Blog on Business
2007年08月03日
和光学園がMovable Type(ムーバブル・タイプ)を使う理由:後編
日々変化する学校の"今"を発信、情報教育にも活用
■ウェブ標準への対応
和光学園のサーバーが設置されているのは、学園の一教室内。そのすぐ傍らには、小池さんの机があり、手の届く範囲でサーバーを管理している。
「実際にサーバーが近くにあると、心理的に安心感があるんですよね。何かあっても、最悪リブートすればどうにかなるなと(笑)。また、僕自身サーバーを触りながら、学べることも多い。それが、生徒に教えるときにも役立っています。自分で管理するのは大変ですが、今の僕の立場だとメリットの方が大きいですね」
Movable Typeのインストールやデータベースの構築も、すべて小池さんが提案し、行っている。
Movable Typeを選んだ理由を聞くと、自由度や普及率のほかに「ウェブ標準への対応」という答えが返ってきた。
たしかに、教育機関の発信するサイトであれば、正しい記述が求められるのは必然だ。
「Movable Typeであれば、発信者が意識しなくてもウェブ標準に基づいたページができますから」
■ブログを使ったウェブコミュニケーション教育
小池さんは、高校で情報の授業を教えている。昨年4月からは、ブログも授業に取り入れ始めた。今年で2年目の試みだ。
「選択授業で『ウェブコミュニケーション』という講座を設けていますが、そこでブログを取り入れ始めました。自分のブログを立ち上げたときに、これは授業で使えるなとピンときたんですよ。ブログならHTMLがわからなくても、"自分をウェブ上でどう表現するのか?"などを学べますよね。実は昨年、学校サイトリニューアルに先立って、試験的に『和光中ブログ』『和光高校ブログ』をMovable Typeで立ち上げたんです。あわせて、授業でもブログが使える、という感触を持ったので、生徒用のブログも同時に始めたんです」
授業は、各生徒にブログを立ち上げさせるところからスタートする。しかし、授業の本来の目的は、ブログの設定ではなく、その後のエントリーを使ったコミュニケーション方法にある。
「生徒に課題を出して、エントリーを使って回答をしてもらいます。たとえば、『ブログとは何か?』という課題を出すと、生徒はそれについて調べてきて、エントリーに書き込むんですが、ウィキペディアをそのままコピー&ペーストしてくる生徒もいるんですよ。でもそれは想定の範囲内で、そこからネットにおける著作権の適切な引用の仕方などについて、話をするんです。ネット上のソースを利用しつつ、著作権を意識しながら自分の意見を表現する方法を、実践的に教えることができるわけです」
これからの情報教育は、コミュニケーションスキルを教えることこそが重要だと小池さんは言う。
「プログラムなどを教える授業もありますが、そういう専門的な技術とは別に、ウェブを利用したコミュニケーションについて学ぶことが重要になっています。バーチャルな関係ならではの問題や、快適なコミュニケーションとは何か、ということにフォーカスすることが必要だと思っています」
■募集対策だけではなく、保護者に安心を提供できる
少子化が進む中、各学校は生徒獲得に力を入れ始めているが、和光学園も例外ではない。
「うちは私立の学校の中でもユニークな存在だと思うんですが、広く知られていなかったという面もあるんです。今まで積極的に募集対策の活動をやっていなかったので、最近では広報活動を積極的に始めるようになったんです」
入試情報のページ。RSSにも対応しており、説明会情報など随時更新している
ウェブサイトは、その中でも費用対効果が高いという。
「外注に出さなければ費用も低く抑えられるし、即時性もある。特にブログは学校の"今"を伝えるツールとして、すごくいいと思うんです。学校では日々いろいろなことが起きるので、それを逐次上げていくことで、この学校ではどんなことが行われているのか、どんな校風なのかを伝えることができますから」
それは、募集対策だけではなく、在校生の保護者に安心を提供する手段にもなっている。
「学校の様子を知る方法は、今まで子どもに聞いたり、保護者会で報告を受けるだけだったのが、いつでもウェブから見られるようになった。やはり親としては、自分の子どもが学校で何をやっているのか知りたいものですよね。安心感を持ってもらい、学校を信頼してもらうことができるのは大きいですね」
多忙な先生たちでも、ブログなら頻繁に生徒の様子をアップできる。ダイレクトに学校の様子を伝えるツールとして、ブログはマッチしているのだろう。
ブログの効果は関係者の間でも認知されつつあり、さらに学園サイトでの利用を広げていこうとする動きもあるという。今後、ブログがさらに学校サイトや教育の現場に広まっていくことが予想されるが、その先鞭をつける存在として、和光学園の例は参考になるだろう。

お話をお伺いした小池さん
事例データ
・Movable Type基本ライセンスパック
・ビジネスブログをオープンさせたのは:2007年5月
・はじめた理由:更新作業の省力化、サイト構造の明確化
・制作を担当したのは:内部
・何か手ごたえはありましたか?:更新作業が複数人に分散され、省力化された。更新頻度が上がり、サイトのアクセス数が増えた
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 10:53
- カテゴリー Movable Type
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