Blog on Business

2008年07月22日

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サントリーがMovable Typeを使う理由:後編

前編はこちら

■3つのタイプのブログ

現在、サントリーで運営しているブログは上記のように5つあるが、性質上3つのタイプに分けられる。1つ目のタイプは、特定の商品の販促を担ったブログ。「natchan! blog オレンジな日々」がこれにあたり、清涼飲料「なっちゃん」の関連情報を、商品開発担当者と宣伝担当者が綴っている。新CMの制作風景や、キャンペーン景品の開発秘話などが週に数回のペースで更新され、いち早い情報提供と、ユーザーの親近感を得るのに役立っている。

『natchan! blog オレンジな日々』では、製品の関連情報などが発信されている
『natchan! blog オレンジな日々』では、製品の関連情報などが発信されている

2つ目は既存サイトの情報を補足するブログだ。

サントリーグルメガイド公式ブログBAR-NAVI公式ブログは、ともに本体のサイトがあり、それを支えるために作りました。どちらも本体のサイトは店舗のデータべースなので、お店の基本情報はわかっても、雰囲気までは伝えることが難しい。例えばバーの場合、すごく敷居が高いイメージがあって、ひとりで入っても大丈夫なのかどうかわからないですよね。でも店のレポートがブログ記事としてあれば、どんな場所なのかをイメージしていただきやすいと思い、ブログを開設しました」。

ブログの執筆は、社内のスタッフのほか、外部のブロガーも担当している。

そして、3つ目は、会社の広報的な役割を持つブログだ。ほかのタイプのブログはそれぞれの部署が運営しているが、3つ目のタイプのブログは、石原さんの所属している広報部が直接運営にあたっている。最初にできた「山崎蒸溜所Blog」と、「サントリートピックス」がこのタイプになる。

「山崎蒸溜所は、京都の郊外にあるウイスキーの工場です。工場にはご案内係がいて、見学のご案内をしています。ブログでは、ご案内係が実際に見学をしてくださったお客様の反応も参考にしながら、ウイスキーや工場についての情報を伝えていくことを目的としています」。

「サントリートピックス」は、サントリー全体の情報を伝えていく場として用意された。

「環境保護活動や商品情報など、とりあげる内容はさまざまですが、どれもコーポレートメッセージである<水と生きるサントリー>にひもづけて、情報を掲載しています」。

『サントリートピックス』では、
『サントリートピックス』では、"水"に関連した話題が掲載されている

これによって、単なる会社のプレスリリースとはちょっと違った印象を与えるブログとなっている。

「植樹や環境活動など、マスメディアでは伝えきれない情報を発信する場として生かしたいと思っています」。

ブログ形式なら、一般の人にも興味を持って見てもらえる可能性が高くなるだろう。また、継続して活動をブログに記録していくことで、後々アーカイブとしても役立ちそうだ。
これらのブログに共通しているのが、頻繁にブロガーを対象としたイベントを開いていることだ。ワイナリー見学やセミナーなど、体験型のイベントに参加してもらい、それぞれのブログでレポートをしてもらう。そして、サントリーのブログにトラックバックをしてもらうことで、多角的な視点からイベントを伝える効果と、クチコミによる波及効果を狙っている。

「年に数回開催する工場のセミナーの場合、最初の回はブロガーを対象とする場合があります。ブロガーさんたちのレポートによって、セミナーの内容を多角的に伝えていきたいと考えています」。

実際に「ネットを見て応募したという方は増えています」とのことだ。


イベント関連のエントリーでは、ブロガーからのトラックバックが多数付いている
イベント関連のエントリーでは、ブロガーからのトラックバックが多数付いている

■トラックバックでブロガーと交流

サントリーのブログに共通しているのは、いずれもトラックバックを即時受け入れていること。スパムの削除に関しては、全社共通のガイドラインを設け、社外のスタッフに監視を委託している。掲載を保留せず、あとから削除する形態にしたのは、ユーザー側の視点を重視したためだ。

「私もそうなんですが、トラックバックが付いたかどうかが、すぐにわからないのは嫌なんですね。あとから確認するのは大変ですし」。

トラックバックへの対応からも伺るように、サントリーのブログからは、ユーザーとのコミュニケーションをなるべく重視していきたいという姿勢が伺る。

「以前と比べ、消費者が変わってきたという背景があります。ブログという情報発信ツールを持ち、モノを言う消費者になってきたときに、単に情報を発信するウェブサイトだけでなく、その人たち(ブロガー)に対応できるものが必要になってきたんですね」。

最近では、CMSを目的としてブログを始める企業も多い中、ブログの持つコミュニケーション機能に期待をよせているのだ。ブロガー対象イベントの参加者レポート記事を読むと、人間味が溢れた楽しそうな雰囲気を感じることができる。

消費者対応の良し悪しが企業評価を決めるといっても過言でない昨今、消費者とコミュニケーションを取ることの難しさは増すばかりだ。しかし、成功すれば、得られる効果は大きい。ブログを消費者とのコミュニケーションの場として明確に位置づけているサントリーの姿勢からは、多くの事柄を学びとることができる。

事例データ
Movable Type(基本ラインセンスパック)
・サイトを公開したのは:2008年1月
・はじめた理由:消費者とのコミュニケーションの場として
・制作を担当したのは:外部
・何か手ごたえはありましたか?:ブロガーからのトラックバックなどの反響を得ることができた。

(文:森嶋 良子)

  • 投稿者 Blog on Business 編集部
  • 11:35
  • カテゴリー Movable Type

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