Blog on Business
2008年04月03日
ビープラス(自動車関連サイト)がMovable Typeを使う理由
ビープラスは、ボルボ(スウェーデンの自動車メーカー)の販売とメンテナンスを専門に行う全国でも珍しい会社だ。東京都調布市にあるビープラスの店舗兼整備工場「2nd Motors」は全国のボルボマニアが集まる聖地となっている。
在庫車やパーツの紹介を行う会社のウェブサイトは2007年から全面的にMovable Typeを採用して構築している。採用の理由や運用方法について、代表取締役社長の田村 研さんにお話を伺った。

「2nd Motors」のトップページ。中古車、パーツ情報をはじめ、スタッフブログなどを掲載している
■個人ブログで手軽さを実感
ビープラスのウェブサイトは10年ほど前に田村さん自らが作成。当時はサイトを運営するショップもまだ少なく、全国のボルボファンが検索エンジンなどから集まってきたそうだ。数年後にはウェブデザイナーに依頼してリニューアルを行ったが、引き続き更新作業はDreamweaverなどのホームページ作成ソフトを使って田村さんが行っていた。
今回のリニューアルのきっかけは、田村さんが2005年1月から無料ブログサービスを利用して始めた個人ブログだ。まだブログという言葉があまり一般的でなかった時期からブログに熱中し、その手軽さに感銘を受けたそうだ。そして、たまたまスタッフの同級生であり、株式会社GENOVAを立ち上げたばかりの平瀬智樹さんとブログの魅力について語り合ったことをきっかけに、Movable Typeを使ってサイトをリニューアルすることを決意。1年ほどの開発期間を経て2007年初頭に完成した。
■Movable Type+他サービスのコンビネーション
ビープラスのサイトは、トップページを始め大部分がMovable Typeによって構築されている。「新着情報」「中古車情報」「アフターセールス」「Q&A」「スタッフブログ」などの各コンテンツはすべて独立したブログとなっており、管理画面で一括して更新できるようになっている。
ブログ化されたメリットについて田村さんは、
「今までエディターソフトなどを使って手作業で行っていた更新作業から解放され、本来の業務に時間を割くことができるようになりました」と語る。
ただし、以前から別サービスで運営されていた田村さんのブログと、ショッピングカートシステムを使った「パーツ通販」のページだけは別サービスにリンクされているが、デザインのトーン&マナーは統一されている。読者が別サービスと意識されることはほとんどないだろう。
■カスタムフィールドを活用!入力画面のカスタマイズで効率アップ
田村さんの要望に応え、Movable Typeの管理画面は大幅なカスタマイズが行われている。特に、販売する中古車の情報を表示する「中古車情報」画面は、「年式」、「色」、「形式」、「走行距離」など定型的に入力する要素が、本文入力欄とは別にすべてカスタムフィールドとして用意されており、プルダウンメニューなどから選択するだけで、簡単に詳細なデータを入力することができるようになっている。

エントリーの入力画面。わかりやすく、記入漏れの防止などに役立つ
また、同様に中古車情報画面では、写真のサムネールをクリックすると、同一ウィンドウに大きな画像がAjaxを使って表示されるというギミックが、効果的に使用されている。これは「Lightbox JX」というモジュールを利用したものだ。

サムネイルからの画像表示も凝っている。中古車情報のページだけでなく、「AFTER SALES」のページでも同じ機能が実装されている
■あえて"ダサい"デザインで親近感を
GENOVAの担当者との打ち合わせで、田村さんは大手企業のサイトのような洗練されたデザインではなく、あえて"ダサく"作ってほしいという奇妙な要望を出したそうだ。
その真意については
「プロっぽく作ってもらいたくなかったというのがありました。あまりサイトがかっこよすぎると、店舗に行った時にギャップを感じると思うのです。それよりも身の丈に応じた親近感・手作り感を重視しました」と語ってくれた。
もちろん"ダサい"というのは言葉のあやだろう。完成したデザインはオレンジを基調にしたシンプルなものだ。
「お客様が愛してくれた以前からのデザインを可能な限り崩したくなかったのです」と語るように、全体的なトーンは以前からのサイトを踏襲しているという。
長期にわたって運営されているサイトやブログでの対話で培ったユーザーとの距離を縮めたくない、という田村さんの人柄がそのまま表れていると言えよう。
■ネット上でのコミュニケーションの難しさを実感
このようにユーザーと密な関係を築くことができるブログだが、運営に関して難しい面もあるそうだ。
特に、サイトリニューアルに先駆け長期間にわたって運営されている田村さんのブログは、開設当初から毎日更新を続け、ユーザーからのコメントにもすべて対応していたそうだが、最近になって更新頻度を少し減らし、コメント欄もクローズしたそうだ。
「理由としてはやはり時間的負担の増加ですね。毎日書かなければならないという依存症的な感覚や、コメント欄に書かれた誹謗中傷、ユーザー同士の議論などへの対応に多少疲れてしまったという理由もあります。本業に差し障りが出るのは本末転倒ですしね」。
サイトの認知度が上がるにつれ、それに比例してブログ運営に関するすべての業務を一人でこなさなければならない田村さんの負担は増えていく。現在のところブログ専任のスタッフを立てることもできず、苦渋の選択だそうだ。
読者とのコミュニケーションで苦労はあるものの、製品情報やニュースの掲載など、CMSとして利用している部分には、満足しているそうだ。
田村さん自身、以前からDreamweaverを使うなど、ITリテラシーは高い。実店舗とインターネット(ブログ)との共存にメリット・デメリットも経験しているが、「店舗のウェブサイトは必須」と考える田村さんは、今後どのように実店舗とネットを共存させるか模索しているという。その結果、次の一手はどのようなものになるのか、今後の動きに注目したい事例だ。

お話を伺った田村さん
事例データ
・Movable Type(基本ライセンスパック)
・サイトを公開したのは:2007年3月
・はじめた理由:HTMLベースのサイト更新に限界を感じたため
・制作を担当したのは:株式会社GENOVA
・何か手ごたえはありましたか?:更新にかける時間を通常業務に割けるようになった
(文:田口 和裕)
- 投稿者 Blog on Business 編集部
- 14:32
- カテゴリー Movable Type
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