Blog on Business
2007年10月30日
無印良品が「ライフスタイルブログ」でMovable Typeを使う理由
商品の魅力を伝え、商品開発とネット販売につなげる
無印良品のウェブサイトは、通常のコーポレートサイトの機能以外に、大きく2つの機能を持っている。ひとつは無印良品で扱っている商品の販売を行う"ネットストア"。そしてもうひとつが、お客さまとのコミュニケーションを行うための領域である"ネットコミュニティー"だ。
無印良品「ネットコミュニティ」のトップページ。「Webマガジン」「ライフスタイルブログ」「モノづくり」という3つのコンテンツで構成されている
なかでも、ウェブサイト開設当初から無印良品が力を入れてきたのが、"ネットコミュニティー"のスペース。ここでは、お客さまの声を商品開発に活かすということが行われている。無印良品のウェブサイトを担当するムジ・ネット株式会社 Web事業部e-コマース課の亀田正紀さんに話を伺った。
「以前実施した"モノづくり 家具・家電"という取り組みでは、お客さまからいただいたご意見を基に、無印良品の側から商品案を提案し人気投票を経て商品化を試みました。現在はさまざまな商品カテゴリーについてアンケートを行い、詳細なご意見を伺うことでお客さまにも商品開発の一過程に関与していただいています」。
実際、お客さまの声によって商品の仕様が変わったり、素材が工夫されたりということはごく日常のこと。ここでのアンケートの結果はウェブ上に公開されており、オープンな形で商品開発が行われている状況を眺めることができる。
2007年6月、"ネットコミュニティー"のスペースに、Movable Typeを使ったブログコンテンツ"ライフスタイルブログ"がオープンした。ライフスタイルブログとはどういうものなのか。
「カタログのようにただ商品単品の画像を見せるのではなく、ちょっと切り口を変え、実際に商品が部屋に置かれるとどう映るのか、というのを見せるのがWebマガジンの"MUJImag"です。"ライフスタイルブログ"と同時に公開しました。"ライフスタイルブログ"は、"MUJImag"よりさらに実際の暮らしを伝えるのが目的で、無印良品のスタッフが参加して生活シーンをご紹介しています」。
無印良品のスタッフの多くは、自社の商品を日常の領域でも使い、愛用している。それをブログを通じて見せることによって、カタログだけでは伝えきれない商品の魅力を伝えるというのが、このライフスタイルブログのコンセプトだ。
そのため、ライフスタイルブログでブログを担当しているのは、無印良品の宣伝販促室や店舗、ネットのスタッフが中心である。ブログを書いているスタッフの中には育児休暇中の社員もいる。それだけでなく、OB、OGにお願いして書いてもらっているブログもあるのがおもしろい。無印良品の商品が気に入られているからこそ、可能なのだろう。
現在、ライフスタイルブログの数は計10個で、ひとり暮らし、ふたり暮らし、ファミリーの3つのライフスタイルに分けられており、書き手のスタッフは順次追加や入れ替えもあるそうだ。
■ブログだからできる。自由で気軽な使い方
ライフスタイルブログで更新されているブログは、それぞれ個性に富んでいる。自分が使っている無印良品の商品をマメに取り上げて、どのように使っているかをレポートしているブログもあれば、勝手気ままに子育て日記として更新されているものもある。
ブログの運営は基本的に本人任せ。強いていえば、スタート時にMovable Typeの更新の仕方をまとめたマニュアルを配ったことくらい。他に取り立てて縛りやルールを設けているわけでもないという。
「当初の担当者は週に一回程度の更新をお願いしていたようですが、それも最初にお願いしただけで、ルール化しているわけではありません。ほぼすべてお任せという状態ですね」
内容について特に口を出すことはない。たまにリンクの張り方を間違っていたりするのを見つけると、そっと直す程度だという。コメント欄などを使ったコミュニケーションも、各自の裁量に任されており、頻繁にコメントをやり取りしているブログもある。
OB、OGを含め、信頼できるスタッフを書き手に選んでいるからこそ可能な運営スタイルだろう。

ライフスタイルブログは「ひとり暮らし」「ふたり暮らし」「ファミリー」の3つに分けられる。商品の話題だけでなく、日常も気軽に綴られている
■商品へのアクセス増加が書き手のモチベーションにも
ライフスタイルブログは無印良品が運営しているとはいえ、見た目はほとんど一般のブログと変わらない。違うのは、無印良品の商品を取り上げた写真や、商品名にネットストアの商品ページへのリンクが設定されているというところだけだ。
6月にライフスタイルブログを開設して僅か4ヶ月あまりとはいえ、ライフスタイルブログを経由した商品へのアクセス数はかなりある。
「各ブログにどれだけのアクセスがあり、そのブログ経由でどのくらいお客様に購入いただいているかという効果測定は行っています。月間30万円を超えるケースも何人かいます」。
そういった数字はブログを書いているメンバーにも伝えるのだという。
「特に更新頻度についてこちらからオーダーすることはないんですが、そういう数字が書き手にとってのモチベーションになっている面もあるかもしれませんね」。
■ファンを大切にしたコンテンツ作り
ライフスタイルブログの主な閲覧ユーザーは、無印良品のファン層と推測しているそうだ。たまたま検索エンジンなどから辿り着いた人よりも、RSSリーダーや配信しているメルマガ経由で定期的に覗きに来る人の方が多いという。
そのため、ライフスタイルブログが意識しているのは、あくまで無印良品のファンが楽しめるコンテンツ作りという部分。
「商品をお買い求めいただくだけでなく、サイトにお越しになったお客さまが"商品以外にも楽しめるコンテンツを"と思ったときに応えられるものを作ろうという気持ちが強かったんです」。
こんな台詞から伝わってくるのは、顧客、特にファンを大切にしたウェブ作りの姿勢。確かな書き手の人選と、自由な雰囲気での使い方の提案が、商品の魅力を飾ることなく伝えている。
事例データ
・Movable Type(基本ライセンスパック)
・ブログをはじめた時期:2007年6月
・はじめた理由:無印良品のスタッフによる実生活での商品の使用シーンを紹介するため
・制作を担当したのは:デザインのみ外部の制作会社に依頼
・何か手ごたえはありましたか?:アクセス数、Eコマースの売上の増加。商品の利用シーン、スタッフの暮らしぶりといった新たな情報提供によるお客さまとのリレーションの活性化
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 13:37
- カテゴリー Movable Type
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