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「愛知教育大学附属岡崎小学校」がMovable Typeを使う理由

愛知教育大学附属岡崎小学校様
CMSツールを選ぶなかで、企業としても確立しており、信頼できることから、Movable Typeを選びました。
教育機関のMovable Type実用例: 愛知教育大学附属岡崎小学校

http://www.op.aichi-edu.ac.jp/
「ホームページさえも作ったことがありませんでしたが、ウェブログを更新するうちに自然にウェブサイトの更新感覚が身に付きました」

愛知教育大学附属岡崎小学校(以下、岡崎小)では、教職員の技術的なスキルを高め、IT環境を教育の現場で有効活用するために、教職員と児童・生徒および保護者とが相互に活用できるインターネットを利用したシステムの構築に力を入れている。その一環として、2003年9月に米国インディアナ州の姉妹校、ボールステート大学バリス校を訪れたときの模様を伝えるためのウェブサイトの構築に、Movable Typeを採用した。岡崎小がMovable Typeを導入した理由は何なのか、またウェブログに対する児童や保護者の反応やウェブログ形式のメリットなどを尋ねてみた。

米国姉妹校での文化交流をウェブログで報告

岡崎小では、6年以上前からコンピュータ室に40台のパソコン、各教室に1台のパソコンを配置し、児童達に週に1時間のコンピュータの授業を行っている。当時はネットワークに常時接続できる環境はまだ整っていなかったので、ダイヤルアップで接続していたが、5年前にLAN構築を行い、児童はいつでも自由にインターネットに接続できるようになった。文部科学省では、2000年から2005年までの間に日本全国の小中学校に42台のコンピュータを配備し、光ファイバーやADSLなどの高速回線への切り替えを計画的に推進する方針を打ち出しており、岡崎小でもその方針にしたがって情報化を進めてきた。

しかし、コンピュータやIT技術に詳しい教員がほとんどおらず、運営や管理に時間とコストがかかるうえ、ITを使った具体的な授業計画が存在していなかった。授業で調べものをする際に、ウェブサイトや図書館で情報検索を行うことは奨励されていたが、それと同時に、間接的な情報取得だけでは表面的な理解に留まるとの懸念があり、直接誰かに会い、自分の足で調べるといった授業方針が重要視されていたという。そのなかで、ウェブログを導入することになったきっかけを、岡崎小の岡田守教頭は、こう語る。

「IT環境は整っていたのですが、その必要感を感じている教員達がいないうえに忙しさも手伝い、ほとんど有効活用されていませんでした。そこで、情報化の推進力になるような方法を模索していたとき、たまたま姉妹校の米国ボールステート大学バリス校へ生徒20名が文化交流のために訪問するという行事がありました。そのとき、愛知教育大学(以下、愛教大)の先生から、米国での様子を知らせるウェブサイトをウェブログを使って開設することを薦められたのです」

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岡崎小の岡田守教頭

ウェブログを薦めたのは、愛教大・教育学部自然科学系情報教育講座の江島徹郎助教授と同講座の梅田恭子講師。江島助教授は「愛教大では地域の教育に貢献するという方針があり、20?30年前から教育の情報化を進めてきました。しかし、IT技術に詳しい教員がいる学校では情報化が進みますが、こうした教員が不在であったり他校に異動したりすると計画が頓挫してしまうという問題がありました。そこで、eラーニングの観点から、技術的な専門家でなくとも誰もが使いこなせるツールはないかと探していたのです。そのとき、たまたまウェブログの存在を知り、このツールを情報化推進の呼び水にしようと思ったのです」と説明する。

江島助教授および梅田氏がインストールおよびシステム構築を担当し、バリス校への旅行期間中の様子を伝えるためのウェブログを構築した。岡田氏は「当時、ウェブログはおろか、ホームページさえも作ったことがなかったので、本当に更新ができるか半信半疑でした。しかし、インストールしてもらい実際に管理画面などを使用してみると、意外に使いやすいので驚きました」と語る。

知恵をしぼって「下書き」モードをフル活用

こうして岡崎小初のウェブログ「小嶋先生のバリスからのお便り」が2003年9月に立ち上げられた。更新期間は旅行期間の9月4日から14日の2週間足らずで、記事の更新は引率教員が滞在先から行う予定だったものの、ネットワーク接続環境が恵まれなかったため、写真やメッセージをメールを通して日本側に送ってもらい岡田教頭が行ったという。児童の写真が多数掲載されることもあり、学内と旅行に参加した20名の保護者しかアクセスできないよう配慮した非公開ウェブログだったが、総計2124件のアクセスがあり、多数のコメントが寄せられた。

岡田教頭は「夜はずっとかかりっきりで更新していました。一般公開していないサイトですので、トラックバック機能はつけずに、コメント機能だけでした。日本にいる児童達にコメントの入力の仕方を教えると、本当にいろんなコメントを書くんですね。『かえってきたら抜き打ちテストだよ』、『今日は水泳大会があった』など、子供同士でウェブログを使って近況報告をやり取りしていましたよ。また、米国と日本からの共同作業で書かれた記事もあり、日米のコラボレーションもできましたね」と語る。

