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12.26.2005
不二家『ショコラ・ジャポン』がMovable Typeを使う理由
ショコラ・ジャポン プロデューサーによるブログ『ショコラ・ジャポン 姫気分♪』
http://chocolat-japon.jp/

ショコラ・ジャポン プロデューサーによるブログ『ショコラ・ジャポン 姫気分。♪』は、不二家のチョコレート新製品『ショコラ・ジャポン』の販売促進を主目的として、7月7日の七夕からスタートした。商品の販促活動を目的としたブログはすでに先例がいくつかあるが、『ショコラ・ジャポン 姫気分♪』がおもしろいのは、ターゲット層が女性であることを明確に意識した内容になっていることだ。マーケティング目的のビジネスブログでは、女性をターゲットにしたものが少ないだけに興味深い事例である。ブログと商品の販促戦略について、実際にエントリーの執筆をされている商品企画担当の岡部桂子さんと、ブログ展開を企画した土屋めぐみさんに話を伺った。
■『姫』の理由
『ショコラ・ジャポン 姫気分♪』では、エントリーの終わりは常に「では また おめにかかりとうございます」で締めくくられる。そして執筆者のプロフィールは、ショコラ・ジャポンプロデューサー『ほぼ自称:姫』となっている。ビジネスブログとしては一風変わったこの体裁、実は商品コンセプトとターゲットユーザーと密接に結びついたものだ。
「女性は誰でも、お姫様願望があると思うんです。女性を姫と呼んで、『ショコラ・ジャポン』は女性のために作ったチョコレートなんですよということをアピールしたかったんです。だから書き手も姫ということにしました。『ほぼ自称』と付いていますが(笑)。」(岡部さん)
ショコラ・ジャポンのターゲットはF1層(20~34歳までの女性)。女性に対してアピールするのに、女性が書き手となることは必然的といえるだろう。だがそれ以上に、岡部さんが記事を書くことには必然性があった。書き手の岡部さんは、ショコラ・ジャポンの商品企画を担当した当事者だったからだ。
「ブログの展開の仕方にもいろいろあると思うのですが、『ショコラ・ジャポン』はゼロから立ち上げる商品ブランドだったので、企画者から営業までといった多人数で書くよりも、プロデューサー一人の視点で書いたほうが、商品に対する我々の想いが伝わりやすいんじゃないかと思ったんです。」(土屋さん)
お菓子メーカーが商品ブランドを展開していく方法はいくつかある。例えばパッケージは店頭で消費者にアピールする最も直接的な方法であり、テレビコマーシャルは認知度を高めるのに大きな役割を果たす。これらに加えて、新たにブログをブランド展開に用いたのはなぜだったのだろうか。それは、『ショコラ・ジャポン』の商品背景に、たくさんの物語性があったからだという。
「今年の秋は和風チョコレートがはやるというのが予想としてあったのですが、『ショコラ・ジャポン』は普通の和風チョコレートから一歩進んだ製品を目指していました。でも、『簡単に言うと和風チョコでしょ?』と言われがちなんです。パッケージやコマーシャルだけでは、この商品の凝った部分や物語性まで伝えきれないんじゃないかという不安がありました。」(岡部さん)
そこで、Webで何かできないだろうかと、Web企画を担当する土屋さんに相談をしたという。土屋さんはWebでのマーケティング経験から、今年ブログがヒットするのではないかと注目していた。ちょうど、社長ブログが世間で話題になっていた頃だが、まだ商品マーケティング手段としてのブログはそれほど知られておらず、「やるなら今だ」と土屋さんは考えたそうだ。そして、何回かの代理店を交えたミーティングの後に、ブログでの展開が決まった。
お菓子メーカーに限らず、商品企画の裏には多くの繊細なコンセプトがある。他社が和風味で和風チョコを展開する中、『ショコラ・ジャポン』はパッケージ商品では珍しいチョコレートへの着色を行ない、単なる和風の一歩先を行こうとした。この特徴をアピールするために、『和洋創作ショコラ』というサブタイトルを付けたり、漢字の商品名ではなくフランス語を使った『ショコラ・ジャポン』という商品名を持ってきたり、商品を擬人化したような『雅姫』というアイテム名を付けてみたりと、様々な工夫がなされた。そういう商品コンセプトや制作者の思い入れを伝える手段の一つとして、文章で直接消費者にアピールするブログが選ばれたのは、ある意味当然の帰結だったと言えないだろうか。
「エントリー最後の『では また おめにかかりとうございます』という文は、実は商品パッケージの内側の底に記載されているものなんですよ。」(岡部さん)
ブログ内容が見事に商品コンセプトに沿っていることに驚かされる。『ショコラ・ジャポン 姫気分♪』は、執筆者個人のブログではなく、商品コンセプトのそのものなのだ。
■ちょっとした仕掛けで大きなSEO効果を上げる
『ほぼ自称:姫』としてブログを書き始めた岡部さんだが、実は土屋さん共々これまでにブログを書いた経験はなかったという。うまく読み手を惹きつけられる内容になるか、懸念はなかったのだろうか?
