導入事例

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東京海上日動メディカルサービスが MovableType.net を使う理由

東京海上日動メディカルサービス株式会社様
豊富なデザインテーマがありカスタマイズの自由度も高いので、リニューアルプロジェクトではプロトタイプを作り、スピーディに修正を行うことができました

東京海上グループの医療健康関連事業会社である東京海上日動メディカルサービス。2012年より「クラウドファースト」を掲げ、ITインフラや業務アプリケーションのクラウド化を進めてきた同社は、コーポレートサイトの運用基盤にSaaS形式でMovable Type(MT)を利用できる「MovableType.net」(MT.net)を採用した。導入の目的や経緯・効果等について、同社 情報システム部 担当部長 加藤基広 さんにお話を伺った。

「クラウドファースト」から、コーポレートサイトの基盤にクラウドCMSへの移行を検討

東京海上日動メディカルサービスは、1987年の創立以来、トータルヘルスケアコンサルティング企業として優秀な医師等の医療専門職を擁し、医療健康分野で事業を展開してきた。

「主に企業や団体向けに従業員の健康サポートや組織マネジメントのアドバイスや、医療機関向けに医療安全活動支援をしています」(加藤さん)

同社のコーポレートサイトは、お客様に向けた「企業の顔」として事業内容を正しく伝えることや、入社を希望する求職者向けに自社のビジネスを知ってもらい、興味を持ってもらうことなどを目的としている。

「2世代前までのコーポレートサイトは、オンプレミスにサーバーを立てて、手組みでHTMLを制作・公開していた」そうだが、同社は2012年より「クラウドファースト」を掲げ、ITインフラのクラウド化を進めてきた。

「2013年に、グループウェアをOffice 365へ移行しました。SharePoint Onlineの機能の中に『パブリックWebサイト機能』がありました。これを活用して、2014年にはコーポレートサイトもオンプレサーバーからOffice 365に移行しました。」(加藤さん)

折しもCMSの脆弱性を突いたサイバー攻撃が数多く報じられた時期でもあり、Webサーバーをクラウドに移行し、保守・管理をクラウド事業者に委託するというのは、運用面でのリスク軽減からも必要なことだった。

しかし、Office 365の標準機能はデザインの制約が多く、レイアウトの自由度が少ないという問題があり「文章と画像ファイルくらいしか自由に扱えない」課題を抱えていた。

さらに、マイクロソフトが「パブリックWebサイト機能」を停止することを発表した。これが契機となり、デザイン面の刷新と併せ、同社はクラウドCMSサービスへの移行を検討しはじめた。

「企業利用」に適したウェブサービス型のCMSである点が評価された

移行先の選定は2016年夏頃から開始。複数のCMSサービスをピックアップし、検討を行った。

当初は「『WordPress.com』『Wix.com』を候補に、実際に無料アカウントを作成、トライアルを行うところまで検討を進めた」そうだが、契約を目前にして2つの課題に直面したという。

1つ目は「請求書払いに対応していない」ことだ。クレジットカード払いのみの対応で、「会社コーポレートカードは、従業員個人に紐付いている」同社では、従業員の異動・退職等によって支払いが滞る可能性があり、採用できなかった。

2つ目は利用規約の問題だ。

「特に準拠法と合意管轄裁判所の条文では、WordPress・Wixともに海外が指定されており、これは万一の際の法務リスクが大きいと判断しました」(加藤さん)

CMS選びは振り出しに戻り、加藤さんは国内大手ITベンダーを中心にCMSを調べたものの「SaaS形式で利用できるCMSサービスはなかなか見つからなかった」ということだ。

そんな折、加藤さんは以前、知人のシステムエンジニアからMTに関する評判を聞いていたのを思い出し、ネット検索を行ったところ、「MT.net」があるのを知った。

「利用規約を確認したところ、準拠法も合意管轄裁判所も国内となっており、かつ請求書払い※にも対応していました」(加藤さん)
※MovableType.net のライセンスは、請求書払い・クレジットカード払い・銀行振り込み払いなど、複数の購入方法からお選びいただけます(ライセンスの購入方法ごとの違いはこちら)。

早速、無料トライアルでアカウントを開設して使ってみたところ、デザインテーマも豊富でカスタマイズの自由度も高いことが確認できた。東京海上日動グループは、コーポレートアイデンティティを踏まえたデザインガイドラインを定めており、こうしたデザインの統一性という観点でも「これまでのOffice 365では実現が難しかったが、MT.net では統一デザインに沿ったカスタマイズが可能だと分かった」ということだ。

