Blog on Business
2009年09月11日
eoblog(イオブログ)がTypePad ASPを使う理由
大規模ユーザーを移行し、地域性を生かしたブログサービスをTypePad ASPで実現
eoblog(イオブログ)は、関西地方で高いシェアを持つ光回線プロバイダサービス「eo」が提供するブログサービスだ。以前からあるプロバイダのブログと、「関西どっとコム」の合併に伴い、それぞれのブログサービスも統合。TypePad ASPを利用し、新たなブログサービスとしてスタートしたという。eoを運営している株式会社ケイ・オプティコムの岩本隆全さんと山根実佳子さん、ブログ開設時の担当者で、現在は関西電力株式会社に所属している三浦生也さん、システム構築を担当したイントフロート株式会社の龍野優也さんにお話を伺った。
5000人のブログユーザーをTypePadに移行
eoblogは、登録すれば誰でも利用できる無料のブログサービスだ。eo光の利用者をメインターゲットとしているが、それ以外の一般ユーザーが約半数を占めているという。一般ユーザーには、前身の「関西どっとコム」から移行してきた人も多い。 「関西どっとコムからeoblogに移行を希望する人には、申請を出してもらいました。その時点で関西どっとコムには5万人くらいのブログユーザーがいたので、その人数を受け入れられるキャパティシーがあるシステムを探していました」(岩本さん) オリジナルのプログラムを開発する方法や、他のブログサービスなどを比較検討したが、最終的に条件に合ったのがTypePad ASPだった。
「コンサルタントに相談をして、比較項目をリストにしてもらってチェックし、総合点がもっともよかったのがTypePad ASPでした。ポイントになったのは、コストと安定性です。以前はシステムを自前で持っていたので、運用が大変でした。TypePad ASPには、大規模ユーザーをかかえている実績があるので、安心感は大きかったですね」(三浦さん)
TypePad ASPでは、ホスティングとシステム管理をシックス・アパート社で担当するため、自社の負担は少ない。その分、コンテンツ開発やユーザー対応にリソースを割けるというメリットもある。
実際に「関西どっとコム」からの移行を希望したユーザー数は5000人強だった。
「以前はオリジナルのブログシステムを使用していたので、データコンバート用のツールが必要でした。データ移行プログラムの開発をイントフロートが担当し、データの受け入れ部分の開発をシックス・アパートが担当しました。移行を行ったのは、記事本文とコメント、トラックバックです。テンプレートはあとからお客様に選んでいただくかたちをとりました」(龍野さん)
そして、ツールを使って1件ずつデータの移行を行っていった。
「移行を始めてみると、画像とテキストのレイアウトが崩れるなどの問題がおきたので、それらの問題に一つ一つ対応していきました。ツールを新たに開発したり、手作業で直していった部分もあります」(三浦さん)
数か月で移行は完了し、新たなブログサービスとして再スタートを切ることができた。 「当初は、移行したユーザーの方から慣れなくて使いづらいなどの声がありましたが、今では新しいシステムになじんでいただけたようです」(山根さん) 活用方法を提案したりFAQにまとめたりして、サイト上でもユーザーのフォローを積極的に行っている。

eoblogのトップページ。登録すれば、誰でも利用することができる。
コミュニティはブログで実現
統合以前に提供していた、コミュニティやSNSなどのサービスの一部もTypePad ASPに移行した。
「SNSの先駆け的なサービスをやっていたんですが、利用者が少なくなってきたので、オープンにしてもよい情報はブログに移行しました。また、「釣りぶネット」という、釣り好きの人のためのコミュニティもブログに移行しました。以前は「釣りぶネット」に登録しないと書き込みができなかったのですが、現在は通常のブログと統合しました」(三浦さん)
現在は、釣りに関するブログや情報が「釣りぶネットblog」のポータルページに集約されるような仕組みになっている。ユーザーは、コミュニティ用に別のブログを作るなどの必要はない。釣りに関連するブログを書くときは、通常の記事作成画面で「拡張記事の投稿」アイコンをクリックすると、専用の入力画面が表示される。釣り日や釣り場、釣果情報などを入力して投稿すれば、自分のブログに投稿されると同時に、「釣りぶネットblog」のポータルページに新着情報として登録され、検索の対象ともなる。ポータルページの表示は独自のシステムを利用している。
「専用の入力画面から記事を書くと、専用のタグが記事の中に埋め込まれます。そのタグから、釣りぶネットに掲載する情報かどうかの判別を行い、ポータルに反映しています」(龍野さん)
以前から「今何が釣れているのか釣り新聞よりもよくわかる」と評判のサイトだったが、通常のブログを入り口とすることで、コアな釣りファン以外のライトユーザーへの訴求も期待している。
独自のシステムとTypePadを連携させてコミュニティを実現する仕組みには、汎用性を持たせてあるので、今後新たなコミュニティを追加することも可能だ。
「今後はペットやスポーツなどのコミュニティを増やしていく予定」(山根さん)という。

釣りぶネットblogのポータルページ。釣りに関するブログが読めるほか、釣果情報の検索もできる。

釣果情報専用の入力ページ。あらかじめ入力欄が用意されていて、釣果情報を効率よく入力できる。釣果情報は検索の対象になる。
さまざまなサービスを1つのIDで利用可能に
eoでは、回線契約内容の確認(回線契約者のみ)や各種コンテンツサービス、ブログなどを「eoID」という1つのIDで利用できる。いちどログインすれば、eoのポータルサイトeonet.jp内のほかのサービスを使う際に再度ログインする必要はないので、シームレスな連携が可能だ。
「IDとパスワードのデータはTypePADではなく、eo側のデータベースで管理しています。回線契約者の方なら、有料サービスの使用料を回線料金と一緒に決済できます」(岩村さん)
利用者の利便性を上げることで、ブログを含むさまざまなサービスの利用率の上昇も期待しているとのことだ。
サイト開設から約1年。前サービスからの移行作業もほぼ終了し、今後は新たなブログユーザーの獲得と、活性化が目標となる。
「アクティブユーザーは約半数程度なので、結構活発に使っていただけていると思います。ユーザーのモチベーションを上げるための方法としては、ランキングも利用しています。自分の順位を確認できるとモチベーションが上がるんですね。トップ300位まで載せるようにして、日々の順位を確認できるようにしています」(岩本さん)
「前身の関西どっとコムが地域情報ポータルサイトだったこともあり、地域性を生かしていきたいと思っています。先日釣りぶネットでファミリーを対象とした釣りイベントを行ったのですが、50名の募集に対して600名の応募をいただけました。今後も関西エリアの企業さんとコラボレートして、ユーザーさんと一緒に盛り上がれるような、リアルと連携したイベントをブログ上でも展開していきたいと考えています」(山根さん)
サービスの統合や新システムの導入など、ブログの移行が必要になる場面は多い。新システムによって様々な問題が解決するとわかっていても、移行そのもののコストによって二の足を踏んでしまうことも多いのではないだろうか。大規模ユーザーの移行を無事に終わらせ、さらに良いサイトへと進化させたeoblogの事例は、多くのブログユーザーにとって参考になるだろう。

左から岩本隆全さん(株式会社ケイ・オプティコム)、三浦生也さん(関西電力株式会社)、龍野優也さん(イントフロート株式会社)、山根実佳子さん(株式会社ケイ・オプティコム)
事例データ
- TypePad ASP
- サイトを公開したのは:2008年7月
- はじめた理由:新たなブログサービスとしてスタートさせるため
- 何か手ごたえはありましたか?:ユーザーの利便性が向上した
- 投稿者 mtakahashi
- 12:00
- カテゴリー TypePad
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