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フードソムリエがMovable Typeを使う理由

株式会社グロッシー様

ブログだと話が早いんです。すでにブログをお持ちの方も多いですからね。『こんなふうに入力画面がありますが、マニュアルを見て入力してください』というと、みんな構えてやってくれませんが、ブログならできそう、ということで受けてもらえます。

生産者~料理家~消費者を結ぶ食のポータルサイト

フードソムリエ』は、料理家のレシピを中心に、産地直送食材の紹介や生活スタイルの提案など、食にまつわるこだわりのコンテンツを掲載しているサイトだ。レシピや料理家プロフィールページ、食材紹介ページの間を自然に巡回できるサイトの構築には、Movable Typeが使われている。また、ブログの敷居の低さが、120名近くの料理家の確保に役立っているという。同サイトを運営している株式会社グロッシーの大久保郁織さんに話を伺った。

『フードソムリエ』のトップページ

『フードソムリエ』のトップページ。プロの料理家によるレシピや食材などが紹介されている

■レシピとアイテム、料理家が複雑にリンクしあう構造

フードソムリエのメインコンテンツは料理のレシピ。中華や和食といったジャンル別のほかに、「低カロリー!ヘルシーダイエット食 」「もてなし上手のホームパーティ」などのテーマに沿って分類され、メインターゲットであるキャリア女性の興味を惹く工夫がされている。

各ページでは、作り方の手順説明と共にレシピの作者やおすすめ食材などの情報も表示され、さらにそれぞれの詳細な紹介ページにリンクが張られている。さらには、各料理家の詳細プロフィールにもおすすめ食材が表示されている。単純にレシピを掲載するのではなく、レシピと料理家、アイテムの3つが連携した構造になっているのだ。

2008年4月の時点で、登録件数はレシピが650件以上、料理家数は120名。これらのすべてを入力するにはかなりの労力が必要となるはずだが、グロッシーの社員は3名で、到底人海戦術は使えない。しかし、Movable Typeでサイトを構築することで、大量で複雑なデータ管理が可能になった。

「実は、レシピは料理家さんに直接入力してもらっています。計画当初から、レシピを作った人が見えることが重要だという考えだったんですね。『レシピは人なり』で、レシピからは作った人が透けて見えてくるんです。そのレシピが気に入ったら、同じ料理家が作ったほかのレシピも見たくなるし、どんなキッチンツールや食材を使っているのかも気になってきますよね。なので、レシピ以外のアイテム情報も含めて料理家さんに入力してもらってます。それを実現するにはブログが最適だと思ったんですね。人数が多くても、ひとりひとりにIDを振れば、各自で自由にアップしてもらうことができるということは知っていたので、私たちのやりたいことにマッチしているのではないかと思いました」。

レシピ、プロフィール、アイテムのそれぞれを別のブログとして用意し、それぞれ入力してもらうが、誰でも迷わずに入力できるように、入力画面は大幅にカスタマイズしてある。入力すべきフィールドを細かくわけ、空白を埋めていくだけで必要事項の抜けがないようにしてあったり、ラジオボタンでチェックすると、入力フィールドの構成が変わってくるなどの工夫が施されている。さらに、それぞれのデータ間の関連付けも簡単に行える。たとえば、レシピ入力画面には自分の登録したアイテムが表示され、選択すればレシピ内にもおすすめアイテムとして表示される、といった具合だ。

レシピの入力画面。入力しやすいようにカスタマイズされている

レシピの入力画面。入力しやすいようにカスタマイズされている

■"ブログならできそう"~信頼できるプロの料理家を集う

こうして、インタビューなどの企画ページは大久保さんが原稿を書いているものの、大半のページは料理家自らが更新を行っていく仕組みが実現された。となると、サイトのクオリティは、質の高い料理家をどれだけ集められるかによって決まってくる。

「オープン前に、料理家の方たちにメールでアンケートをとり、お答えいただいた方に対して『こんなサイトを作るので登録しませんか?』とアプローチしました。レシピを無料でアップしてもらうかわりに、サイトに媒体力がついてくればご自分のPRになりますよ、と。お願いするときも、ブログだと話が早いんです。すでにブログをお持ちの方も多いですからね。『こんなふうに入力画面がありますが、マニュアルを見て入力してください』というと、みんな構えてやってくれませんが、ブログならできそう、ということで受けてもらえます」。

当初は30人程度からスタートしたが、人数が増えるに従って、サイトを見て応募してくる料理家も増えてきたそうだ。応募してきた料理家に対しては審査を行い、登録をお願いするかどうかを決める。登録してもらう料理家は、料理教室を開いていたり、雑誌にレシピを提供するなど、プロと呼べる人に限っているからだ。信頼がおけるプロだけが登録しているということが、サイト全体のクオリティを保つことにつながっている。

