導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

AR技術を使ったiPhoneアプリ「Wine-Link」が Movable Type を使う理由

株式会社モトックス様
日々たくさんのページが更新される現状にもかかわらず、管理者は1名だけ、という低コストな運用を実現することができました。

次世代型のワイン情報サイト「Wine-Link(スマートフォン専用サイト)」とiPhoneアプリを提供

幅広いワインの輸入を手がける専門商社株式会社モトックスの運営する「Wine-Link」は、ワインの銘柄情報だけでなく、その楽しみ方を紹介するトピックスや、生産者情報、さらにお気に入りワインを記録できるマイページ機能など、ワインに関するあれやこれやを「ギュッ」とまとめた次世代型のワイン情報ポータルサイトだ。この「Wine-Link」、Movable Typeを用いスマートフォン向けサイトとして制作されただけでなく、昨今話題となっているAR(=Augmented Reality、拡張現実)技術を導入したiPhoneアプリを提供している点が目新しい。このAR技術とは、現実の環境に対してデジタルなオブジェクトを合成して提示するもので、ここ最近話題の技術といえる。そこで「Wine-link」を提供する株式会社モトックスでマーケティング部チーフを務める佐々木明子さんと、サイト構築を担当した株式会社かっぺの代表取締役社長・佐藤輝幸さんにお話をおうかがいした。

消費者との新しい関係作りを目指して

株式会社モトックス 佐々木明子さん
株式会社モトックス 佐々木明子さん

前述のとおり、「Wine-Link」はPC向けのサイトではなく、スマートフォン向けに特化して製作されている点や、iPhoneアプリにAR技術を導入している点がユニークだ。その理由について、佐々木さんは次のように教えてくれた。

「今までもワインの情報を発信するサイトはありましたが、それは卸売業者やレストラン関係者向けで、専門的な情報を提供するものでした。消費者向けワイン情報サイトが少ない原因の1つとして、特定のワインの情報を調べることが難しいという現状があります。同じ銘柄であっても毎年のように味が変わるワインでは、銘柄の名前だけで調べたとしても、正しい情報が得られるとは言い難かったのです。

そこで、ワイン初心者にも楽しみながらワインを選んで欲しい...という願いをこめて制作したのがこの『Wine-Link』でした。 『Wine-Link』では、スマートフォン向け(現在はiPhoneのみ)にアプリを配布しています。そのアプリを通じて、ワインのラベルや首掛け、プライスカードに印刷してあるマーカーを読み込むことで、そのワインの情報が表示されるという仕組みになっています。QRコードではなくARを選んだのは、マーカーに自由度があるからです。今回はデザイン性のあるブドウ型のマーカーを採用していて、ワインのラベルだけでなく、例えばレストランのメニューに貼り付けても違和感のないデザインにすることができました」

ワインのラベルに付与されたブドウマークがマーカーだ
ワインのラベルに付与されたブドウマークがマーカーだ

 確かにワインを選ぶとき、よっぽど詳しい人で無ければ、その特徴を見極めることは困難である。しかし「Wine-Link」のラベルのマーカーとアプリを利用すれば、必要な時にiPhoneからワインを選ぶための情報をすぐに得ることができるようになる。気になるワインを記録しておけば、次に同じ銘柄を買うということも容易になるだろう。マーカー1つでワイン情報を特定できるため、仲間との共有にも使えそうだ。

プラットフォームに Movable Type 5を採用

株式会社かっぺ 佐藤輝幸さん
株式会社かっぺ 佐藤輝幸さん

「なぜMovable Type 5」を採用したのか、サイト構築を担当した株式会社かっぺの佐藤さんはこう説明する。

 「サイトを作るにあたって、最初に取りかかったのが、CMSの選択です。これには、モトックスさん社内ですでに利用実績があるMovable Typeが最適と考え、提案を行いました。モトックスさんは4年前から社員ブログにてMovable Type 4を利用していたこともあり、今回もすんなりとMovable Type の導入を決定していただけました」(佐藤さん)

「実は社内の担当が私1人なので、いまブログを書いている彼らを運用・更新にまきこめるMovable Typeを導入することは重要でした。旧来のFTP等を使った更新では、慣れない社員の誤操作などリスクが高まりますが、Movable Typeであれば、記事を挿入してもらうだけという安心感もあります」(佐々木さん)

少人数でWebを運用していく状況においては、安全で受け入れやすい環境を提供するのも大事なことだ。そういえば、膨大なページはどのように更新し、生成されているのだろう?

