森永製菓が「ミルクキョロちゃんの放浪記ブログ」でTypePadを使う理由

ブログを使った消費者目線のマーケティング

森永チョコボールのキャラクターとしておなじみの「キョロちゃん」が、現在ブログで人気を博している。ミルクチョコボールにあわせて生まれたキャラクターが主役の「ミルクキョロちゃんの放浪記ブログ」では、テレビCMの「その後」のキョロちゃんの姿を見ることができる。長年にわたり、さまざまなメディアを活用してプロモーションを行ってきた森永製菓が、ブログに目を向けた理由は......?

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ミルクキョロちゃんの放浪ブログ」のトップページ。ブログパーツの提供も行っている

(2010年3月 追記) 2009年2月からは「キョロちゃんブログ」という名前でブログを再オープンし、引き続きキョロちゃんやチョコボールに関するお知らせを配信している。

キョロちゃんブログ

キョロちゃんブログ」のトップページ。

コマーシャルのその後をブログで伝える

男の子に連れられた牛柄のミルクキョロちゃんが、玄関でお母さんに「動物は飼えない」と言われてショックを受け、去ってゆく......。
チョコボール<ミルク>に代わり、新製品のチョコボール<スイートコーン>が登場することを告知するために作られたテレビコマーシャルを、ご覧になった人も多いだろう。実はネットで展開されているブログは、新しいスイートコーンではなく、去ってしまったミルクキョロちゃんにスポットを当てたもの。現在売り出し中の商品ではなく、「売っていない」商品にスポットが当たる珍しい例だ。実はチョコボール<ミルク>は7月にリニューアルし、再発売されることになっている。その時期にはテレビCMにも、「返ってきたミルク」編が登場する。その間をブログで繋ぎ、口コミで拡げるというものだ。

玄関を出たミルクキョロちゃんは消え去ったわけではなく、日本全国放浪の旅に出たという設定で、ブログではその足取りを追っている。
「実際にミルクキョロちゃんは、全国の街頭やテレビ番組に出没します。目撃情報などをカメラで撮って送ってもらったり、双方向のおもしろい企画ができたらいいな、というところから始まっています」(森永製菓株式会社 広報・IR部 宮田 應秀さん)
ブログでは、青森のテレビ番組に出演したり東京タワーを訪れたりと、神出鬼没のミルクキョロちゃんの様子が、写真をたっぷり盛り込んだレポートとして紹介されている。テレビコマーシャルの続編的な意味合いを持っているが、単に「続きはWebで」的なものではなく、ミルクキョロちゃんのその後を逐次伝えていく、臨場感のあるコンテンツになっている。

「ネット限定でCMのロングバージョンを流したことなどはありますが、ブログのように双方向性のあるものとCMを連動させた企画は初めてです。消えたはずのミルクキョロちゃんを見た人が、その情報がミルクキョロちゃんのブログに載っていることを知り、それがクチコミで伝わっていくことで、バイラル的に認知度を高めていきたいと期待しています」
そのため、特にテレビコマーシャル内でも告知はしていない。テレビ番組や街角でミルクキョロちゃんを目撃した人が自らのブログで取り上げたり、情報を検索することで、押し付けではなく自然に噂が広まっていってほしい、という姿勢なのだ。それは、今までのコマーシャルの方法論とはずいぶん違う。「コマーシャルが効かなくなってきている時代」にあわせた展開ともいえるだろう。

また、クチコミの喚起とは別の役割も。
「コマーシャルを見た人から、お客様相談室に電話で『ミルクキョロちゃんがかわいそう』といった意見もいただいているんですが、その後のミルクキョロちゃんの様子はブログを見てくださいと案内することができる。そこで、逆にいいイメージを持って帰ってもらうことができるんです」(宮田さん)
コアなファンへの受け口としての機能も、ブログは果たしているのだ。

キョロちゃんブログパーツ

「ミルクキョロちゃんの放浪記ブログ」ではGoogle MAPを利用したサービスも提供していた

TypePadの導入で即時性を高め品質を保つ

以前掲載されていたブログでは、構築から更新まで制作会社に任せられており、システムも他のものが使われていた。それが、「ミルクキョロちゃんの放浪記ブログ」や「キョロちゃんブログ」では TypePad ビジネス を導入し、更新作業や日々の管理も社内で行うようになった。

「ブログは、更新頻度が重要ですよね。製作会社にアップしてもらうとなると、コストもかさむし、時間もかかります。自分でできることは、自分でやったほうがいいということですよね(笑)。TypePadを選んだ理由は、操作性が容易で、機能が充実していて、しかも安いところです」(宮田さん)

更新作業に携わっている倉重 文子さんは、これまでほとんどブログを触ったことはなかったが、「やりやすい」ということだ。
「問題がおきた場合も、シックス・アパートのサポート体制はしっかりしているので、安心できますね」(倉重さん)

内部で記事が更新できることで、内容についてのハンドリングがしやすいというメリットもあるようだ。お菓子という商品の性質上、読者は小さな子どもも含まれるため、表現には気を使う。また、キャラクターのイメージを壊さないようにする必要もあり、掲載する写真も、子どもの夢を壊さないものを選ぶ必要がある。そのうえで、読みやすさも大事になってくる。
「言いたいことがたくさんあるので、つい記事が長くなってしまうんですが、おもしろく読んで終われるくらいのボリュームになるように、数回に分けるなどしています」(倉重さん)
みんなに愛してもらえるキャラクターを活かした記事作りは、読者層や製品の特徴などに対する高い意識の下に行われているといえるだろう。

現在のマーケティングツールとして欠かせないブログ

誕生から40年がたつロングセラー商品「チョコボール」は、おなじみの「おもちゃの缶詰」を始め、時代とともにさまざまなプロモーションを行ってきた。近年は、もちろんインターネットを使った活動にも熱心だが、その内容にも変化が起こっている。去年までは会員制の「キョロちゃんファンクラブ」を運営し、顧客を集める手法が取られていたが、リニューアルを行い、その方針を180度転換した。

「お客さんに来てもらうのではなく、こちらから出て行こうということになったんです。以前はお客さんに"キョロちゃんが住む島"に遊びに来てもらうイメージだったのが、お客さんから見て『自分のパソコンにキョロちゃんが遊びに来る』ように見えるように、トップページも変更しました。情報発信のスタンスが変わってきたんですね」(宮田さん)

ブログでの情報発信もその一環だ。パソコン用に加えて携帯用のブログページも用意しており、個人個人に直接届くような手法を次々と取り入れている。さらに、キャラクターを使って最新情報を伝えるブログパーツも配布し、自らブログを持つファンにもアピールしている。
「ブログは低コストで双方向性を持つ、非常に魅力あるツールです。それをどう活かすかは、これからの課題でもあります。今、ブログをうまく使いこなせる会社は、お客様の気持ちや時代に敏感だというイメージを与えられるという面もあり、販促だけでなく企業イメージの向上にも影響するのではないでしょうか」(宮田さん)
現在のマーケティングツールとしては、多大な影響力を持つビジネスブログの役割は、これからもさらに大きくなっていきそうだ。

お話を伺った倉重さん、宮田さん(左から)

お話を伺った倉重さん、宮田さん(左から)

事例データ

  • TypePad ビジネス
  • ブログをはじめた時期: 2007年3月
  • はじめた理由: 商品の認知度をあげるため
  • 制作を担当したのは: 社外
  • 何か手ごたえはありましたか?: 読者から反応を得られるようになった
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