毎日新聞社「昭和毎日」がTypePad ビジネスを使う理由
デザインのカスタマイズ柔軟性をいかし、他サービスとの連携、読者参加型クイズコーナー、コメント投稿欄など、双方向コミュニケーションのための機能を短期間に実装し、シニア世代もまきこんで多くの固定ファンを獲得するとともに、新規読者層の拡大にも成功。
TypePad ビジネスにはホスティングサービスが付随しているので、スピード感重視のサイト開設にちょうどよかったんです。また、独自ドメインで運用できるので、内部サーバのように見えるのもいいですね
- 毎日新聞社 乗峯滋人さん
「昭和毎日」は、戦後の懐かしい写真やニュースを紹介するウェブサイトだ。リニューアルを機に毎日新聞社のニュースサイト「毎日jp」のいちコーナーから独立し、 TypePad ビジネス を導入した。独自性の高いコンテンツで人気を集めている同サイトの運営について、毎日新聞社デジタルメディア局の乗峯滋人さんにお話をうかがった。
「昭和毎日」のトップページ。本サイトの「毎日.jp」とヘッダー・フッターが共通化され、独自ドメインも適用されているため傍目には ASP 型ブログサービスで運用されているように見えない。
「昭和毎日」の配信プラットフォームとして TypePad ビジネスが選ばれた経緯
「昭和毎日」は、「毎日jp」がオープンした直後に立ち上げられたという。
「毎日新聞社には写真や記事などのアーカイブが大量にあり、それらをコンテンツとして販売しています。昭和毎日は、その広告塔としての役割を担うために設置されました。現在のかたちへとリニューアルするきっかけになったのは、新しいコンテンツの導入です」
そのコンテンツとは「昭和の地図」。昭和30年代と現代の地図をシームレスに行き来することができ、地図上のアイコンをクリックすれば当時のその場所の写真を見ることができる
昭和31年発行の地図と現代の地図がレイヤー表示されており、その上でそれぞれの写真が撮影された場所が緯度・経度情報をもとに一覧されている。
「昭和30年代に東京都内の風景を大量に撮影していた池田信さんという方がいたのですが、遺族から写真のネガと権利を毎日新聞社に寄贈したいとの申し出がありました。さっそく写真集を発売することになり、プロモーションを兼ねてウェブでも紹介しようということになったわけです。ネガには住所が細かく書いてあったので、地図上にマッピングして見せてはどうかとのアイデアを出しました。過去と現在の地図に写真をつなげる仕組みは、毎日jpが導入している CMS では実現できなかったので、新たに別のシステムを検討することになったんです」
そこで選ばれたのが TypePad ビジネスだ。選択に至った一番の理由は、「スピード感」とのこと。
「写真集の発売に合わせるために、急いでサイトを作らなければならなかったんですね。TypePad ビジネスにはホスティングサービスが付随しているので、スピード感重視のサイト開設にちょうどよかったんです。また、独自ドメインで運用できるので、内部サーバのように見えるのもいいですね」
ウェブのために用意された写真は約 500 枚。それらの素材を効率よく活用するため、写真には識別用にユニークIDと撮影場所を記録するための緯度・経度情報を付加し、データベースで管理している。付加されたデータをもとに、地図上での表示や、撮影場所を当てる「クイズ昭和の記録」のコーナー内でのリンク作成を行っている。
専用の記事作成ツールを併用した記事更新作業
もうひとつ人気のあるコーナー「クイズ昭和の記憶」。コンテンツの更新には、専用の記事作成ツールが併用されている。
「クイズのページを作成する場合は、専用の記事作成ツールで写真の ID と質問文、回答を入力します。すると緯度・経度情報や写真のファイル名などが埋め込まれたソースが生成されるので、コピーして TypePad ビジネス の管理画面にペーストすれば、地図へのリンクなども含めたページが作成できます」
「クイズ昭和の記録」に挑戦すると、直後に正解が表示されるとともに同じ場所で撮影された過去と現在の写真を見比べることができる。現在の写真は乗峯さんが撮影。
コメント機能によってコンテンツに情報を付加
リニューアルと同時に、コメントの受付も開始した。会員登録などは行わずに、写真やニュースに対して意見や感想を書き込むことができる。
「コメントは即時公開ではなく、内容の確認を行った上で公開しています。公開・非公開の判断は私が行っています。特定の人や団体などを誹謗中傷するものなどは非公開にしますが、幸いそういう例は少ないですね」
実際にコメントを見てみると、当時を知る人からのさまざまな情報や思い出話が書き込まれていてとても興味深い。コメントによって CGM 的な要素が加わり、情報に深みが与えられているといえるだろう。
「地図上の写真の位置が間違っていると訂正情報をいただくこともあります。地元の人でないと分からない情報ですよね」
当時を知る人でないと書けない価値あるコメントが蓄積されており、ときにコンテンツの信憑性を裏付けることにもつながっている。
多くのファンを呼び込むコンテンツ
昔の地図と写真の連携という独自性のあるコンテンツが人気をよび、アクセス数は多い月には 300万 PV を超えることもあるという。
「固定ファンもかなりいると思いますね。また、Yahoo! のトピックスに関連リンクを載せるとぐっとアクセスが増えます。最近はツイッターでも更新情報を伝えています。今はツイッターに手動で書き込んでいますが、TypePad ビジネスには自動でツイッターに更新情報を流す機能があると聞いたので、今後は活用を検討してみたいですね」
リニューアルのきっかけとなった「写真集のプロモーション」という目的も達成されたと感じているという。写真集の認知度を上げるだけでなく、実際にその場で購入まで至るケースも少なくない。
「サイト上からアマゾンへのリンクを張っていますので、そこから購入してくれる方もいます」
新聞社はコンテンツの宝庫だ。「昭和毎日」は、双方向性や他サービスとの連携などネットならではの要素を多数取り入れ、宝の山を生かす場として成功している。最近では携帯の GPS と連携したサービスも開始した。
「今後はユーザーからの写真投稿やアプリ化など、コンテンツの幅を広げていきたいですね」
資産を生かすためのアイデアはまだまだつきないようだ。次にどんなサービスが追加されるのか、毎日jpの活動に引き続き注目したい。
事例データ
- TypePad ビジネス
- サイトを公開したのは: 2008年6月23日
- はじめた理由: 自由度の高いCMSツールとして
- 制作を担当したのは: 外部制作会社






