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日本ミシンサービスがMovable Typeを使う理由

日本ミシンサービス株式会社様
ECサイトは、最高の店員さんのノウハウを詰め込める究極の対面販売だと思うんです。だからこそ、自動販売機的なCMSツールではなく、コミュニケーションツールでもあるMovable Typeを使ってさまざまな試みを行ったほうがいいのではないかと思います。

「売れるECサイト」をブログで作る

日本ミシンサービスは、関東を中心に24の実店舗を展開しているミシン販売会社だ。ネット販売にも熱心に取り組み、業績を伸ばしている。2007年10月にはMovable Typeを使ってリニューアルを行った結果、アクセス数・売り上げともに順調な伸びを見せているという。

日本ミシンサービスのECサイト。Movable Typeで構築されている。見やすいように文字サイズの変更も可能
日本ミシンサービスのECサイト。Movable Typeで構築されている。見やすいように文字サイズの変更も可能

■ブログと既存ソフトの連携で、受注・販売システムを安価で実現

リニューアルを担当したのは、ウェブマネージャーの渡会徹生さん。渡会さんが入社した当時のサイトは「ホームページ作成ソフトで作ったような見苦しいHTMLソースのサイト」だったそうだ。問題点はいくつかあった。まずは、更新の手間がかかることだ。

「たとえば商品の価格を更新するだけでも、製品情報のページだけではなく、3種類のカテゴリページ(値段別、メーカー別、種類別)など、関連するページをすべて手作業で変更していかなければならなかったんです」。

作業が大変なだけではなく、見落としが発生しやすいという問題もあった。また、ユーザー側の視点で見ても不便さがあった。ネットショップでは標準的なショッピングシステムである「お買い物カゴ」が導入されていなかったことだ。

「お客様が自分で問い合わせフォームに商品名や金額などを入力して送信しないといけなかったんです」。

これらサイトの問題に加え、内部の受注体制にも問題があった。日本ミシンサービスでは、受注から発送まですべて社内で行っているが、発注書や納品書、保証書に至るまですべて手書きで発行していた。また、電話による注文も多く、その対応にも時間をとられていた。

「フォームからメールで送られてきた発注も、すべて手書きでやり直すような状態だったんですね。たとえいいサイトを作って注文が増えたとしても、今度は内部業務の崩壊が目に見えていました」。

ウェブサイトという「商品売り場」だけではなく、バックヤード全体のフローを見渡した受発注システムの改革が必要だった。

「手書きをなくし、最初から最後までデータでやりとりできるようにして、無駄をなくそうと考えました。機械ができることを人間がやることはないですよね」。

そして完成したのが、Movable Typeと既存のアプリケーションとを組み合わせた受注・販売システムだ。ひとつのシステムとしてソフトウェア会社に発注すれば、莫大な金額がかかってしまうが、既存のソフトをうまく連携させることで、同様の機能を安価に実現することができたという。入り口となるウェブサイトはMovable Typeで構築し、ひとつの商品を1エントリーとして、商品紹介文とともに商品番号や価格、付属品情報など、サイト上には表示しない情報も含め、あらかじめ入力しておく。それが、製品データベースの代わりとなるわけだ。

「お買い物カゴ」は、「QUICK CART」を利用して設置した。

「QUICK CARTはMovable Typeと連携しやすく、サイトの全ページに表示させることも簡単にできるので、ページ移動しなくても、何の商品を頼んだかを常に確認できます。また、情報はサーバーに蓄積するのではなくメールで送信する仕様なので、通常のECサイトよりセキュリティの面でも優れています」。


「お買い物カゴ」は「QUICK CART」を利用。ユーザビリティはもちろん、セキュリティ面も優れている

「お買い物カゴ」は「QUICK CART」を利用。ユーザビリティはもちろん、セキュリティ面も優れている

注文メールのデータは、サイトに非表示の製品データも埋め込んだ形で「おてがる通販」というソフトに受け渡され、運送会社の送り状発送ソフトに合う形に処理される。これで受注から発送までを一貫して行えるようになった。さらに、納品書や保証書の体裁を変えてデータを利用できるようにした結果、手書きの書類をほとんどなくすことができた。

「あとは、経理ソフトとの連携が終われば完了です」。

■自然なSEOで、検索結果も40位台から10位以内に

リニューアルにあたっては「CMSツールを使うことは絶対に必要でした」と渡会さんは言う。
「ミシン業界はアナログな業界なので、社内の人もあまりITに詳しくないんですね」。

多くの商品数を登録するのはたいへんな作業だ。渡会さん1人ではとても作業しきれないため、アルバイトを雇って入力作業を行っているが、データの入力にミスがあっては困る。受注から発送まで、Movable Typeに登録した情報を元に行っているため、すべてに影響が及んでしまうことになる。そこで、入力項目を増やせるプラグイン「RightFields」を導入した。データの内容ごとに入力項目を用意しておけば、データ入力の漏れがないかひと目でわかるので、ミス防止になる。

エントリー入力画面。プラグインで「送料」「商品番号」など必要項目を追加し、データ入力の効率化を図っている
エントリー入力画面。プラグインで「送料」「商品番号」など必要項目を追加し、データ入力の効率化を図っている

