Movable Type Enterprise 1.5 マニュアル: 既存環境からのアップグレード

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既存環境からのアップグレード

既にMovable Type, Movbale Type Enterprise 1.0などを利用してブログを構築している場合でも、アップグレードすることによってMovable Type Enterprise 1.5のすべての機能を利用できます。Movable Type Enterpriseへのアップグレードは、次の手順で行います。

既存環境からのアップグレード

  1. 既存環境のバックアップを行います。
  2. Movable Type Enterpriseのパッケージを解凍し、必要であればPerlのパスを修正します。
  3. ファイルをアップロードし、パーミッションを設定します。
  4. システム・チェック用CGI「mt-check.cgi」で実行環境を確認します。
  5. セットアッププログラムを実行します。

既存環境のバックアップ

バックアップすべきものは以下のとおりです。特に「データベース」は、データ・フォーマットがバージョンごとに変更されているため重要です。

  • データベース
  • 環境設定ファイル「mt-config.cgi」
  • PerlやPHPのプログラム

データベースのバックアップの方法には、大別して以下の方法があります。

  • 利用しているデータベースのフルバックアップ
  • Movable Type Enterpriseの「読み込み/書き出し」機能を使ったエントリー(コメント/トラックバックを含む)のバックアップ

MySQLの場合

MySQLデータベースのバックアップは、「mysqldump」コマンドを実行して行います。以下のように実行すると、「FILENAME.mysql」というバックアップ・ファイルが作成されます。

  $ mysqldump -a -u USERNAME -p DATABASE > FILENAME.mysql 

PostgreSQLの場合

PostgreSQLデータベースのバックアップは、「Pg_dump」コマンドを実行して行います。以下のように実行すると、「FILENAME.pg」というバックアップ・ファイルが作成されます。

  $ Pg_dump --u=USERNAME --p DATABASE > FILENAME.pg 

Oracleの場合

Oracleデータベースのバックアップは、「exp」コマンドを実行して行います。以下のように実行すると、「FILENAME.orcl」というバックアップ・ファイルが作成されます。

  $ exp USERNAME/PASSWORD@DATABASE file=FILENAME.orcl 

Movable Type Enterpriseからエントリーを書き出しておくと、万が一のときに備えて、ユーザー側でバックアップを保管できます。またこれらは、Movable Type Enterpriseへ簡単に読み込ませることができます。ブログのエントリーとコメント/トラックバックを書き出すには、ブログのスタート・ページにあるブログ・ツールバーの[読み込み/書き出し]から行います。

[エントリーの書き出し]タブに[<ブログ名>からエントリーを書き出す]という項目があります。これをクリックすると、コンテンツの書き出しファイルが生成され、ダウンロードが始まります。ブログのサイズによっては、ダウンロードにある程度の時間がかかってしまうことがあります。

ただし、エントリーの書き出しを行っても、テンプレートなどのデータは保存されないので、コマンドラインからデータベースのバックアップを行った方が確実でしょう。

ファイルの解凍と修正

Movable Type Enterpriseのパッケージを解凍します。Perlの実行環境が初期値「/usr/bin/perl」と異なる場合は、テキストエディタでCGIファイル(拡張子がcgiのファイル)を修正する必要があります。

mt-config.cgiの設定

既存環境からのアップグレードの際には、環境設定ファイルmt-config.cgiは変更せずに、既存環境の設定をそのまま利用することを推奨します。

ただし例外として、既存環境においてMovable Type Enterprise 1.0のディレクトリ・サービスとのユーザー認証の連携機能を用いている場合は、以下の記述をmt-config.cgiに追加することを推奨します。

 ExternalUserManagement 0 
 ExternalGroupManagement 0
理由は、Movable Type Enteprise 1.5 においては、ディレクトリ・サービスとのユーザー管理の連携を選択した際には、デフォルトでユーザー管理の連携を行う設定になっているためです。Movable Type Enterprise 1.0ご利用時と同様に、ディレクトリ・サービスとのユーザー認証の連携のみを利用する場合は、上記の設定を行う必要があります。

ファイルのアップロードとパーミッションの設定

パッケージを解凍して作成されたディレクトリの中身を、ウェブ・サーバーのインストール先(mt-config.cgiの「CGIPath」で指定している場所)に、FTPクライアントなどでアップロードします。

ただし、StaticWebPathを設定している場合は、mt-staticディレクトリのみ、StaticWebPathで指定している場所にアップロードします。

アップロードの際は、「mt-static/images」ディレクトリ内のファイルは「BINARYモード」で、それ以外は「ASCIIモード」でアップロードします。アップロード後、インストール先のディレクトリ内のCGIスクリプト(「.cgi」という拡張子のファイル)のパーミッションを「755(rwxr-xr-x)」に設定します。

mt-check.cgiの実行

今までの作業について、システム・チェック用CGI「mt-check.cgi」を実行して最終確認を行います。ウェブ・ブラウザーでmt-check.cgi(本書の例では「http://www.example.com/webapps/mt-check.cgi」)にアクセスしてください。

ページの最下部に「準備が整いました。」というメッセージが表示された場合、無事に作業が終了したことになります。このメッセージが表示されなかった場合、何らかの作業が完了していないので、手順を見直し、足りない作業を行ってください。

mt.cgiの実行

システム・チェックが正常に終了したら、ウェブ・ブラウザーでmt.cgi(本書の例では「http://www.example.com/webapps/mt.cgi」)にアクセスしてください。

自動的にアップグレードが開始します。

「アップグレードが完了しました。」というメッセージが表示されればアップグレードは正常に終了しています。

[Movable Type Enterpriseにログインしてください]ボタンをクリックするとMovable Type Enterpriseへのログイン画面が表示されます。


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