導入事例

北海道エアポート株式会社 - Movable Type Advanced(Movable Type SmartSync Pack)導入事例
朝日ビジネスソリューションタイランド - MovableType.net 導入事例
広島県庁「ひろしま空き家バンク みんと。」- Movable Typeソフトウェア版 導入事例
株式会社つぼ電 コーポレートサイト - MovableType.net 導入事例
岡崎東ロータリークラブ 公式サイト - MovableType.net 導入事例
北央信用組合 - MovableType.net 導入事例
光合金製作所 - Movable Type クラウド版 導入事例

北海道エアポート株式会社 - Movable Type Advanced(Movable Type SmartSync Pack)導入事例

北海道エアポート株式会社様
7つの空港を統一基盤で運用できるようになり、セキュアで誰でも迷わず更新できる安定したウェブ環境を実現できました

北海道内7空港(新千歳・稚内・釧路・函館・旭川・帯広・女満別)の一体運営を担う北海道エアポート株式会社(HAP)。同社は、設立を機に空港ごとに独立していたウェブサイトを統合し、利用者にとって分かりやすく、安全で、情報更新のしやすい新たなデジタル基盤の構築に踏み切った。要件定義から設計・実装までを通じ、同社が重視したのは「運用者が迷わず扱える統一CMS」であること。そして国のガイドラインに対応するための多数のセキュリティ要求がある中で、CMSに求められる重要なセキュリティ要求をクリアすること。これらを満たす基盤として、株式会社COLSIS(コルシス)が提供する「Movable Type SmartSync Pack」を採用した。北海道7空港の大規模リニューアルの背景や成果について、北海道エアポート株式会社 総合企画本部 企画部 情報企画課 課長の島野 創太さん、株式会社電通総研 エンタープライズ第二本部 エンタープライズ開発ユニット ITコンサルティング2部 グループマネージャーの小見山 透さん、そして、コルシス ウェブディレクターの後藤 優太さんに話を聞いた。

規模や運用方針、CMS、属人化、セキュリティ、7空港の横断管理を阻む課題

北海道エアポート株式会社(HAP)が7空港の一体運営を開始した2019年当初、ウェブサイトは空港ごとに別々のベンダー・別々のCMSで構築されており、運用方針も更新ルールも統一されていなかった。HAPの島野さんは当時の状況を「一体運営が開始され数年が経つ中で、ウェブサイトの統合は残された課題の一つでした」と振り返る。それまでは空港事業所拠点ごとにて運用が分散されており、それぞれでコンテンツ管理、セキュリティ対策を行なっていたので、同じ空港という業務領域でありながら、情報の構造もCMSの機能もバラバラであった。

さらに、空港サイトは国土交通省のセキュリティガイドラインに準拠する必要がある重要インフラの情報基盤という側面もある。電通総研の小見山さんは、「多拠点をまとめて運用する以上、まずクリアすべきはセキュリティの統一でした。そして多数存在するセキュリティ要件の中で、CMSと公開サーバーを分離し、堅牢な構造を確保することも必須でした」と語る。これまでの環境では、更新作業のたびに運用担当者ごとに異なるフローが存在し、属人的な運用や更新遅延のリスクも避けられなかった。

また、北海道の空港は、規模も利用者属性も大きく異なる。新千歳空港のように大規模かつ多機能なサイトもあれば、掲載する情報量が少ない空港もある。「この“規模差”をどう吸収し、共通基盤の上で最適化するかが、最初の大きな難題でした」と小見山さんは言う。各空港が固有に持つ運用ニーズを尊重しつつも、全体としての更新の利便性・視認性・安全性を底上げする必要があった。

こうした背景から、HAPと電通総研、コルシスの3社は、単なるHTMLの入れ替えではなく、UX設計から抜本的に見直すべく、まず“理想的なユーザーストーリー”を描くところから着手。7空港に共通する要件を抽出し、必要な機能、情報の整理方法、更新運用の仕組みをゼロから設計していった。「誰が担当しても迷わない仕組みをつくること。この思想は、要件定義の最初期から一貫していました」(小見山さん)。

