導入事例

デコジャパン株式会社 コーポレートサイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
岡崎市民会館 公式サイト - Movable Type ソフトウェア版 導入事例
一般社団法人 西東京市伝統文化育成会 公式サイト - MovableType.net 導入事例
画家 小高朋恵 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社フラワー不動産 ウェブサイト- Movable Type クラウド版導入事例
浅野肖像画工房 公式サイト - MovableType.net 導入事例
株式会社ヨシダ工業「Glanz(グランツ)」ウェブサイト- Movable Type 導入事例

長寿科学振興財団が PowerCMS クラウドを使う理由

長寿科学振興財団様
ウェブアクセシビリティを確保し、1人当たりの回遊時間や閲覧ページ数も向上。管理画面を使いやすくカスタマイズできて更新頻度も上がっています

グローバルで高齢化が進む中、日本は平均寿命や健康寿命でトップクラスであり、高齢化率が進むスピードも早い。そんな日本で、活力ある長寿社会を実現するための「長寿科学」という研究分野がある。高齢者特有の疾病や社会的・心理的な問題を研究する同分野において、研究者の支援や調査研究を行うのが長寿科学振興財団だ。その財団公式サイトと情報提供サイトである「健康長寿ネット」がリニューアルされた。いずれも、ウェブコンテンツのアクセシビリティに関するJIS規格「JIS X 8341-3:2016」のレベルAA準拠を目標にしている。CMSにはMovable TypeにハイエンドCMSの高機能を追加した「PowerCMS」をセキュア&ハイパフォーマンスなクラウド環境ですぐに利用できる「PowerCMSクラウド」を採用した。その経緯や効果について、事業推進課 課長 金子智隆さん、同課 事業推進担当 山口貴利さんと、構築を担当したアルファサード株式会社代表取締役社長 野田純生さん、ディレクターの遠藤史哉さんにお話を伺った。

長寿科学振興財団公式サイト

時代に合わせた情報発信のためにモバイル対応が必須

長寿科学振興財団は、長寿科学を研究する研究者を支援するとともに、研究成果を国民に普及する役割を担っている。その手段として、機関誌や業績集などの紙媒体の発行や、一般の方に向けた講演会を実施するほか、今回リニューアルした情報発信サイト「健康長寿ネット」がある。

「健康長寿ネット」は、平成18年に立ち上げ、当時導入したCMSによって更新しながら情報発信をしてきたが、長年の運用でデザインが古くなってきたことと、スマートフォンやタブレットへの対応が課題となっていた。また、掲載する情報の分類も立ち上げ当初から変わっていないため、サイトの構造自体の見直しも必要であり、平成26年の12月頃からリニューアルの計画をスタートさせた。

「一般の方を対象とした『健康長寿ネット』の方が、財団公式サイトよりもスマートフォンなどのモバイル端末での閲覧が多く、リニューアルを検討しだした頃で40%を超えるアクセスがあり、モバイル対応は必須でした」(山口さん)

また、以前は、「健康長寿ネット」が長寿科学振興財団による運営であることを打ち出せておらず、デザインやコンテンツを財団公式サイトとリンクさせ、財団の運営するサイトであることを認知させていきたいという思いもあり、財団公式サイトも合わせてリニューアルする形となった。

ウェブアクセシビリティ対応のしやすさで評価

リニューアル業務を委託するにあたり、プロポーザル形式で数社からの応募を受け、専門のコンサルタントも入れて審査を行った。

その中でも、アルファサードのPowerCMSを使ったプランの提案が、使いやすさ、見やすさはもちろん、ウェブアクセシビリティへの対応がしやすい点で評価された。

「提案をいただいた企業さんへは、コンサルタントも交えて、さまざまな角度から質問をさせていただきました。アルファサードさんはCMSの機能だけではなく、過去のコンテンツをどうウェブアクセシビリティに対応させて移行をしていくかという方法の提案もあり、ウェブアクセシビリティ対応の実績と、熱心な提案に安心を感じました」(金子さん)

こうして、アルファサードが選ばれ、構築後もサーバー管理などメンテナンスを行っていくことも要件であったため、24時間365日の有人監視付きであるPowerCMS クラウドが採用された。クラウドに対する抵抗はなく、サーバー管理に関しても完全に任せてしまえるところにメリットを感じたそうだ。

過去のコンテンツのウェブアクセシビリティ対応は、機能やツールだけで完結しない部分も多い。そのため、人員を割いて対応をしていくという具体的な進め方の提案もあったアルファサードは、信頼ができたという。

「ウェブアクセシビリティへ対応の大きな課題は、過去に蓄積されたコンテンツです。PowerCMSの機能で過去の記事を一括でインポートできますが、インポートしてからが大変。内容を精査して、画像の代替テキストがないものは、長寿科学振興財団さんに確認しながら追加していきました。PowerCMS 8341プラグインでチェックをして洗い出して、一括で修正ができる部分もありますが、人が見て手作業で修正しなければならない部分も多いのです」(野田さん)

プロジェクト管理ツールで全ページの進行を確認

そうしてリニューアル作業に進んだが、やはり過去のコンテンツの移行が最も苦労した部分だったという。リニューアルにあたって、整理をして削除したコンテンツもあったが、それでもたくさんのページがあったという。財団側でも過去のコンテンツの移行にあたって、1ページごとに進行管理表を作成していくことを想定していたが、アルファサード側より、プロジェクト管理ツール(Backlog)の利用が提案されたという。

