導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

カシオ計算機がMovable Typeを使う理由

カシオ計算機株式会社様

ウェブログだと個人のつぶやき程度のことでも気軽に書き込め、新たなアイデアが生まれやすくなります。

カシオ計算機株式会社
http://www.casio.co.jp/

G-SHOCKやEXILIMシリーズなど既成概念を超えた数々の大ヒット商品を生み出している カシオ計算機株式会社は、3200名を超える社員、50社の関連企業、数々の海外拠点を抱えるグローバル企業としての地位を確立している。同社は、社内の情報共有やコミュニケーションを一層促進させるために、2002年6月に企業内ポータル・サイト「C's Cafe」を立ち上げ、各部門で運用されているWebサーバーを統合的にユーザーが利用できるようにした。さらに企業イントラネットを進化させるため、2004年7月より、経理部門や総務部門をはじめとする11の部門をウェブログ形式に移行した。同社がウェブログに移行した目的やMovable Typeを選んだ理由、また企業イントラネットでウェブログを利用する際のメリットや社内の反応などを尋ねてみた。

優れたCMSツールとしてのMovable Type

カシオ計算機の業務開発部・情報管理グループの川出浩司氏は、企業イントラネットの一部をウェブログに移行したきっかけをこう語る。「カシオでは、各部門が独自にWebサイトを立ち上げて、400台以上のWebサーバーが存在していたことから、2002年にこれらのサーバーを統合して企業内ポータル・サイトを立ち上げました。しかし、コンテンツの更新は各部門で行われるため、HTMLが苦手で更新が遅れたり、過去の記事をバックナンバーにまとめるのに時間がかかったりする問題がありました。簡単に更新ができるCMSツールを探していた際にウェブログのことを知り、試してみようと思ったのです」

最初は、ウェブログと日記サイトの違いがよく分からなかったが、RSSフィードは社内ポータルに応用できる技術であると注目した。そこで、イントラネット内の複数サイトの更新情報を、RSSを使ってPHPベースのポータル・サイトに掲載するようにした。また、社内用更新pingサーバーを開設したほか、個人でも実際にウェブログを使ってみたことで、ウェブログの便利さを実感したという。

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RSSを使い最新情報をポータルサイトに掲載

2004年5月頃から、導入に向けてMovable TypeやNucleusなどの複数のウェブログ・ツールを検討した。最終的にMovable Typeを選んだ理由は、ソースコードの質の高さや改変の自由度、ユーザー・コミュニティの強さだという。「細かい点ですが、Nucleusの場合はトラックバック機能をプラグインで追加する必要がありました。Movable Typeの方がデフォルトで多くの機能がついており、ソースコードもしっかりしていました。また、カシオでは2000年問題を契機に商用UNIXからLinuxへの移行を行い、オープンソース・ソフトウェア(OSS)を活用していますが、Movable Typeはソースコードの改変が自由にでき、ニーズに合わせて柔軟に機能を追加できるのでOSSとの親和性もあります。さらに、日本語の情報が非常に多く、大きなユーザー・コミュニティが形成されていたため、総合的に見てMovable Typeの方が優れていると判断しました」(川出氏) 

「Movable Type 3.0日本語版」のリリースに合わせて、同社は企業内ポータル「C's Cafe」の一部をウェブログに移行し、現在は経理部門、総務部門、広報部コンテンツの一部など、合計11部門のコンテンツをMovable Typeで作成している。カシオのコーポレートカラーである青を基調に、C's Cafeの他ページとの統一性を持たせるようにページ・テンプレートをデザインしているため、社員のほとんどはこれらのページがウェブログに移行したことを意識していないという。

カシオ式、3つのウェブログ活用法

カシオでは、ウェブログの利用形態を大きく3つに分けている。まず、更新頻度が比較的高いページ向けのCMSとして使うケースで、これが実際には大部分を占めている。たとえば、総務部コンテンツの一部である「社内連絡事項」のページでは、Movable Typeを導入した後は、5分間の説明を受けただけで担当者が設定画面を利用できるようになったという。また、ある営業部門では、設定画面のURLを送っただけで、簡単にテキストおよびオフィス文書などのファイルをアップロードすることができ、ページの更新作業が削減して大幅な効率化につながった。

