導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

UNITED ARROWS がMovable Typeを採用する理由

UNITED ARROWS様
ショップスタッフに対して、こいつらは本当に洋服が好きなんだなぁ、とお客様に感じてもらえ、かつ店では何が流行っているのか、スタッフはどういうものを着ているのか、買っているのかということが伝わるものになればいいなと思っていましたが、狙いどおりでしたね。

さまざまな業種でブログの活用事例が増えているが、なかなかブログ利用が進まない業種も存在する。アパレル業界もそのひとつだが、若い世代を中心に人気の高いセレクトショップ UNITED ARROWS のMovable Type活用事例は、業界のリーディングケースとなるかもしれない。

CMSツールとして Movable Type を採用

「Movable Typeを導入したのは、CMSツールとして便利だからと制作会社に提案されたのがきっかけです。HTMLのときは更新作業で一日がつぶれてしまうことも多かったのですが、正直タグの編集だとか、そういった仕事は手短に済ませて、アタマを使う仕事に時間を振り分けたかった。そこで『UNITED ARROWS サイト』の一部にMovable Typeを導入したのですが、これが非常に便利で作業効率が向上したんですね。それで、昨年末にコーポレートサイトを全面リニューアルした際に、Movable Typeの導入範囲を増やしてみたんです。」

そう語るのはユナイテッドアローズ社長室 広告宣伝課 Webプロデューサーの三井俊治(みい・としはる)さん。コーポレートサイトのプランニングと進行管理のほか、同社のブランドサイトの運営・監修も手がけている。導入当初はMovable Typeを「便利な技術」程度にしか感じていなかったという三井さんだが、CMSとして利用していくうちに、ブランディングツールとしても使えるのではないか、と感じるようになったという。

アパレルのブランディングといえば、マス広告で一気にイメージを作り上げるのが一般的な手法だ。それとは対極的なメディアであるブログをどのようにブランディングに活用しようと思ったのか、その過程を詳しく伺った。

ショップサイトのベースはHTMLだが、コラムや編集後記など、一部のページにMovable Typeを導入している。それによって更新作業時間が3分の1程度になったカテゴリもあるという。

ブログを更新することで、店舗に来られないお客様にもライブ感を演出

三井さんがブログをブランディングツールとして利用しようと思ったのは、個人ブログを運営した経験がきっかけだという。

「個人的にやっているバンドでブログを持っていまして、日常のことなどを更新しています。3~4カ月ほど会っていない人と会った時に、こちらはお久しぶりと思うのに、相手はブログをいつも見ていたから久しぶりとは感じていない、ということがあったんですね。ブログを更新することによって、その人の"ブランド"と言ったら大げさですが、存在が読み手の中で大きくなって、擬似的に会っているという感覚になるんだな、と実感したんです。この感覚を店舗とお客様の間に持ち込めないかと思って『時しらず』というショップがリニューアルオープンする際に、実験的にカウントダウン ブログを立ち上げました。」

『時しらず』は20代後半~30代前半の男性を対象にしたセレクトショップで、代官山、渋谷に店舗がある。代官山店のリニューアルの様子を、プレス担当者がオープン1カ月前から毎日報告するという形式でブログを開始した。

「内装工事から、ショップ・オリジナル商品の打ち合わせの様子、店舗に置く商品などを連日チラ見せしていくことで、ブログを見ている人も一緒にリニューアルの盛り上がりを実感してもらうおうというのが狙いでした。もともと、このブランドはスタッフもお客様もブログというメディアに近いと感じていましたし。」

狙いは当たり、反響は大きかったという。「ここでいい手応えがあったので『District UNITED ARROWS(ディストリクト。以下、District)』というショップでもブログを導入しました。『District』はメンズ中心に非常にマニアックな商品をそろえた、洋服好きな人に人気のあるショップです。もともとWebサイトを持っていて、Webを使った販促ではすでに一定の効果をあげていました。Webでは商品案内を行う『District通信』と、メールマガジンを写真付きで掲載する『District Infomation』があるのですが、それ以外にも、店舗とお客様の間を埋めるメディアがないかなと思っていたんです。」

『District Blog』は、執筆者それぞれが、最近買った服や気になる商品などを書き綴るという内容だ。執筆者が紹介する服は結局、自店舗で扱っている商品になることが多いのだが、その際基本的に価格は示さないのがミソだという。

「価格を出すと広告っぽくなってしまいますから。あくまでこのブログは、ショップスタッフに対して、こいつらは本当に洋服が好きなんだなぁ、とお客様に感じてもらえ、かつ店では何が流行っているのか、スタッフはどういうものを着ているのか、買っているのかということが伝わるものになればいいなと思っていましたが、狙いどおりでしたね。結果的に販促効果も高く出ていて、入荷したそばから売れて週をまたがず在庫僅少になる商品も多数あります。」

