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サイボウズ式が Movable Type クラウド版を使う理由

サイボウズ株式会社様
サイボウズのクラウドサービスをお選びいただいたお客様に「どこでサイボウズを知ったか」という質問をしたところ、5.7%が「サイボウズ式」で知ったという回答でした。

グループウェアをはじめとする各種コラボレーションツールの開発、販売等を手がけるサイボウズ株式会社。同社は新たな顧客層の創出のため、「チームワークと働き方」をテーマにしたオウンドメディア「サイボウズ式」を立ち上げた。2012年5月にオープンした同サイトは、2014年にサイトの運営体制の見直しが行われ、クラウドにインストールされた最新版の「Movable Type」とサーバーの運用・保守がセットになった「Movable Type クラウド版」が採用された。サイト基盤移行の経緯や、「サイボウズ式」がどのように活用されているかについて、編集長の大槻幸夫さん、副編集長の藤村能光さん、ソーシャルコミュニケーション部の千葉周平さんにお話をお伺いした。

グループウェアを通じて「働き方はどう変わるか」という価値を伝えるメディアとして

「サイボウズ式」立ち上げの背景について、編集長の大槻さんは以下のように語る。「私はもともと、製品の広告を担当していました。業界の中でのサイボウズの認知度は高い一方、グループウェア製品の市場は成熟期に入り、新たな顧客層の創出が課題でした。ソーシャルメディアなどのツールを活用して、若い層の潜在顧客にアプローチしていきたいというのが出発点でした(大槻さん)」。

折しも、同社は2006年ごろより、グループウェアという「ツールを提供する会社」から「チームワークを提供する会社」へと企業ミッションを再定義し、多様な働き方を可能にする人事制度等と併せ、「働き方」を変革する取り組みを続けているところだった。「当初の構想は、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを使ったアクティブサポートでしたが、せっかくなら、サイボウズという会社のユニークな働き方、中で働いている社員といったコンテンツを前面に出して、何かできないかと考え、立ち上げたのが『サイボウズ式』です(大槻さん)」。

企業ブログとして何を伝えるかという点では、自社や製品のアピールよりも「価値」を伝えることに重きを置いている。「新たな顧客層に向けて情報発信していくときに、世の中で起きている出来事や社会的な課題に対して、サイボウズがどんな関心を持っているのか、どんな姿勢の会社なのかを知ってもらうことで、サイボウズという会社に興味を持ってもらいたいと思いました。ですから、製品や機能といった話題よりも、むしろ自社と直接関係ない話題を積極的に取り上げながら、そこにいかにしてサイボウズという会社や働く人を絡ませるか、といった切り口を大事にしています(大槻さん)」。

増え続けるサイト。サーバーやCMSの保守、管理をアウトソースしたい

2012年5月にスタートしたサイボウズ式だが、当初は、社内のデザイナーがサイトを内製し、社内のサーバーにWordPressをインストールして運用していた。「サイトは5週間ほどで構築が完成し、運用がスタートしました。WordPressを使ったサイトの構築と運用は手軽で便利ということで、『サイボウズ式』以降、社内の様々な製品担当がプロモーションのブログを立ち上げるようになりました。すると、CMSのアカウント管理や脆弱性対策など、情報システム部門の管理にかかる負荷が増大していったのです。社内にあるすべてのCMSを確実に保守・管理していくことは非常に手間のかかることだからです(千葉さん)」。

そこで、CMSとサーバーの保守・管理をアウトソースする仕組みを求めて検討が開始された。「様々なシステムやサービスを検討した結果、MTクラウドが自分たちの求める要件に一番近いことが分かりました。サイト管理の上で必要なアカウント権限管理やIP制限など、セキュリティ面の機能がしっかりしており、基本認証の設定などを管理画面から簡単に設定できる点も魅力的でした。従来は、そのつど情シス部門に依頼して、設定をしてもらっていたからです(千葉さん)」。

「サイボウズ式」のMTクラウド版への移行は、MTに精通したベンダーであるアークウェブ社の協力のもと、2014年6月頃に開始し、2014年7月に移行が完了した。

スマートフォンから管理画面にアクセスでき、プレビュー画面を確認できるのは便利

異なるプラットフォームへの移行ということで、プラグインの互換性などで苦労したり戸惑ったりしたことはないのだろうか。藤村さんは以下のように語る。「移行の要件は、従来のWordPressでできたことをMTでできるようにすることでした。多少は仕様が違っても、違和感なく実現していただいたと思います。アークウェブさんに作成いただいたマニュアルを中心に、実際の操作や使い勝手について編集部でコミュニケーションが図れました。

一方で、幾つか問題もありました。例えばWordPressでできていた画像の一括アップロードですが、MTの標準仕様では1枚ずつアップしなければいけませんでした。管理画面から開くプレビュー画面も別タブで開けず、記事のプレビューを見ながら編集画面を操作できないという細かい問題がありました。ですがこれらの問題は、個別にプラグインを導入することで解決できました(藤村さん)」。

では、移行による導入効果はどのようなものが挙げられるだろうか。「現在、対象サイトの3分の1から半分の移行が完了した段階ですので、保守、管理の負荷は低減されつつありますが、サイト運用上の効果が出てくるのはこれからという状況です。

また、スマホのブラウザでMTにアクセスすると、スマホに最適化された管理画面が表示されます。社外から緊急で記事を更新するときに重宝します。サイボウズ式はスマホとタブレット端末からの総アクセスが全体の約6割を占めているので、スマホでの見え方をプレビューで確認できるのはありがたいですね(藤村さん)」。