空港ごとの“違い”を吸収し、共通基盤へと整備

7空港のウェブサイトを統合する本プロジェクトでは、立ち上げ当初から多くのハードルが存在していた。最大の課題は「空港ごとの規模差と業務特性の違い」をどのように共通設計へ落とし込むかである。新千歳空港のように膨大なページ群と複数の利用者導線を持つサイトもあれば、掲載情報が限られる空港もある。小見山さんは「“統合”を目的化せず、各空港の事情に寄り添いながら全体最適を実現することが最重要でした」と語る。

そこで電通総研では、企画の初期段階からユーザーストーリーを作成し、“旅前・旅中・旅後”の情報取得行動を7空港共通の視点で整理した。この企画フェーズは2023年1月から5月くらいにかけて行われたが、膨大な要求の中から本当に必要な機能を選別し、過度な個別最適を避ける上で大きな役割を果たしたという。

同時に進められたのが、国交省のセキュリティガイドラインに準拠するセキュリティ要件の棚卸しである。空港サイトは重要インフラであり、CMSと公開サーバーを分離した構造、DDoS(Denial of Service attack/サービス拒否攻撃)対策、静的配信など、複数の技術的要件を満たさなければならない。「セキュリティ要件は7空港すべてに共通する要件です。ここを外さず、かつ運用負荷を増やさない仕組みをどう作るかが重要でした」(小見山さん)。

こうして7空港を横断管理可能なCMS基盤の選定が進められた。デザイン自由度、多言語展開、複数サイト管理、静的配信の安定性などの要件を満たす基盤として選ばれたのが、「Movable Type Advanced」をベースとした「Movable Type SmartSync Pack」だ。コルシスの後藤さんは「多空港・多拠点の運用を考えると、CMSと公開環境を分離しつつ統一設計できるMTは相性が良かったです」と話す。SmartSync Pack による静的運用も、空港という環境には非常にフィットしていたということだ。

さらに、実装フェーズでは、分断を作らず一緒に進める進行体制が採られた。多数の関係者が関わる大規模プロジェクトでは、仕様の認識ズレが後工程で大きな問題になりかねない。そこで電通総研は、要件定義と実装を密に往復するスタイルで進行し、コルシスとも頻繁に連携しながら課題を一つずつ解消していった。「要件の曖昧さを残さないよう、実装時に出てくる課題も逐次テーブルに上げて全員で認識を合わせました。これにより、プロジェクト全体が一方向を向いて前に進めたと感じています」(小見山さん)。

各空港の個性を尊重しつつ、7空港共通で運用できる仕組みにMTが貢献

新サイトの実装にあたり、HAPが特に重視したのは「利用者が迷わず必要な情報に辿り着けること」と「空港運用に不可欠な情報を確実に届けられること」である。その要となったのが、フライト情報、多言語対応、緊急告知といった、空港サイトならではの機能群である。これらの機能は、7空港で共通化しつつも、それぞれの空港の事情に合わせた柔軟な運用ができるよう設計された。

空港サイトの中でも最もアクセスが多く、利用者の利便性を左右するのがフライト情報だ。今回のリニューアルでは、リアルタイムの便情報に加え、月間の運航スケジュールも掲載。利用者は目的便を簡単に検索できるようになった。後藤さんは「検索の仕様なども工夫し、アクセス集中時でもサーバー負荷を抑え、ページの表示が安定するよう配慮しています」と説明する。空港サイトには突発的なアクセス集中が発生しやすいため、閲覧性を最適化する工夫は欠かせない。