また、トップページの生成もなるべく手間をかけずに行えるようにした。たとえば「人気ミシンランキング」というコーナーがあるが、ランキング順位を表すタグをエントリーに付加し、日付が最も新しいものをランキングとして自動的に表示するようにしてある。せっかく手書き作業が減ったとしても、データ入力やサイトの更新作業に手間がかかるようでは意味がない。効率のよいCMSツールが必須なのは当然だ。

また、Movable Typeを選んだ理由には、SEO対策もあるとのことだ。

「リニューアル以前にも、SEO会社に委託するなどしていたんですが、効果はあまり上がらなかったんです。ひどい時期には『ミシン』というキーワードで、Yahoo!の検索結果が40位台に下がっていたこともあったんですね。そこで、Movable Typeを導入してさまざまな対策を自分たちで施していけば、順位を上げていくことが可能だろうと」。

渡会さんは、日本ミシンサービスに入る以前に、業務システムの開発やウェブ制作、ECサイト運営などの経験があり、そのあたりのノウハウには詳しい。

「SEOのアルゴリズムは順次変わるので、現在は設計当初と若干状況は変わってきてますが、検索ロボットもお客様と考えた、読みやすいHTMLを心がけることが大事です。また、多くのリンクを集めることも大切ですので、PINGを飛ばしたり、別途作った衛星サイトからリンクを貼ったりもしています」。
これらの対策が徐々に功を奏して、Yahoo!の順位も最近は10位以内をキープするようになったという。

■人が人を呼ぶ!行列のできるラーメン店を、コメント機能で演出

ECサイトの最終的な目的は、やはり増収増益。
「売れるECサイトにはいくつか条件があって、その中に『人気(ひとけ)がある店』というのがあるんですね。人が並んでいるラーメン屋さんがあると、そこには人が集まるのと同じことです。それをサイトで演出するには、レビューが最適なんです。ブログにはコメントがあるので、これをレビューとして利用することにしました」。

なぜレビューが目に付くと売り上げが伸びるのか。
「お客様のナマの声があることによって、売れているサイトっぽい雰囲気とか安心感を醸し出してくれるんですね。お客様の体験談が、購入のきっかけや決め手になることもありますよ」。

商品ごとにレビューが付いているほか、トップページにも最新レビューが何件か表示されているが、これもより効果的にするために場所の変更を行った結果だ。

「ページが表示されるとまず目に入る場所に配置しています。リニューアル当時はもっと下にあったんですが、上にしたほうが目立つだろうと思って位置を変更したら、売り上げにも影響がありました。位置の変更などは、テンプレートをちょっといじればいいので簡単にできますからね」。

読者からのコメントは「レビュー」という形で製品ページとトップページに掲載される
読者からのコメントは「レビュー」という形で製品ページとトップページに掲載される

リニューアル後、アクセス数が増えて販売数が伸びたものの、売り上げそのものは思ったほど伸びなかった時期がある。
「検索性が増し、お客様がサイトをよく見てくれるようになった結果、安いミシンが買われるようになってしまったんです。こちらとしては高い製品を買ってくださったほうがありがたいという本音もありますが、それにもまして本当にいい製品を、安く買っていただきたい。高いミシンにはそれなりの理由があって、フレームがしっかりしていて縫いやすかったり、壊れにくかったりする。値段だけを比べて安いものを買った結果、ご満足いただけなかったということは避けたいんですね」。

MTの機能とお店の姿勢が連携すれば、アップスパイラルが実現する
MTの機能とお店の姿勢が連携すれば、アップスパイラルが実現する

社内的にも価格で勝負できる商品を強く押すべきだという声もあったが、あえて高品質なミシンをプッシュすることにした。
「トップの『人気ミシン』や『特売情報』などに、こちらがおすすめしたいミシンを掲載すると、必ずその製品は売れるんです」。

もちろんそれだけではなく、製品情報の充実にも力を入れた。
「実際に販売店に出向いて、販売員がお客様に説明するのを聞いたら、とてもわかりやすく参考になる内容だったんです。それをまとめてすぐ製品情報に反映させたら、自分でも満足のいく紹介ページができあがりました。実際にその商品の売り上げも上がってきて、やはりいちばん大切なのはコンテンツの内容だと実感しました」。

お客様が何を求めているのかを汲み取り、それに応えられる商品を納得して買ってもらう。それは実際の営業スキルと変わらない。
「ECサイトは、最高の店員さんのノウハウを詰め込める究極の対面販売だと思うんです。だからこそ、自動販売機的なCMSツールではなく、コミュニケーションツールでもあるMovable Typeを使ってさまざまな試みを行ったほうがいいのではないかと思います」。

作業の無駄を省いて効率を上げると同時に、手間をかけるべきところには惜しみなくかける。それが売り上げを伸ばしているECサイトに共通するポイントだ。単純に省力化を図るだけでは顧客は付いてこない。「どんな手間をかけたとしても、売れるサイトを作りたいからMovable Typeを使っている」と渡会さんは語る。Movable Typeは、より魅力的なECサイトを作るための強力なパートナーとして役立っているのだ。

お話を伺った渡会さん
お話を伺った渡会さん

事例データ
Movable Type(基本ライセンスパック)
・ブログをはじめた時期:2007年10月
・はじめた理由:より売れるECサイトを作るため
・制作を担当したのは:株式会社ライトアップ
・何か手ごたえはありましたか?:検索結果で上位に表示されるようになり、売り上げも伸びた

(文:森嶋 良子)

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