「岡部しか知らない商品に関する情報や、商品への思い入れなどがストーリーになるので、ネタは十分持っているだろう思っていました。それに、岡部は商品に関してある程度権限があり、彼女が商品に対して書く内容は公式の内容になるので、内容について問題になることは心配していませんでした。」(土屋さん)
「それに、雅姫というだけあり、商品コンセプトから言って、少し控えめな人だというキャラクター作りをして書いていますから、暴走した内容にはならないですね。」(岡部さん)
実際のエントリー内容は、岡部さんが経験した日常の話なども出てきている。これらの話題も、やはり女性をはっきりと意識しているようだ。
「最近のエントリーでは、今年の秋冬はベロアがはやっているという内容がありましたが、ターゲット層を考えるならああ言う話題は当然ありだろうと考えています。トレンドを押さえている姫というのが大事です。」(土屋さん)
ターゲット層を意識してエントリーを書くだけでなく、SEO(検索エンジン最適化)への工夫も行なっている。エントリーの中でトラックバックを募集して、商品発売前の『ショコラ・ジャポン』商品サンプルを配るというキャンペーンを行なった。送ったのは各1箱ずつだったが、受け取った人は感想を自分のブログに書いたり、暖かい反応があったという。キャンペーンによるSEO効果も上々で、ブログ開始前に"ショコラ・ジャポン"で検索をかけても14件程度しか引っかからなかったのが、キャンペーン後に3桁台になり、今は何万件と引っかかるようになったという。
「仕掛けが過ぎると嫌がられたりしますから、さりげない仕掛け方をしてみました。そしたら大きな効果が出ましたね。トラックバックで離れ小島がつながって、『ショコラ・ジャポン』の輪ができたという感じです。誰かのブログ記事を見て、他の人が『ショコラ・ジャポン』について書いたりと、そういう連鎖が出来たのが嬉しいです。」(土屋さん)
土屋さん・岡部さん共に、インターネットの性質をうまくとらえて、見事にブログを展開しているのが印象的だ。少し控えめな人という商品コンセプトが、うまくブログコミュニティと調和したようだ。さて、秋冬向けの新商品ブランドとして登場した『ショコラ・ジャポン 雅姫』だが、次の商品もすでに決まっている。それは『○○姫』だというがそれはなんだろうか? 続きは『ショコラ・ジャポン 姫気分♪』にて近日発表されるそうだ。

『姫』が顔出しNGなのは、「『ショコラ・ジャポン 姫気分♪』の執筆者である姫は、特定の誰かではなく、女性みんなの理想としての姫なので」とのことだ。
■事例データ■
・Movable Type商用ライセンス
・ビジネスブログをはじめたのは:2005年7月7日
・はじめた理由:商品の販促ツールとして
・制作を担当したのは:モーフ・グラフィックス(http://www.morph.co.jp/)
・何か手ごたえはありましたか?:トラックバックによるSEO効果が想像以上に得られた
(Text by 細谷滝音(島医者) / Takio Hosoya(Shimaisya))
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- Posted by hosoya
- at 16:45
- in CMS事例
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