「すべてのページに対してチケットを発行してくケースは、アルファサードでもそれほど多くありません。しかし、1ページごとに進行を管理していきたいという財団からの要望に応え、確実にコミュニケーションをとることができるような方法を選びました。効率的に進めることができたと思います」(遠藤さん)

このように、制作側で人員を割いて一つずつ確認しながら対応していく苦労はあったが、財団側でも、でき上がったものをチェックしなければならない。その作業は考えていたよりも大変だったようだ。

「プロジェクト管理ツールを使うのは初めてでしたが、ページごとに記録が残るので紙やメールでやりとりをするよりも、見落としたり埋もれてしまったりしにくく、結果として良かったです」(山口さん)

サイトの回遊時間が大幅に改善。モバイルアクセスも増加

今回のリニューアルで、デザインを刷新できたことについては大きく満足しているという。財団公式サイトから健康長寿ネットへの導線もでき、「健康長寿ネット」でも運営団体の打ち出しができるようになっている。

新デザインでは、コンテンツごとに閲覧者が意見を投稿できるフォームを設置しているところが工夫したポイントだ。「わかりやすいです」「勉強になりました」という肯定的な意見も送られてきており、利用者のフィードバックが得られることで、運営の励みにもなっているという。

「コンテンツの削除もかなり行ったので、リニューアル直後、全体のページビューは少し下がりました。しかし、1人当たりの滞在時間や閲覧ページ数がリニューアル前より20~40%ほど上がっています。メニューの構造やリンクの誘導が回遊しやすくなったのではないでしょうか。モバイルからのアクセスも増加し、60%を超えています」(山口さん)

使いやすい管理画面で更新頻度が向上。クラウド版独自のウェブフォントサービスも活用

では、サイトを管理しているPowerCMSの使い勝手についてはどうだろうか。

「以前使っていたCMSよりも使いやすいと感じています。管理画面のメニューなどを自分でカスタマイズできるのがありがたいです。管理画面内でのコンテンツ検索も、検索結果が見やすいところが気に入っています。また、ページを作成する際のひな形も入力しやすく、迷いがありません」(山口さん)

管理しやすくなったことにより、以前より更新頻度は上がっている。今後、機関誌に掲載した特集や対談記事などをウェブサイトにも展開していき、利用者に魅力を感じてもらえるサイトに育てていきたいと意欲的だ。

また、今回のリニューアルでは、ウェブフォントが使用され、全体的に柔らかい印象になっている。PowerCMS クラウドでは、月間25万ページビューまでFONTPLUSのウェブフォントが無料で利用できるため、アルファサードから提案したという。

「見た目もありますが、ウェブアクセシビリティの観点からも(採用しているCSSなどの技術で表現出来ないものでない限り)メニューなどの文字を画像化しないのが望ましいと考えられています。CSSとウェブフォントでデザインしていれば、現場の担当者の方がCMS上で文字修正するだけで簡単に変更できるメリットもあります。海外の人がサイトを訪れた場合も、画像ではなく文字になっていれば、自動翻訳などで内容を理解しやすい。」(野田さん)

メニューや見出しなどで画像を使っていないので、スマートフォンなどでも文字がにじまず、可読性が高いこともサイトの見やすさにつながっていそうだ。

利用者の期待に応えるコンテンツの追加が今後の課題

検討を始めてから約2年。2016年10月にリニューアルオープンし、まだ3カ月ほどしか経っていない。今後は特に、一般向けである「健康長寿ネット」のコンテンツを拡充させていきたいという。

「リニューアルによって、各ページに設置したフォームからは質問や相談も寄せられるようになりました。今後は利用者の声に応えていき、よりサイトを充実させていきたいです」(山口さん)

「当初は、関係者の間でもリニューアル前はなかなか理解が浸透せず、うまく説明できない部分などもありましたが、リニューアル後のサイトを見て、ようやく共通認識が広がってきていると感じます。健康長寿を支援する財団として、ウェブアクセシビリティに対する啓蒙にも繋がれば嬉しいです」(金子さん)

今後も高齢化が進んでいく日本において、総務省は公的機関のウェブサイトではウェブアクセシビリティを確保するように呼びかけて支援している。発行する運用ガイドラインでは2017年度末までにJIS X 8341-3の 適合レベルAAに準拠するようにとある。今回の長寿科学振興財団のサイトリニューアルが、多くのサイトの参考となることを期待したい。

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写真左から、アルファサード遠藤さん、長寿科学振興財団 金子さん、
山口さん、アルファサード野田さん

事例データ

  • 使用した製品: PowerCMSクラウド
  • ウェブサイトURL: https://www.tyojyu.or.jp/ , https://www.tyojyu.or.jp/net/
  • ウェブサイトをリニューアルしたのは: 2016年10月
  • リニューアルの理由: デザイン刷新、モバイル対応、ウェブアクセシビリティ対応
  • 制作を担当したのは: アルファサード株式会社
  • どのような手ごたえがありましたか?: CMSの使い勝手も向上し、更新しやすくなった。更新頻度も上がり、サイトの1人当たりの回遊時間、閲覧ページ数も増加。

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