載せていきたいとのことだ。
「IE7が普及すれば、もっと多くの人がRSSのリーダーを利用するようになるでしょう。そうなると、ブログというメディアが、さらに重要性を増すと考えられます。メールマガジンとは違う形で、プッシュできるのは企業にとっては魅力ですね」(鞍掛さん)。

ヤマハの2つのネットサービスは、ブログを効果的に組み合わせることで、よりサービスを充実させることができるという好例だ。特に奇をてらったことをしなくても、更新頻度を落とさず、内容を充実させることで、ユーザーの気持ちをつかむことができる。それは、すべてのブログに共通している運営のポイントといるだろう。

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お話を伺ったeヤマハ室 プロデュースグループの日置さん(左)と上野さん(右)

事例データ
・Movable Type(ライセンスパック)
・サイトを公開したのは:「ぷりんと楽譜」ブログ、「ぷりログ」は2006年8月
・はじめた理由:リピーターの獲得
・制作を担当したのは:社内
・何か手応えはありましたか?:ブログ経由の購入が増加した

  • 投稿者 Blog on Business 編集部
  • 12:28
  • カテゴリー Movable Type

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