■リニューアルした理由

このリニューアルの目的について、NTTコミュニケーションズITマネジメントサービス事業部の山口吾郎さんに話を伺った。

「これまでは商品を見せることにだけ意識がいっていて、"お客さまにとって見やすい"という意識が低かったんですね。それをリニューアルによって、きちんと並べ直して、見やすくしたんです。"ユーザビリティを高める"というのが、リニューアルした最大のテーマでした」（山口さん）

現在のトップページには"経営課題別対策"として、6パターンのテーマを並べ、それらをクリックすると、それを解決するための手段が並んでいる。ソリューションビジネスの核となる部分がわかりやすく、もっとも目の付く場所に並んでいる。

また、その下には事例紹介記事へのリンクが並び、サイドには商品の解説へのリンク、IT用語辞典などが並んでいる。これらはリニューアルによって作られたコンテンツではなく、元々存在したものだという。これまでは思い思いに作られて、ばらばらに掲載されていたコンテンツが、きちんと統一感をもって並べられることで、まったく新しいウェブサイトに生まれ変わったのだ。

経営課題別対策のページ。用途から製品を選んでいく、という導線作りも、ユーザビリティを意識している

■ブログであることを意識させない
リニューアルに際してMovable Typeが使われたのはなぜなのか？

「見た目には、Movable Typeというのがわかるようにはなっていないんですね。コンテンツを体系的に整理しやすいこと、SEO対策に強いことなどがMovable Typeを選んだ理由ではありますけど、特にブログであることに意味はないですね」（山口さん）

「Movable Typeを使うという提案を外部の制作会社から受けたときは、"え、企業向けのウェブサイトなのになんでブログなの？"と感じたんですけど、実際にできたものを見て、"ああこういう風なこともできるんだ"って逆に思いました」

というのは同社同部門の枝澤結香さん。何のツールを使うかというのは結果論であり、何をやりたいかを優先した結果、Movable Typeになったということのようだ。

「以前から弊社の専用ホスティングと、シックス・アパートさんのMovable Typeを組み合わせたサービスを提供していましたので、これを機会に自社でも使ってみようと思いました。つまり、ウェブサイト自体がショーケースでもあるんです。ウェブサイトすべてをMovable Typeで構築したケースは、珍しいのではないかと思います」（山口さん）

■CMSとしても優秀なMovable Type
このリニューアルで変わったのはデザインだけでない。ウェブサイト更新の手順が、以前とはまったく異なるやり方で行われている。

大企業の場合、コーポレートサイトを更新するとなると、複雑な手順になるケースが多い。NTTコミュニケーションズも例外ではなかった。

「IT業界は変化が速いので、それに合わせてサービス内容も頻繁に変わりますので、どうしても作業が複雑化しました」（枝澤さん）

これでは、ウェブサイトの更新にどうしても時間がかかる上、つぎはぎだらけの構造になりやすい。それがリニューアルしたことによって、このように変わった。

「Movable Type はCMSとしても優秀なので、一度体系だったウェブサイトを構築すれば、迅速に追加できます。更新作業も大幅にスピードアップしました」（枝澤さん）

■新たなキーワードでのSEO効果に期待

まだリニューアルから間もないとはいえ、すでにアクセス数が伸びるなどの効果も出ているという。

「Movable Typeの特徴として、SEOの効果は期待しています。検索エンジン経由のアクセスは増やしたいですね。"ICT"という言葉で見つけてくれるのはもちろん、"ホスティング""データセンター"など、扱っている商品にまつわるキーワードでやってくる人が増えてくれるのが理想ですね。また、RSS配信も積極的に行っています。今後も積極的に新しい取り組みに挑戦していきたいですね」（伊藤さん）

お話を伺った山口さん、伊藤さん、枝澤さん（左から）

事例データ

・Movable Type基本ライセンスパック

・ビジネスブログをオープンさせたのは：2007年5月

・はじめた理由：窓口となるウェブサイトのリニューアル

・制作を担当したのは：外部の制作会社

・何か手ごたえはありましたか？：順調にアクセスが伸びている