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「ゆるさを出したかった」と、あえて外部のブログサービスを利用した『District Blog』。ブログの影響でロングストライプシャツが店員・お客様に大流行、皆で記念撮影をした時のエントリー。

ブログをブランディングツールとして活用

ファッション業界といえば、冒頭でも書いたとおり、マス広告で一気にイメージを定着させるという手法が一般的だが、三井さんは使い方によってはブログもブランディングツールとして活用しがいのあるメディアだと感じているという。

「基本的には、アパレルブランドとブログの相性は良くないと思いますよ。例えば、いわゆるビッグブランドがブログを広告として使うとは考えにくい。しかし、ブランドによっては、切り口がブランドイメージに対して変な影響を与えないのであればOKではないか、とも考えています。ブランディングの考え方は人それぞれですが、地道に商品をコツコツ紹介していって、たくさん見てもらって、気づいたらお店とお客様とのパイプが太くなっていたというのも、僕は立派なブランディングだと考えているんです。カッコイイ図柄を見せるだけがブランディングじゃないと。ただ、それが主体となってしまうと小さくまとまってしまうので、あくまでも外面のカッコよさは保持したまま、裏ではちょっとひねりを効かせた情報をお伝えする、といった形でお客様に発信していければいいなと思っています。そういう意味で、ブログは編集後記のような、2番目のメディアという捉え方をしていますね。」

『時しらず』『District』の成功を受けて、三井さんが次にブログで仕掛けるのは『STYLE for LIVING<(スタイル・フォー・リビング)』という雑貨主体のブランドだ。

「幅広い方に愛好されているブランドなのですが、ここにブログを使ってイメージを作っていこうと考えています。もともと原宿本店のサイトで記事を書いていた女性がいるのですが、プロフェッショナルなライターでもないのに、読むと非常に雑貨が好きなんだなというのが滲み出る文章を書くんです。彼女を軸に、京都店で働く男性、バイヤーと、3つの異なる視点から、それぞれの雑貨への興味関心を書き重ねてもらうことで、このブランドが提唱するライフスタイル像が伝えられるのではと思っています。」

ブログの書き手として三井さんが重視するのは、その人が持っている固有の面白さだという。

「センスとでもいうのでしょうか。書き手のイメージとブランドイメージがリンクするというのが大前提ですが、その人の人柄や会ったときにはわからないちょっとした裏の顔を文章で出せるか出せないかが、書き手としての適性だと考えています。メンズブランドの場合、薀蓄の世界でもありますので、書き手の知識やそのバックグラウンドといった、洋服屋さんの知性といったものがチラリと出るだけでもブランディング効果は大きいです。そういう意味でブログは書き手に依存するメディアだと思います。いかにそのメディアに合った人間を探すかが問題ですが、書かせてみないと分からないところもあって、その辺の人選は難しいですね。以前は書きたいといってきた人にコラムを書いてもらっていましたが、最近は事前にその人が書いた文章を読んだり、実際に会って何を書きたいのかを確認するなどして適性を判断しています。」

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4月3日にオープンしたばかりの『STYLE for LIVING』のブログ。「Side B 的な感じを出したいから」(三井さん)と外部ブログを利用した『時しらず』『District』のブログとは異なり、こちらはオフィシャルサイト内にオープンしている。

■CMSツールとして活用することで動きのある会社案内に

『UNITED ARROWS』では、そもそもMovable TypeをCMSとして採用したわけだが、今後も様々な形で利用する予定だという。

「『よくあるご質問とご回答』のページにもMovable Typeを採用しています。お問い合わせを受けた質問内容とその解答を頻繁にアップすることで、一般的な質問はWebを見ればいいようにしたいですね。こうすることで、お客様にとっても私たちにとっても負担が少なくなるのではないかと期待しています。ある会社が同種の方法でお問い合わせに対応していると聞いて、弊社でも取り入れてみました。」

それ以外にも、社会貢献活動に関しての記事をもっと増やしたり、採用活動情報にもMovable Typeを利用する予定だという。

「将来的には、様々な情報をすべてブログから発信することで、今日は投資家向け説明会を行いました、今採用募集をしています、新規店がオープンしました...といった、会社自体がどう動いているかをMovable Typeを使って見せることができるようになればと考えています。常に変化する会社であると示すことによって、『UNITED ARROWS』のサイトを訪れるすべての人にとって、動きのある魅力的な会社案内になるのではないか、と思っているんですよ。」

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ユナイテッドアローズの三井俊治さん。ジャケットは、COMME des GARÇONS製で『District』にて取り扱っている「いかにもDistrictらしい」ジャケットとのこと。

■事例データ
・Movable Type
・ブログを導入したのは:2005年4月
・はじめた理由:制作会社の提案
・制作を担当したのは:RHYTHMTYPE INC.
・何か手ごたえはありましたか?:更新作業が圧倒的に効率化されました

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