Movable Type 3.2 マニュアル - 既存環境からのアップグレード

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既存の環境からアップグレードする場合、次のステップで行います。

  1. 既存の環境のバックアップを行います。
  2. 最新版のソフトウェアをダウンロードします。
  3. ダウンロードしたファイルをローカルのディレクトリで解凍し、Perlの実行環境にあわせ調整します。
  4. 環境設定ファイル (mt-config.cgi) の内容を実行環境にあわせ調整します。
  5. FTPプログラムでインストール先に転送します。
  6. システム・チェックプログラム (mt-check.cgi) で実行環境を確認します。
  7. セットアッププログラムを実行します。

既存環境のバックアップ

既存環境のバックアップには、以下のものがあります。特に「データベース」は、データ・フォーマットが新機能によりバージョンアップしているため重要です。

  1. データベース
  2. 環境設定ファイル
  3. PerlやPHPのプログラム

データベースのバックアップの方法には、大別して以下の方法があります。

MySQLの場合
MySQLのデータベースのバックアップ方法には、(1)コマンド行、(2)phpMyAdmin、(3)MySQL Administratorプログラムと多彩です。環境に応じて選択してください。phpMyAdminやMySQL Administratorを使ったバックアップは、それぞれのマニュアルを参照してください。コマンド行の場合は、以下のように実行すると、FILENAME.mysqlというバックアップ・ファイルが作成されます。
mysqldump -a -u USERNAME -p DATABASE > FILENAME.mysql
PostgreSQLの場合
PostgreSQLのデータベースのバックアップ方法には、(1)コマンド行、(2)phpPgAdmin、(3)PgAdminプログラムと多彩です。環境に応じて選択してください。phpPgAdminやPgAdminを使ったバックアップは、それぞれのマニュアルを参照してください。コマンド行の場合は、以下のように実行すると、FILENAME.pgというバックアップ・ファイルが作成されます。
Pg_dump --u=USERNAME --p DATABASE > FILENAME.pg
Berkeley DB、SQLiteの場合
Berkeley DBやSQLiteのデータベースのバックアップ方法は、MySQLやPostgreSQLと異なり、データベース・ファイル自身を別ディレクトリにコピーすることでバックアップができます。別ディレクトリにコピーしたファイルは、バックアップと認識できる名称でバックアップしてください。また、圧縮ツール等で圧縮するのもいい方法です。

Movable Typeからエントリーを書き出すと、万が一のときに備えユーザーの側でバックアップを保管できます。また、これらは、Movable Typeに再び、簡単に読み込めます。 ブログのエントリーとコメントを書き出すには、左側にあるブログ・ツールバーの「読み込み/書き出し」をクリックします。 「エントリーの書き出し」タブに「からエントリーを書き出す」リンクがあります。 これをクリックすると、コンテンツの書き出しファイルが生成し、指定先にダウンロードします。 ブログのサイズによってはダウンロードにある程度の時間がかかることがあります。

最新版のダウンロード

最新の配布パッケージは、シックス・アパートのウェブサイトからいつでもダウンロードできます。

ファイルの解凍と修正

ローカルに保存したパッケージを、解凍プログラムで適切なディレクトリに解凍します。先ほど確認したPerlの実行環境が初期値と異なる場合は、テキスト・エディタプログラムで、拡張子がcgiのファイルの1行目を修正してください。修正する際に-wを誤って削除しないように注意してください。

環境設定ファイルの修正

Movable Type 3.2 では、環境設定ファイルとして、mt.cfg に代わり、mt-config.cgi を参照します。互換性を保つため、mt-config.cgi がない場合 mt.cfg も参照します。mt-config.cgi を使う場合には、これまで、mt-db-pass.cgi に記述していた、データベースに接続するときのパスワードを、mt-config.cgi の DBPassword に設定することに注意してください。 インストール先やデータベースの設定等を、全て環境設定ファイル (mt-config.cgi) に以下のように指定します。

  1. パッケージを解凍したディレクトリ内に、mt-config.cgi-originalファイルがあります。このファイルをmt-config.cgiにコピーします。
  2. mt-config.cgiをテキストエディタ等で修正します。行頭に#がある行は、コメント行です。必要に応じて#をはずしてください。
  3. CGIPath (28行目) に、Perlスクリプトを保管するディレクトリパスを設定します。本例では、http://www.mt-site.jp/apps/となります。
  4. 次にデータベース・サーバーへのアクセス情報を設定します。利用するデータベースの環境にあわせ、31~71行目についてコメントをはずし、環境を技術します。57行目のSQLSetNamesは、MySQL4.1やPostgreSQL8等のキャラクターセットを明示的に指定するデータベースを利用する場合コメントをはずします。
  5. StaticWebPath (93行目) に、CGIPathで指定したパスにmt-staticを追加します。本例では、http://www.mt-site.jp/apps/mt-static/となります。
  6. TempDir (211行目) に、Movable Typeが生成するテンポラリー・ファイルの保存場所を指定します。
  7. PublishCharset (272行目) に、Movable Typeが生成するHTMLファイルのキャラクターセットを指定します。通常はUTF-8ですが、EUCを指定する場合はeuc-jpを、シフトJISを指定する場合はshift_jisを指定します。
  8. 利用の環境にあわせ、他の項目もカスタマイズします。
  9. テキストエディタを終了し、保存します。

アップロード

パッケージを解凍したディレクトリの内容を、ウェブ・サーバーのインストール先 (環境設定ファイルのCGIPathで指定している場所) に、FTPクライアントソフト等でアップロードします。アップロードの際は、mt-static/imagesディレクトリ内のファイルはバイナリーモードで、それ以外はASCIIモードでアップロードします。アップロード後、インストール先のディレクトリ内のCGIスクリプト (.cgiで終わる名前のファイル) の権限を755に設定します。

システム・チェック

今までの作業について、システム・チェックプログラム (mt-check.cgi) を実行して最終確認を行います。本例では、http://www.mt-site.jp/apps/mt-check.cgiになります。実行の結果、「準備が整いました。」というメッセージを表示した場合、無事に作業が終了したことになります。このメッセージが表示されなかった場合、何らかの作業が完了していないので、続けて作業を行います。

セットアッププログラムの実行

システム・チェックが正常に終了したら、インストール先にあるセットアッププログラムを実行します。セットアッププログラムは、インストール先のindex.htmlの「ログイン」リンクをクリックして実行します。本例では、http://www.mt-site.jp/apps/index.htmlになります。もし、このファイルへのアクセスができない場合には、mt.cgi へアクセスしログインします。ログイン後、画面の指示に従って、アップグレードを行ってください。

セットアッププログラムが正常に終了すると、「ログイン画面」が表示されます。これでインストールは終了です。お疲れ様でした。


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