加藤さんの中で MT.net の採用は決まったが、経営への稟議を通すのに“一山”あった。会社側が懸念したのは、クラウド事業者としてのシックス・アパートのセキュリティ対策だった。

これについては、シックス・アパートから運用ポリシーに関するペーパーをもらうことで一次審査をクリア。二次審査では万一、サイバー攻撃を受けたときの『対応』について懸念を示されたそうだが、有事の際には「DNSの名前解決を止めてサイトを一旦クローズする」といった対応手順を定めることで、運用側でリスクを最小化することを前提に承認を得ることができた。

「クラウドサービスであれオンプレであれ、サイバー攻撃のリスクをゼロにすることはできません。万が一のリスク対策のプランは、MT.net 採用にかかわらず必要なことだったのです」(加藤さん)

このようにして2016年11月、正式に MT.net の採用が決定した。

社内に自然に受け入れられ「何も苦情がこない」のが最大の導入効果

ローンチ日が2017年3月1日に設定されたので、プロジェクト期間は2016年12月から2017年2月までの3カ月しかなかった。

「通常のプロジェクトの進め方では、見た目やデザインに関する各部門の意見集約、調整に時間がかかる懸念があった」と加藤さんは述べる。

そこで加藤さんは MT.net 上に「たたき台」としてのプロトタイプを作成。合意形成の必要な各責任者へのレビューを何度も繰り返すアジャイル型の開発手法をとることにする。

「MT.net のデザインテーマからコーポレートサイトに相応しそうなものを選び、コンテンツと文章は既存のサイトのものをそのまま流用、ヘッダー、フッターのデザインは、グループCIを適用して、バージョン1.0を自分で作りました」(加藤さん)

これにより、各責任者のレビューと修正反映を短時間で行うことができた。また、「もっと考えたい」という担当者に対しては、「現バージョンでローンチして、修正は公開後に行う」こととし、柔軟かつスピーディにプロジェクトを進めることができた。

サイト構築と修正をスピーディに行う事ができたのは、ウェブサービス型CMSとしての MT.net の利点が最大限に発揮されたからだと加藤さんは述べる。

「デザインテーマを使って、カスタマイズも簡単に行うことができました。また、MT.net は失敗してもすぐに戻せる利点があります。スピードを重視したプロジェクトには最適でした。」(加藤さん)

サイトリニューアル後の一番のメリットは「誰からも何も言われない」ことだと加藤さんは説明する。

「以前、オンプレミスからOffice 365にサイト基盤を移行したときは、デザイン面での指摘が社内から多く聞かれました。しかし、今回はリニューアル後も自然に社内に受け入れてもらえました」(加藤さん)

情報の変更・更新もスピーディに対応でき、今のところ大きな混乱はないという。

ローンチ後、同社のウェブサイトをそっくり真似た偽サイトが作られるという事件が発生したときも、経営側に報告した上で、すぐに注意喚起メッセージをウェブサイト上に発信することができた。

「コピー先の偽サイトはウィルス配布など悪質な動きはしていませんが、今後何か悪質な動きが見られたときは、即座に本体サイトをクローズしてコピーできないよう対応するなど、万一の対応手順を確認しています。」(加藤さん)

今後も、安心・安全に利用できるクラウドCMSとして

今回のリニューアルを通じて「MT.net については大変満足している」と加藤さんは述べる。

今後は、例えば写真素材について「TOPページのメインビジュアルに使えるような、権利処理済みのストックフォトを利用できるサービスがあるとよい」と期待を述べてくれた。

そして、シックス・アパートに期待することとして「引き続きセキュリティ対策に力を入れて、安心・安全で使い続けられること」を挙げる。

「日本語でのサポートが受けられるCMSという利点を生かして、さらに多くのお客様が MT.net を利用して、セキュリティ対策の強化や更なる機能改善などの体制強化が進むことを期待します」(加藤さん)

「クラウドファースト」を掲げる同社の安定したビジネスの継続に、今後も MT.net が寄与していくに違いない。

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東京海上日動メディカルサービス 加藤基広さん

事例データ

  • 使用した製品:MovableType.net
  • リニューアルサイトのオープン:2017年3月
  • MovableType.net採用の理由:ウェブサービス型であり、請求書払い、準拠法・合意管轄裁判所が日本であるなど、企業利用に適している点が評価された
  • どのような手ごたえがありましたか?:プロトタイプで開発をスピーディに行え、デザインの自由度が上がった。リニューアル後は大きな混乱もなく運用できている

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