Movable Type Enterprise 1.5 マニュアル: 新規インストール(IIS)
新規インストール(IIS)
Internet Information Servicesb(IIS) 6.0は、Windows Server 2003に標準添付のウェブ・サーバー機能です。ここではIISの環境下でMovable Type Enterpriseを利用する方法を解説します。なお、IISの以前のバージョンでMovable Type Enterpriseを利用する場合は、OSの違いにより、設定方法が異なる場合があるので、ご注意願います。
- IISのインストール
- ActivePerlのインストール
- ActivePerlをIISで利用可能にする
- データベース・サーバーのインストール
- Movable Type Enterpriseのインストール
- Movable Type EnterpriseをIISで利用可能にする
- Movable Type Enterpriseに必要なPerlモジュールのインストール
- PHPのインストール(ダイナミック・パブリッシングを利用する場合)
IISのインストール
IIS 6.0は、Windows Server 2003をインストールした直後では利用できません。次の手順でIIS 6.0をインストールします。
- タスク バーから[サーバーの役割管理]を実行します。
- [役割を追加または削除する]リンクをクリックし、サーバーの構成ウィザードを実行します。
- 構成オプションについて、[カスタム構成]を選択します。すると、現在の構成されているサーバーの一覧が表示されるので、アプリケーション サーバーを選択します。必要な項目を入力していくと、IIS 6.0がインストールされます。
ActivePerlのインストール
ActivePerlは、カナダActiveState社が提供するPerlで、Windowsプラットフォームをはじめ、多くの環境で動作します。ActivePerlのインストールは以下の手順で行います。
- ActivePerlをダウンロードします。ダウンロードする際は、Windows Installer版(拡張子が.msi)を選択します。
- ダウンロードしたファイルをダブル・クリックして実行します。
- インストール先を、適当なフォルダ(例: C:¥Program Files¥Perl)に指定します。
- 次に、オプションを指定します。以下の3項目についてチェックがされていることを確認し、[Next]をクリックします。
- Add Perl to the PATH environment variable
- Create Perl file extension association
- Create .pl script mapping for Perl
- インストールが無事に終了すると、[Finish]ボタンが表示されるので、クリックして終了します。
- ActivePerlのインストールが正常に終了したことを確認するために、コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して確認します。
C:¥>perl -v
This is perl, v5.8.8 built for MSWin32-x86-multi-thread
(with 21 registered patches, see perl -V for more detail)
Copyright 1987-2006, Larry Wall
...... (以下、メッセージが続く)
C:¥>
ActivePerlをIISで利用可能にする
ActivePerlをIISで利用するために、Webサービス拡張を設定します。
- [管理ツール]から、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ]を実行します。
- ローカル コンピュータを展開し、[Webサービス拡張]をクリックします。
- Webサービス拡張Perl CGI Extensionを選択し、[許可]ボタンをクリックします。
データベース・サーバーのインストール
Movable Type Enterpriseのデータを保管するデータベース・サーバーをインストールし、以下の環境設定を行います。
Movable Type Enterpriseのインストール
次にMovable Type Enterpriseをインストールします。
- Movable Type Enterpriseのパッケージ(zip形式またはtar.gz形式)を適切なフォルダ(例: C:¥Inetpub¥wwwroot¥mt)に解凍します。
- mt-config.cgi-originalファイルについて、ファイル名をmt-config.cgiに変更します。
- mt-config.cgiについて、データベースやウェブ・サーバーの情報等を反映します。
mt-config.cgiファイルを編集する際は、行末がLFになっているので、それに対応したテキスト・エディタプログラムをご利用ください。
- 次にMovable Type Enterpriseをインストールしたフォルダについて、アクセス権限を設定します。インストールしたフォルダのプロパティを表示し、[セキュリティ]タブを選択します。誰もが利用できる匿名認証の場合、インターネットゲストアカウント(IUSR_<コンピュータ名>)がアクセスできるように設定します。
- 読み取りと実行
- フォルダの内容の一覧表示
- 読み取り
Movable Type EnterpriseをIISで利用可能にする
Movable Type Enterpriseのインストール先を、IISで利用可能にします。
仮想ディレクトリの登録
Movable Type Enterpriseをインストールしたフォルダについて、ウェブ・ブラウザーからアクセスできるように仮想ディレクトリを設定します。
- [管理ツール]から、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ]を実行します。
- [Webサイト]から[既定のWebサイト]を選択します。
- [操作]メニューから[新規作成]-[仮想ディレクトリ]を選択すると、仮想ディレクトリの作成ウィザードを実行します。
- エイリアス(例: mt)を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
- Movable Type Enterpriseをインストールしたフォルダへのパスを入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
