Blog on Business
2007年11月01日
「日立ハイテクフィールディング」がMovable Type Enterpriseを使う理由:後編
■失敗から学ぶ。ブログ活性化のための運用ルール作り
日立ハイテクフィールディングではMovable Type Enterpriseの導入以前にも、一度ASPサービスを使ってブログの導入を試みたことがあるそうだが、短期間で利用を取りやめたそうだ。失敗の理由について情報システム推進部の奥本浩徳さんはこのように語る。
「当時はスタッフ部門をメインに運用を始めたのですが、アナウンスが足りずほとんど書き込みが行われなかったのが失敗の理由です。今回はその反省を活かして社員への周知等、きめ細かく対応して運用しています」
では、イントラブログ活性化のため具体的にはどのような施策が取られたのだろうか。
鍵となるのはコミュニティの独自性だ。
システムを構築した情報システム推進部がすべてのブログを管理するのではなく、運用に関してはコミュニティごとにアクティブリーダーと呼ばれる管理者を決め、彼らに参加メンバーの募集や管理、そして活性化の施策などを行ってもらっている。
「立ち上げ時のブログ参加者は、アクティブリーダーから、ある程度活発に参加できそうな候補者をリストアップしてもらい登録しました。最初の参加者はあえて絞り、その後は口コミで随時参加者を増やしていこうという"急がば回れ"戦略です」(奥本さん)。
「参加者がブログに参加したくなるシステム的な枠組み作り、カテゴリーツリーの作成も情報システム推進部とアクティブリーダーの共同作業です」と、秦和歌子さんは語る。
「最初は情報システム推進部で骨組みを考え提案し、そのあとリーダーが何をしたいかをヒアリングし、意見をあわせてレビューしながらカテゴリーツリーを作っていきました。もちろん一度で決まるわけもなく何回か試行錯誤しています。
ブログは時系列ごとに見られるのがメリットですが、カテゴリーの分け方を間違うと機能しません。コミュニティごとにまったく性格が違うので、それぞれに適応するのを見つけ出してあげるのが重要です。システム部門なのにコンサル的部分が大きいですね」(秦さん)。
また、コミュニティのアクティブリーダーと情報システム推進部のメンバーだけが集まる「TASK-E(全社活動)」というコミュニティも存在する。担当コミュニティの投稿数やコメント数など、イントラブログの利用状況の報告を定期的に行い、内容を分析して活性化のための目標を立てている。
また、投稿やコメントの運用ルールもコミュニティによって異なる。
「運用ルールですが、まず『利用者規約』という全体の固めなルールがあります。けれどもこれだけだと萎縮して参加のハードルが上がってしまうので、アクティブリーダーと相談しながらコミュニティごとの柔らかめの運用ルールも作成しています。例えば2007年新人コミュニティでは、『同期のみの公開なので気軽に投稿しましょう』といった投稿しやすいような環境作りを工夫しています」(秦さん)。
ブログの活性化のために、システム面だけではなく運用面でも多くの試行錯誤と努力がなされていることがわかる。
「器だけ用意しても決してアクティブにはならないんです。仕掛け作りをしながらコミュニティを育てていくしかないんですよね。また、ブログに慣れた若い世代はほっておいても参加しますが、それ以外の人たち、特にスタッフ部門の人たちを活性化させる方が難しいですね。ブログが遊びだと思っている人もまだまだ多いので、私のような役員がお墨付きを与えるのも重要です。イントラにはトップダウンも必要なのです」(辰己さん)。
■顧客にもブログネットワークを広げ、他社との差別化を目指す
驚くべきことに、このブログはスタートして半年もたっていない。すでに大きな成功を収めているように見えるが、まだまだ改善点はたくさんあるようだ。
「ある程度の手ごたえはありますが、必ずしも全分野(コミュニティ)で成功しているわけではありません。ブログの活性化は、アクティブリーダーの熱意や、メンバーの好奇心によって大きく上下します。今後は若い世代だけではなく管理職でもブログを活用するのが目標ですね。部課長さんには『陰で喧嘩するくらいならブログでバトルしなさい』とも言っています(笑)」(辰己さん)。
さらに、将来的にはイントラにとどまらず、顧客にもブログネットワークを広げていきたいとの希望も。
「セキュリティの問題などまだまだ技術的には難しいですが、最終的には社内だけではなくお客様もこのブログに参加していただき、他社との差別化を図っていきたく思っています。新しい機器の情報をご提供したり、他社との比較やご意見などをいただいたりすることによって、CS向上にもつながっていくと思っています」(辰己さん)。
取締役自らの強力な旗振りによるユニークな使い方とスタッフの熱意で、イントラブログを業務に活かしている日立ハイテクフィールディング。
この情熱があれば数年後には、過去に例のない会社の垣根を越えたブログネットワークが完成しているかもしれない。

お話を伺った安藤さん、辰己さん、秦さん、奥本さん(左から)
事例データ
・Movable Type Enterprise
・ブログをはじめた時期:2007年5月
・はじめた理由:社員同士のコミュニケーションを円滑にするため
・制作を担当したのは:株式会社スカイアークシステム
・何か手ごたえはありましたか?:全国の社員同士で活発なコミュニケーションが行われている
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 17:14
- カテゴリー Movable Type Advanced
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