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岡崎小初のウェブログ「小嶋先生のバリスからのお便り」

ウェブログ構築に関わった梅田氏は、教育の情報化を進めるうえで、更新が簡単にできるツールの重要性を指摘する。「コンピュータをあまり扱い慣れていない方でも、ウェブログは1回か2回の講習で使いこなせるようになります。ホームベージ・ビルダーでしたら数日前に設定して使うというわけにはいきません。ウェブログは、特定のソフトに依存せずにウェブページにつなぐ環境さえあればつながるし、FTPの設定をする必要もありません。そういう意味では画期的なツールだと思います」(梅田氏)

また、実際にウェブログを始めてみると、技術的な問題よりもむしろ、掲載するコンテンツの中身の方が重要ということに気づかされたという。自分の思ったことを何でも好きなように書くのではなく、児童の行動や体験をできるだけ正確に伝えなければならない。それと同時に、特定の児童の写真が多く掲載されていると不公平になるので、バランスよくコメントや写真を掲載する必要がある。そこで、「下書き」モードを活用し、多くの児童の写真が集まった段階ですべてを「公開」するといったように、下書きモードをフル活用したという。岡田教頭は「児童の多くは、ウェブログに自分の写真を掲載してほしいとねだりますが、特定の児童だけを多く載せるわけにはいきません。みんなが平等になるように意識的に内容を考えました」と語る。

同ウェブログは2週間足らずと期間は短かったものの、インターネットを介した児童同士のコミュニケーションが促進され、教員と保護者との距離が近くなったなどの大きな成果を得た。「これまで交流したことのなかった児童のお父さんからメールが来たり連絡がありました。お母さんとの交流はあったのですが、これをきっかけに保護者とのやり取りをもっと活発にしていきたいと思っています」(岡田教頭)

公式サイトの更新頻度もアップ

愛教大が推進する教育の情報化という方針のもと、岡崎小に先立ち2003年4月には、愛教大付属岡崎中学校(以下、岡崎中)でMovable Typeを導入して修学旅行の活動を報告するウェブログを開設した。岡崎中では、「追求旅行」と呼ばれる自分自身で調べたいテーマを設定して追求するための旅行を行っており、大阪や神戸など複数の場所から自分の行きたい場所を選び、総合学習のためのフィールドワークを行っている。2003年度の追求旅行は日本の6カ所で行われたが、そのうちの4カ所ではウェブログを開設し、インタビュー風景などの生徒の活動を掲載した。更新は引率の教員が行い、コメント機能、トラックバック機能は使わなかったという。

岡崎小で開設したウェブログと比較すると、コメント機能がついていない分、管理に時間がかからず教員への負担は減ったが、コミュニケーションの部分は一方通行だったという。江島助教授は「岡崎小でもそうでしたが、一番見ているのは保護者でした。大きく異なる部分は、岡崎中ではコメント機能をつけなかったので管理はラクでしたが、岡崎小では自由にコメントを掲載できるようにしたので、多種多様な意見が登場しましたね」と語る。

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ウェブログ構築を担当した愛教大・教育学部自然科学系情報教育講座の江島徹郎助教授(左)と同講座の梅田恭子講師(右)

数あるウェブログ・ソフトのなかで、Movable Typeを選んだ理由に関しては、梅田氏はこう説明する。「ウェブの情報発信は、手書きでHTMLを書き込んでいく形式から、ホームページ・ビルダーを使い、HTMLを使わずそのまま書いた文章をサーバーにアップロードする形式へ進んできました。そして今は、デスクトップにインストールされたソフトウェアに依存することなく、ウェブページに直接情報を書き込み、それがそのままウェブサイトに反映されるというCMS形式に進化していると思います。そこで、CMSツールを選ぶなかで、企業としても確立しており、信頼できることから、Movable Typeを選びました。また、ほかのツールは独自技術を使っていたのに対して、Movable TypeはCGIなどの標準技術を使っていることも選んだ基準のひとつです」

岡崎小では、ウェブログを導入する以前には、公式サイトはほとんど更新されておらず、数カ月に一度更新されればいいほうだったという。しかし、ウェブログを更新するうちに自然にウェブサイトの更新感覚が身に付き、現在では1週間に3回ほど更新するようになった。岡田教頭は最後に、「ウェブログの更新に携わってから、感覚的にウェブサイトの作り方やドラッグ&ドロップなどが分かるようになりました。現在の岡崎小の公式サイトは3代目で、2003年にリニューアルされたものですが、ウェブログをやり終えてから、私もサイト運営に参加させてもらい、いまでは頻繁に更新するようになりました」と述べる。将来的には、小学校の公式サイトもウェブログを使って構築したいとのこと。教育現場でのウェブログの導入が一層進むことを期待したい。

■事例データ■
・Movable Typeアカデミックライセンス
・ウェブログをはじめたのは:2003年9月
・はじめた理由:情報化の推進、授業現場でのIT環境の有効活用
・制作を担当したのは:愛教大・教育学部自然科学系情報教育講座
・何か手ごたえはありましたか?:児童同士のコミュニケーション促進、教員と保護者の関係強化、教員のITスキルアップ

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