ビジネスブログの基礎知識
ビジネスブログの基礎知識
第11回:パーソナリティーを決める
ビジネスブログをご検討中のみなさん、こんにちは。シックス・アパートの中山です。さて、ビジネスブログを始める上で「執筆する担当者」と「ブログのタイトル」は欠かせませんが、それに加えてもうひとつ知恵を絞りたいことがあります。
それは、「ブログのパーソナリティー」です。消費者や読者とコミュニケートがしやすいブログの特性上、ブログにはそれを書く人や企業の雰囲気や人となりがにじみ出るものです。
それらの自分たちならではの個性が、ブログのパーソナリティーになるのです。
従来の企業のウェブサイトで発せられる情報は、会社という組織が「公式に発表するかしこまった情報」という印象を強く与えるものです。そこに発せられる文章・内容・言葉遣い・顧客との距離感は、どうしてもビジネスライクになりがちで、人の暖かみや、親しみといったパーソナルさを感じにくいといった面があります。
対照的に、ブログというメディアは、同じインターネット上で見られるコンテンツでありながら、そこで発信される情報ややりとりされるコミュニケーションの質に大きな違いがあります。
<親しみを生むウェブサイト=ブログ>
どのような目的でビジネスブログを始めるにせよ、記事を読んでくれる読者に対し、「親しみ」の気持ちを持ってもらいたいのは間違いないでしょう。
従来のウェブサイトに比べ、ブログは気軽に記事を更新でき、かつ双方向性の高いメディアですので、読者と運営者の距離感がとても近いのが特長です。
実際に、ビジネスブログを運営する企業は、消費者からどのようなイメージを持たれているのでしょう?以下のグラフからも分かるとおり、「親しみやすい」イメージが強いことがハッキリしています。また、親しみやすいだけでなく、「活気がある」、「フットワークが軽い」という肯定的なイメージも目立っています。さらに、20%ではありますが、「透明性の高い」というイメージも現れています。この透明性とは、全ての企業が常日頃から顧客や市場に向けて説明するのに苦労している事柄ではないでしょうか?
企業責任が問われ、あらゆる企業がより一層の透明性を求められている昨今、ブログが企業イメージの向上に一役買っているといえるでしょう。
ブログのパーソナリティーをもって、上手にブログで親しみを演出することができれば、企業イメージをアップさせることもできるのです。
<「それは誰の発言なの?」>
一人で執筆するか、それとも複数のグループで執筆するかは、ブログのパーソナリティーを築き上げる上であまり関係はなく、どちらでも等しく構築できます。“パーソナリティー”という単語だけを考えると、なんとなく「1人のほうが効果的なのでは?」と考えられるかもしれませんが、そんなことはありません。
ブログ上でパーソナリティーを演出したいと考えたとき、問題は何人でブログを執筆するかという「人数」の問題ではなく、誰の発言であるかという「主語」の問題です。
ビジネスブログは企業が発信するのですから、常に企業が主語になるのは当然なのですが、それだけでは主語が大きすぎてあいまいなのも事実です。いわゆるプレスリリースや記者発表等の情報は企業が主語ではありますが、パーソナルな感覚は薄いです。
ここでいう主語とは、企業に属する個人や様々なグループ等の、もっと具体的な人々を指します。
たとえば、社長や経営陣、製品開発チーム、営業社員、現場で販売を担当する店員、入社間もない社員、顧客の問い合わせに対応するサポート部門、などといった組織で働く人々です。みなさんも、顧客の立場から自分が利用している企業のビジネスブログを読むと想像したとき、主語が「企業」という法人よりも、このような「個人・グループ」から発せられる情報のほうが、はるかに親しみを感じることと思います。
社員3万人以上を擁する大企業の日産自動車の例をご紹介しましょう。
コンパクトカーのティーダを紹介する「TIIDA BLOG」では、ティーダという1つの商品について、従来のウェブサイトとは異なる視点に立ち、一人の担当者がコツコツとレポートするブログです。ここでは、パーソナルな感覚を大切にしつつ、商品をうまくPRすることに成功しています。
「企業名が主語だと伝え難い商品の魅力を、ありのままレポートして伝えるということに気をつけています。例えば身長が184cmの男性を実際にシートに座らせて、前の席との間にどれだけの余裕があるのかを計った写真を掲載したりもしています。」
「ブログの利点は、ひとりの担当者の視点で語らせることができるという部分だと思っていますので、TIIDA BLOGの場合は、日産自動車の一社員が見て感じたティーダの魅力を、そのまま伝えていくということを大事にしています。そのため、記事は基本的にすべて"日産自動車の山本です。"という一文から始めているのです。」
ポイントは、「ビジネスブログでありつつも、個人が主語である」という点です。
TIIDA BLOGは大企業が発信している情報であるにもかかわらず、記事を書いている一社員の雰囲気や商品に寄せる愛情がダイレクトに伝わってきて、まるでその担当者との1対1でコミュニケーションをしているような感覚を覚えます。これこそが、パーソナル感と呼べるものです。そこにはテレビCMや雑誌広告にありがちな、大上段から商品を伝える姿勢ではなく、消費者の目線に降りて、ありのままの商品の魅力を伝えようとする努力が感じられるのです。ビジネスブログにおいて、パーソナリティーを演出しているよい例と言えるでしょう。
<そのブログと友達になりたいか?>
ビジネスブログに集客をするには、巧みな文章テクニックで執筆したり、SEO対策等でアクセスを稼ぐという手段もあります。これらの対策は実際に効果がありますし、おろそかにしてはいけない部分です。しかし、こういった対策以前に重要なのは、いかに御社のビジネスブログが「読者と友達になろうと歩み寄ろうといているか」という基本スタンスなのです。
みなさんは、
正直で、隠し事をせず、裏表のないありのままの姿を見せる人
と、
不誠実で、言動が一致せず、見栄を張る人
どちらと友達になりたいかと問われれば、前者を選びますよね?
ウェブサイトでもブログでも、当たり前のことですが、それを読むのは血の通った人間です。多くの読者に愛されるブログになるかどうかも、まさに、どれだけの読者から「このブログと友達になりたい」と思われるかがカギとなります。
そのときの判断基準となるのは、人間もブログも同じです。
ですから、何を書くか、誰が書くか、といった事柄以上に、「読者(消費者)に対して、正直でオープンな姿勢を貫く」という姿勢を守れるかどうかの心構えをしっかりと認識する必要があるでしょう。
ブログは、書く人と読む人の間に、親近感を育みやすい特長を持つメディアであることは事実です。だからと言って、放っておいても親近感を生むツールに育つわけではもちろんありませんし、ブログ読者(消費者)が無条件に書かれた内容を信用してくれるわけでもありません。
前述の日産自動車のご担当者は、こう語っています。
「ありのままをレポートするだけですよ。特に文章を書く訓練をしたりしたわけではありません。」
飾りすぎず、無理に背伸びせず、等身大の自分(自社)を見せる気持ちを忘れないでください。そうすることで、徐々に、そして確実に御社のビジネスブログの“パーソナリティー”は培われていくのです。
次回は、「運営ポリシーを決める」です。
- 投稿者 nakayama
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