■生産者直販のネットショップがサイト開設のきっかけに

『フードソムリエ』には、ショッピングページが用意されている。実際は別サイトの「北のフードソムリエ」へのリンクとなるが、名前からもわかるように、本サイトとは大きな関係がある。

「実は『北のフードソムリエ』は、フードソムリエ開設のきっかけとなったサイトなんです。まず、『北のフードソムリエ』ができた経緯からお話しさせていただくと、弊社代表の北村貴は、以前東京でマーケティング会社を経営していたんですが、実家の北海道に帰るたびに、寂れていく様子が目に付く。現地のよさを活かすため、農産物の産直ネット通販を始めたんですが、それが『北のフードソムリエ』です。農協ではサイズなどの規格だけを基準に農作物の値段が決まってしまいます。低農薬でおいしい野菜を作っても、流通の場がないんですね。そこで、ネットで販売を始めたというわけです。北村は、初めはサイトの立ち上げだけ行ったら東京に戻ろうと考えていたらしいのですが、すばらしい生産者の方たちと出会ううちに、この人たちの思いや情報を伝えていくのが自分の使命だと思ったそうなんです」。

サイトは軌道にのり、売り上げも順調に増えていった。

「でも、ネットショップだけでは限界があるんですね。売り上げの伸びも限られていますし、情報発信もあまりできない。そこで、プロの料理家と一緒に情報を発信するサイトができないか、ということで『フードソムリエ』の開設につながったわけです」。

商品販売だけでなく、生産者のブログによって、現地からの声を届ける試みも始めた。作物が育つ過程はもちろん、生産者の生活を垣間見られるのが楽しい。まさに、生産者の顔が見えるのだ。

生産者ブログでは、小麦などの栽培の模様が伝えられている

生産者ブログでは、小麦などの栽培の模様が伝えられている

■ネットからリアルな交流へ

料理家がレシピを提供し、生産者は作物を提供する。そして、消費者はそれらを閲覧したり、消費したりする。食に関するさまざまな立場の人が参加することで、『フードソムリエ』というサイトは成り立っている。

「ブログなど、ネットでの交流のほかに、実際の交流も始まっています。先日は、北海道の農家の方が作った小麦を3種類の挽き方で粉にし、料理家の方にパンやお菓子を試作してもらいました。その農家の方は、こう仰るんですよ。『よく、顔が見える生産者というけれど、僕たちは顔が見える消費者とつながりたい』と。製粉会社では、たくさんの農家が生産した小麦粉をブレンドして出荷するため、自分の生産した粉100%の食品は食べたことがないというのです。今回初めて、試作したパンなどを食べる機会を得て、自分の粉の長所や短所がわかり、それを元にもっとよい小麦を作りたいと話ししてくれました。また、料理家の方も、『いままではこのお菓子を作るためにこの粉を使うという考えだったんですが、この粉はどんなお菓子に向いているだろうと考えるようになりました』と感想を話してくれました」。

生産者と料理家が『フードソムリエ』を通じて出会ったことで、新たなムーブメントがおきたのだ。

「すばらしいことですよね。私たちのサイトが役立って、本当にやっていてよかったと思いました」。

生産者と料理家のコラボレーション作品は、今後試作を重ねた上で、サイトで売っていく予定もある。

「リアルな場の提供は、今後も力を入れていきたいですね。フードソムリエの料理家と行く生産者ツアーとか、料理教室などのイベントも企画したいです」。

さらに、今後は、クライアントビジネスにも乗り出していく予定だ。

「いままでは、サイトをいかに軌道に乗せていくかということに尽力していましたが、やっとクライアントビジネスに力を入れられる環境になってきました。サイトに登録している料理家を活かして、食品メーカーに対して新商品のプロモーションやレシピを提案したり、マーケティング調査を行ったりすることを考えています」。

輸入食品の農薬問題や偽装などの問題が次々と発覚しているが、その問題の一因は、生産者と加工者、消費者が乖離してしまったことにある。『フードソムリエ』のように、生産者と料理家など食のプロ、消費者が深く関わりを持っていれば、おそらくこういった問題は起こりづらいのではないだろうか。食に対する関心が高まるなか、このようなサイトやそれぞれの立場を伝えるブログの重要性は、今後ますます高まっていくことだろう。

お話を伺った大久保さん

お話を伺った大久保さん

事例データ

Movable Type(基本ライセンスパック)

・サイトを始めたのは:2007年8月

・始めた理由:生産者と料理家双方による情報発信を中心とした食のポータルサイト構築のため

・制作を担当したのは:外部

・何か手応えはありましたか:参加者の意識向上、アクセス数の増加など

(文:森嶋 良子)

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