「数千を超えるワインのデータを手入力するとなると、データ入力数がワインの数だけ発生することになり、導入のコストが高まってしまいます。佐々木さん1名が担当をしている現状、リリース後の更新の頻度が課題となることもあきらかでした。そこで、モトックスさんの社内ですでに構築・運用されていた、ワインのデータベースとMovable Typeのデータベースを連結することにより、大元のワインのデータベースだけ更新していれば、定期的な再構築によって常に最新情報を提供することができるという仕組みを提案させていただきました。ワインのデータベースはワインを管理する担当者が入力しており、これならば、佐々木さんが監視するのは再構築の状況だけで済みます。

結果として、毎日たくさんのページが更新される現状にもかかわらず、管理者は1名だけ、という低コストな運用を実現することができました。一見複雑な管理を必要とするサイトに見えますが、商品データベースとHTMLの連携も、日々のトピック更新も、CMSとして汎用性の高いMovable Typeというプラットフォームだけで管理ができているんです。ちなみに、このワインのデータベースとMovable Type の連携は、当社で独自開発したプラグインで実現しています」(佐藤さん)

毎日製品のデータが追加・変更されるような商品を扱う会社にとって、最新情報を提供することと、更新コストを削減することは相反する問題となっているが、このような解決方法をとればスムーズな運用を実現できるというわけだ。なお、そのぶん空いた時間は、コンテンツの拡充に充てられているとのことである。

「アプリにはワインのデータを持たせなかったこともポイントです。つまりアプリ側は、マーカーからURLを取得して、そのページに飛ばすだけ。この方法をとることにより、アプリを軽く、シンプルなものにすることができました。これは静的コンテンツを生成できるMovable Typeの特徴があってこそでした。静的コンテンツですから、ユーザーがページを読み込むまでの時間を短縮できますし、なにより大量のアクセスにも強いサイト作りができました。

また、スマートフォン対応も、Movable Type側で専用のテンプレートを用意するだけで簡単に行えました。今後新しいモバイル端末に対応していく際にも、テンプレートを増やすだけで対応が完了するため、長期的に見てもランニングコストを低く抑えることができるはずです。」

とも佐藤さん。この手法ならば、アプリの開発期間も短くて済むだろうし、なによりWebさえ更新しておけば最新のデータを提供することができるため、理にかなっている。スマートフォンのアプリと静的コンテンツの相性はとても良好なようである。

想像を超える高評価の裏で、今後の課題も

アプリがゆえの課題も...
アプリがゆえの課題も...

「当初3000件もいけば上々だろうと思っていたダウンロード数は、早くも1万件に達しようとしています。PVも週平均で6000を超え、新規のユーザーが40%を超える状態です。特に反響の大きいのがレストランさんで、ワインの説明を「Wine-Link」にまかせることで、お客さまに正しい情報を提供でき、満足度も上がったと聞きます。マーカー付きのメニューを設置していただいているお店も、200軒を超えました。また、普段インポーターを意識してワインを選ばれることはレアケースだと思うのですが、ブドウマークが付いた首掛けやプライスカードを展開し始めてから、モトックスが輸入しているワインを買いたいと問い合わせをいただくようにもなりました」(佐々木さん)

こうして昨年11月にオープンした「Wine-Link」は、TV東京の番組「ワールドビジネスサテライト」にも取り上げられ、大きな反響を得ることとなったそうだ。これまでインポーターまでを意識しながらワインを購入する消費者は少なかった。しかし、これからは「モトックスのワインを探してみよう」という思いを抱くに違いない。これはまさに、「付加価値の提供」のお手本である。

ちなみに今回のサイトやMovable Typeに対する課題は、なにかあっただろうか?

「スマートフォンの電波が無いところではワインの情報が得られない、という宿命があります。ただし読み込んだマーカーは履歴として残るので、後で情報を確認することは可能です。あとは数千のページに対してかけている再構築に、2~3時間かかるのが課題でしょうか。こちらにつきましては、今後、再構築の効率を向上させることで解決していきたいと思っています」(佐々木さん)

「Movable Typeとしては、電子ブックに対応してくれると嬉しいですね。あとはプラグインの検索がもう少し楽になるとありがたいです」(佐藤さん)

最後に、これからの展望についても教えていただいた。

「いまはiPhone向けのアプリしか提供できていませんが、次のフェーズではAndroid向けのアプリも提供できる予定です。個人のマイページも充実させ、ワインの登録は簡単に、でも記憶と管理はしっかりと行えることで、ワイン愛好家にとってスタンダードなサービスとなることを目指しています。最終的には、業界を巻き込んで大規模に展開していきたいですね。難しいイメージのあるワインを、少しでも簡単なものにできれば本望です」

ワインを1人でも多くの方に、身近なものとして消費してもらうためにモトックスの大きな挑戦は、「Wine-Link」の発展とともにかならずや成功するだろう。

wine-link05.JPG

事例データ

  • Movable Type
  • サイトを公開したのは:2010月11月
  • はじめた理由:ワイン販売の促進、ファン獲得
  • 制作を担当したのは:株式会社かっぺ
  • 何か手ごたえはありましたか?:消費者やレストランからの喜びの声、モバイルコンピューティング推進コンソーシアムでの「モバイル中小企業賞」「審査委員長特別賞」ダブル受賞

イベント・セミナー

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