- 仮想ディレクトリに対するアクセス許可について、以下の項目を許可します。
- 読み取り
- ASPなどのスクリプトを実行する
- ISAPIアプリケーションやCGIなどを実行する
- 仮想ディレクトリの作成ウィザードが正常に完了します。
CGIスクリプトの実行の設定
先ほど設定した仮想ディレクトリ内のCGIスクリプトを実行するための設定をします。
- [管理ツール]から、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ]を実行します。
- [Webサイト]から[既定のWebサイト]を選択します。
- Movable Type Enterpriseをインストールしたフォルダに対応する仮想ディレクトリを選択し、プロパティを表示します。
- [仮想ディレクトリ]タブを選択し、[構成]ボタンをクリックすると、[アプリケーションの構成]ウィンドウを表示します。
- [マッピング]タブを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
- CGIスクリプトを実行可能にするために、次の設定をします。
- 実行可能ファイル: <ActivePerlをインストールしたディレクトリ>/bin/perl.exe "%s" %s
- 拡張子: .cgi
- 動詞: GET,POST,HEADに制限
- [スクリプトエンジン]をチェック
- [ファイルの存在を確認する]をチェック
既定のコンテンツ ページの登録
Movable Type Enterpriseでは、index.htmlが既定のコンテンツ ページになります。次の手順で登録します。
- [管理ツール]から、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ]を実行します。
- [Webサイト]から[既定のWebサイト]を選択し、プロパティを表示します。
- Movable Type Enterpriseをインストールしたフォルダに対応する仮想ディレクトリを選択し、プロパティを表示します。
- [ドキュメント]タブを選択したあとに、[追加]ボタンをクリックすると、[コンテンツ ページの追加]ダイアログを表示します。index.htmlとタイプし、[OK]ボタンをクリックしてください。最後に[適用]ボタンをクリックします。
認証とアクセス制御の設定
Movable Type Enterpriseの管理画面やブログページへのアクセスについて、次の手順で登録します。
- [管理ツール]から、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ]を実行します。
- [Webサイト]から[既定のWebサイト]を選択し、プロパティを表示します。
- Movable Type Enterpriseをインストールしたフォルダに対応する仮想ディレクトリを選択し、プロパティを表示します。
- [ディレクトリ セキュリティ]タブを選択したあとに、[認証とアクセス制御]の項の[編集]ボタンをクリックします。
- [匿名アクセスを有効にする]にチェックをし、ユーザー名がMovable Type Enterpriseをインストールしたフォルダに設定したアカウントと同じであることを確認します。
動作の確認
Movable Type Enterpriseが利用可能か動作を確認します。
- ウェブ・ブラウザーで、設定した仮想ディレクトリにアクセスします。初期画面を表示していることを確認します。
- 初期画面から[Movable Type Enterpriseシステム・チェック (mt-check.cgi)]のリンクをクリックします。システム・チェックの結果を表示していることを確認します。
ヒント ISAPIモジュール(perlis.dll)を利用することで、より高速に実行できます。詳細は、ActivePerlのマニュアルを参照願います。
Movable Type Enterpriseに必要なPerlモジュールのインストール
ActivePerlの環境下では、Movable Type Enterpriseに必要なPerlモジュールを、CPANからではなく、Perl Package Managerからインストールします。
- [スタート]メニューから、Perl Package Managerを実行します。
- データベース・インターフェイス等、Movable Type Enterpriseに必要なモジュールをインストールします。モジュール名が不明の場合、[search]コマンドを実行して確認します。
例:MySQLを利用する場合
ppm> install DBI
ppm> install DBD-mysql
- モジュールのインストールが終了したら、[exit]コマンドを実行して終了します。
ヒント ActiveState社が運用しているリポジトリ内に、必要なモジュールがない場合もあります。有志によるActivePerlに対応したリポジトリ(例: http://theoryx5.uwinnipeg.ca/ppms/)も参照してみてください。
PHPのインストール
PHPのインストール方法は、以下のとおりです。
- PHPパッケージをウェブサイトからダウンロードします。ダウンロードする際は、zip形式のパッケージを選択します。
- zip形式のパッケージを解凍し、適切なディレクトリに展開します。
- 展開したディレクトリ内の、php.ini-recommendedファイルをphp.iniとしてC:¥Windows¥フォルダにコピーします。
- php.iniファイル内のcgi.force_redirectがある行について、コメントを外して編集します。
cgi.force_redirect = 0
- PHPの拡張モジュールを設定します。拡張モジュールは利用する利用するデータベースにあわせて選択してください。
extension = php_mysql.dll
- 展開したディレクトリを、環境変数PATHに追加してください。
- PHPのインストールが正常に終了したことを確認するために、コマンドプロンプトから次のコマンドを実行して確認します。
C:¥>php -v
PHP 5.1.2 (cli) (built: Jan 11 2006 16:40:00)
Copyright (c) 1997-2006 The PHP Group
Zend Engine v2.1.0, Copyright (c) 1998-2006 Zend Technologies
C:¥>