また、北海道は海外からの観光需要が非常に高く、7空港すべてにおいて多言語対応は必須であった。今回のサイトでは日本語・英語・繁体字・簡体字・韓国語の5言語に対応。その際に課題となったのが「翻訳後にレイアウトが崩れないか」という点である。後藤さんは「翻訳サービスで一括変換すると、固有名詞やボタンラベルが長文化し、レイアウトが崩れることがあります。そこで翻訳後のUIを実際に確認し、デザイン側でも調整しました」と語る。

さらに、北海道の空港では、気象条件により運航に影響が出ることが少なくない。そこで、緊急・重要・通常のお知らせを分けて管理し、特に緊急時には初回アクセス時に必ずポップアップで表示する仕様が導入された。小見山さんは「雪や風の影響が大きい空港では、利用者の安全に直結する情報なので確実に届く情報の導線が必要でした」と説明する。

これらの機能を下支えしたのが、Movable Type SmartSync Pack の構成である。CMSと公開サーバーを分離し、静的配信することで、セキュリティと速度が両立できる。また、7空港で同一設計の管理画面を採用したことで、運用担当者が変わっても迷わず更新できる環境が整備された。

後藤さんは「旧CMSが持っていた編集UIの“クセ”も踏まえて、新CMSでも違和感なく使えるよう配慮しました。結果として、運用側の負担を増やさない移行が実現できたと思います」と話す。島野さんも「とにかく使いやすさを優先した設計になっています。カットオーバー後も、操作に関する問い合わせはほとんど来ていません」と現場の反応を述べる。

Webグランプリを受賞、北海道全体の価値を発信するメディアとして進化

2024年のリニューアル後、7空港のウェブサイトには目に見える成果があらわれた。まずアクセス数について、小見山さんは「新千歳を中心に、サイト利用が明らかに増加しました。適切な導線設計や多言語対応の強化により、観光客を含む幅広い利用者にとって使えるサイトになったと実感しています」と話す。各空港をまたいだドメイン構造の整理によりSEO面でも効果が出ており、情報への到達性が改善したことで、空港の「入口」としての機能が強化された。

運用面の変化はさらに顕著だ。Movable Type SmartSync Pack による静的配信構成により、表示速度・安定性は大きく向上した。さらに小見山さんは「管理画面を統一し、更新作業を標準化できたことが大きい」と語る。

また、新千歳空港サイトは第12回 Webグランプリ(2024年)の「企業BtoCサイト賞」で優秀賞を受賞した。島野さんは「要件定義において策定した「価値ある情報を見やすく、わかりやすく」を追求した成果だと思います成果だと思っています」と評価した。

一方で、空港サイトには継続的な改善が求められる。航空業界の動きは刻々と変化し、旅行者のニーズも多様化する。特に国のセキュリティ要求は年々強化されており、HAPとしても今後の改定に備えてシステム面・運用面の両方から適応していく必要がある。「今回の構築で基盤が整ったことは大きな前進ですが、セキュリティ対応は終わりがありません。必要に応じて拡張しながら継続的に強化していきたいです」(島野さん)。

さらに、利用者体験を高める取り組みとして、乗り継ぎ動線の改善や、インバウンド需要等を踏まえた空港内のデジタルフロアマップの経路案内などの機能拡張も進んでいる。「北海道の空港は観光の玄関口であり、旅の印象を左右する重要な接点です。アクセス解析の活用や新機能の検討を重ね、より利便性の高いサイトへ成長させたいです」と島野さんは語る。

7空港を横断して整備された統合基盤は、単なる“サイト更新の効率化”にとどまらず、北海道全体の価値を発信するメディアとしての可能性を広げた。この基盤を起点に、観光・交通・地域連携を強化する新たな取り組みに今後も注目したい。

hap

写真左からコルシスの後藤 優太さん、HAPの島野 創太さん、後藤 孝宏さん、電通総研の小見山 透さん

事例データ

イベント・セミナー

各地で開催されるシックス・アパートのセミナー情報をお知らせします。現在、以下のセミナーの申し込みを受け付け中です。

同じ業種の事例

ダウンロード
page top