現在は、更新に携わる社内の数名の編集部員にMTのアカウントを付与し、利用している。管理画面は、ボタンの配置で細かい要望があるものの、普段の更新作業では特に戸惑いや不満なく操作できているとのことだ。

人が面白いと感じるネタ、人に響くネタを作るため、ソーシャルの声に耳を傾ける

現在のサイボウズ式の運用について大槻さんに聞いてみた。「編集部は私と藤村とあと4人の6人体制です。取材に応じて随時、外部のライターやカメラマンに手伝っていただいています。記事のテーマは、チームワークと働き方に関するものであれば何でもよいということにしていて、最近はメディアが成長してきたので、それ以外の話題も取り扱いますが、立ち上げ当初は、サイトの性格がぶれないように、テーマの軸は崩さないようにしていました。

企業ブログというと、どうしても広報的なテーマというか"会社が伝えたいこと"を発信してしまいがちです。私たちは、サイボウズの知名度を高めるために、読者の"ネタにしやすい"世の中の話題に乗っかっていこうという考えでやっています。そこにうっすらと『働き方』や『サイボウズの考え方』が見えてくるように編集することを心がけています(大槻さん)」。

とはいえ、企業ブログの場合、評価指標がページビュー数やユニークユーザー数という定量データになりがちなのも事実である。「ページビューはパフォーマンスの指標であって、結果としてこうだったという数字として見ています。サイボウズ式が大事にしているのはあくまで定性的な反応。ソーシャルでどういう反響があったとか、どういう方にどの記事が届いたかを見ています(藤村さん)」。

「本業とのシナジー効果という点では、サイボウズのクラウドサービスをお選びいただいたお客様に『どこでサイボウズを知ったか』という質問をしたところ、5.7%がサイボウズ式で知ったという回答だったということがありました。ブランディングサイトなので認知度獲得には時間がかかると思いましたが、結果として売上にも貢献したのかなと評価しています(大槻さん)」。

こうしたサイボウズ式の取り組みは、社外に対するブランディングだけでなく、社内のブランディングにも一役買っているという。「人事制度をどう考えるかというテーマを、当社の副社長がココナラの南社長と対談した記事があります。会社の制度について、例えば経営層からダイレクトに伝えてもなかなか伝わらないものですが、外部に向けて記事化して、それが多くの「いいね!」がついてソーシャル上で拡散すると、それを読んだ社員も、ウチって良い会社なのだと好意的に受け止めてくれているようです(大槻さん)」。

では、記事のネタはどのように決めているのだろう。果たして、ネタが尽きることはないのだろうか。「当社はグループウェアを提供している会社なので、企画出しもグループウェアを使って、クラウド上で情報共有しています。編集部のオンライン上のスペースに各自がアイデアや企画案を思いついたときに投稿していきます。これを週1回の編集会議で揉んで、企画にしていきます。

一人で閉じこもって考える企画よりも、いろんな人のアイデアを加えながら磨いていく企画の方が絶対に面白くなるというのが、今までの取り組みの中で分かってきました。公開した記事に対するソーシャル上の声を見て、その中の反応からさらに違う企画が生まれることもありました。サイボウズ式はソーシャルで拡散していくことを狙っていますが、ソーシャルというのは結局、人と人とのつながりです。ソーシャルの向こう側にいる人に響く記事を作っていかないといけないのです。検索エンジンに最適化するという方向性もあるとは思いますが、あえてそこだけに注力しないことが差別化につながると考えています(藤村さん)」。

MTクラウド版の適用サイトを増やすために、今後はサービスレベルの向上に期待

今後、MTクラウドをどのように活用していきたいか、展望や課題についてお聞きした。「MTクラウド自体には大変満足していますが、現状は、サービスレベルの点で課題も感じています。例えば、何か問題があった場合に電話でサポートを受けたいと思うことはありますね。特に、製品サイトなどミッションクリティカルなサイトは移行のハードルになりかねないです。何インシデントにつきいくらというような有料のサポートメニューでも構わないので、選択肢を用意してもらえると嬉しいです(千葉さん)」。

では、最後に今回のサイボウズ式の移行プロジェクトについて総括していただいた。「アークウェブさんのおかげで、こちらの負担が少なく移行が完了して感謝しています。MTだけでなくクラウドの実績も豊富で安心してお任せすることができました。今後は、より多くのサイトをMTに移行していけるよう、更なるサービスレベルの向上に期待します(千葉さん)」。

ソーシャルの声に耳を傾けながら、読む人の心に刺さる面白い記事を発信し続ける「サイボウズ式」。今後の取り組みからますます目が離せない。

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写真左からサイボウズの大槻幸夫さん、千葉周平さん、藤村能光さん

事例データ

  • Movable Type クラウド版
  • サイトをオープンしたのは:2012年5月
  • サイトを移行したのは:2014年7月
  • サイト立ち上げの理由:新たな潜在顧客層への企業の認知度向上とブランディングを目的として
  • サイト移行を担当したのは:株式会社アークウェブ
  • オウンドメディア運営のポイントは?:一人で考える企画より、いろんな人のアイデアを加えながら磨いていく企画の方が面白くなる。そのため、メンバー間の情報の共有や、公開した記事に対する反応から、世の中での話題や、企画のヒントを見つけることを大切にしている

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