同様にウェブログに移行したページに、広報部の「デジタル★フォトギャラリー」がある。広報部コンテンツの一部は、社員間の親睦を深めるためのコミュニティや、結婚や出産のお知らせといった社内報としての機能を果たしている。とくに同ページは、デジタルカメラの開発メーカーとして、写真を投稿することで対話を促進するといった目的で運営されている。広報部・経営広報グループの渡邉彰氏は「従来は、HTMLを書くのに時間がかかり、カテゴリー分けや写真のサムネイル作成までは手が回りませんでした。しかし、ウェブログに移行してからは、カテゴリー、月別アーカイブ、最近の投稿が自動で整理されるのに加えてコメントも投稿でき、写真を通して会話が生まれるようになりました。投稿も大幅に増加し、コミュニケーションが活発化しました」と語る。

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2番目の利用形態は、経営者のメッセージを社員に直接語りかけ、経営者と社員の距離を縮めるための「取締役ウェブログ」である。現在、ある事業部の取締役が、ウェブログによる情報発信を行っている。こうしたコミュニケーションのあり方自体がまだ新しいこともあり、コメント数は控えめであるが、ほかの部門や事業所、関連会社の経営者でウェブログに興味を持っている人は意外に多いという。ApacheなどのWebサーバーでアクセス制限をかけ、事業部以外では閲覧不可、トラックバック機能はつけておらずコメント機能のみとなっている。

3番目は、研究者やエンジニアによるナレッジ・マネジメント(KM)としての利用法である。東京都羽村市に位置するカシオの羽村技術センターでは、既成概念を打ち破る新たな技術を開発し、世界の人々の期待を超えた夢のある商品を提供することを目指しており、独創的な発想を生むためのKMツールとして、ウェブログに注目した。

これまでも、情報共有には一般的な掲示板などを使い、消費者の反応やマーケティング、商品開発のアイデアなど、営業部門と開発部門でさまざまな情報共有を行ってきた。しかし、こうしたKMツールとは異なる魅力がウェブログにはあるという。川出氏は「出回っている多くのKMツールは、本音が書き込みにくいという性質がありますが、ウェブログだと個人のつぶやき程度のことでも気軽に書き込めます。これにより、従来そぎ落とされていた暗黙知が明らかになり、トラックバックやコメントにより情報が流通することで、新たなアイデアが生まれやすくなります」と語る。

羽村技術センターのウェブログは、研究者9名により運営されている。夢のある商品を創造するプロセスには奇抜なアイデアや部外にも公開できないような内容が多数出てくるため、一部閲覧を制約されている箇所もあるが、基本的には社内の人も見られるようになっている。こうした新しい発想を生み出だしていく業務では、ウェブログがとても効果的であるという。

ウェブログの可能性をさらに追求

このように、幅広い分野でウェブログを活用しているカシオだが、同社におけるウェブログで作成されているコンテンツ数は、イントラネット内の全コンテンツの約1%にしか満たず、その大部分はCMSツールとしての利用となっている。しかし、今後はCMSとしての利用だけではなく、一部の研究開発部門で実践している知識や技術情報の共有にも活用していきたいと考えている。

そのためには、ウェブログ機能のカスタマイズや、社内用更新pingサーバーと全文検索エンジンとの連携など、取り組むべき課題も多い。さらに、こうした情報共有の仕組みを成功させるためには、単にITシステムを導入するだけではなく、組織やルールの整備をまず考える必要があるだろう。

また、情報共有の場としてのウェブログの活用を進めながら、海外拠点向けに英語の企業内ポータル・サイトをウェブログで構築するなど、世界各地にある海外法人の社員に向けたウェブログの利用も将来的な視野に入れている。カシオのウェブログへの挑戦は、これからも続く。

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カシオ計算機の業務開発部・情報管理グループの川出浩司氏(左)と広報部・経営広報グループの渡邉彰氏(右)

■事例データ■

・Movable Type3.12商用ライセンス

・ウェブログをはじめたのは:2004年7月

・はじめた理由:CMS、コミュニケーションの促進、情報共有

・制作を担当したのは:社内

・何か手ごたえはありましたか?:更新作業の効率化、社内コミュニケーションの促進、研究部門の情報共有

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