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Yahoo!ショッピングブログがMovable Typeを使う理由

ヤフー株式会社様
Yahoo! JAPANでもブログサービスの提供をしていますが、個人向けのサービスとして開発しているものなので、CMSツールとしての役割を期待して別途Movable Typeを利用することにしました。

スタッフの主観を伝えることで自社サービスの魅力をアップ

大手オンラインモールのYahoo!ショッピングが、公式ブログをスタートした。
ショッピングトレンドや開催イベントなどに関する記事を内部スタッフが執筆し、親しみやすく楽しげな雰囲気にあふれている。
ブログのシステムにはMovable Typeを採用している。なぜ今ブログを始めたのか?そしてMovable Typeを選んだ理由は?ショッピング事業部の内山美幸さん、大川幸恵さん、福嶋恵さんにお話を伺った。


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Yahoo!ショッピングブログのトップページ。イラストや配色など、テイストは本体サイトと大きく異なる

長い歴史を持つYahoo!ショッピングだが、スタッフによるブログが設置されたのは始めてのこと。その背景には、顧客がオンライン購買に至るルートの多様化がある。

「ここ何年かでウェブの流れが変わってきて、アフィリエイターさんが紹介した記事から商品を買ってくれる方が爆発的に増えてきました。個人のアフィリエイターさんだけではなく、ニコニコ動画さんなど、法人のアフィリエイト経由で来てくれる方もいらっしゃいます。また、APIを利用して擬似モールを作ってくださる方もいます。単なるリンクではなく、紹介自体がコンテンツとして面白いものになっています。それらの外部コンテンツが、ちょうど販売員的な役割を担ってくれているんですね。今までアフィリエイターさんたちとコミュニケーションする場はなかったため、ブログを利用したいと思いました」(内山さん)。

また、ショッピング全体のトレンドを紹介する場も必要と感じていた。Yahoo!ショッピングには、特集やランキングなど、Yahoo!ショッピングが企画編集を行うページがあるが、そこではどうしても直接的な商品の宣伝に偏ってしまいがちになるとのこと。

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Yahoo!ショッピングのランキングページ

「私たちは、Yahoo!ショッピング全体のデータを見ているので、ヒット商品の傾向などがわかる立場にいます。売れている商品にはそれなりの理由があったりするのですが、それらを語れる場所がなかったんです」(内山さん)。

掲載したいコンテンツは増えてきたが、Yahoo!ショッピング内にはしっくり収まる場所がない。それを解決するために、ブログというスペースを設けることとしたわけだ。

「Yahoo! JAPANのほかのサービスでも、公式ブログを立ち上げ始めたという事情もありました。ブログ内では自由な表現が許されている面がありますね」(内山さん)。

Yahoo!ショッピングのサービス本体とYahoo!ショッピングブログでは、かなり受ける印象が違う。イラストを多用したデザイン、執筆者の思いが伝わってくる記事など、ホットなページとなっているが、それも「あえてブログらしく」を狙ってのこと。

「Yahoo! JAPANのサービスは無機質に見えがちなので、人間味を出したかったんです。中の人丸出しみたいな方向にしようと(笑)。執筆者の名前も明記しています」(内山さん)。

ブログの特徴である速報性や、高コミュニケーション性も生かしている。

「営業日は必ず更新するようにしています。また、トラックバックやコメントもすべてオープンにしています」(内山さん)。

とはいえ、トラックバックとコメントの即時受け付けは、社内の承認を受けるのに苦労したという。

「でも、最初に言ったとおり、このブログの目的のひとつがアフィリエイターさんとのコミュニケーションだったので、そこは規制したくなかったんです」(内山さん)。

社内を説得するなど、準備に15ヶ月をかけて、無事ブログのオープンにこぎつけたそうだ。

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Yahoo!ショッピングブログのエントリーには、投稿者の名前が記載されている

■各コーナーの明確な役割

Yahoo!ショッピングブログには7つのコーナーがあるが、それぞれに明確な役割があるとのこと。

「 『ブレイクの兆しアイテム』は、これから売れそうな商品を、『ネットで発掘!日用品道』は現在よく売れている日用品を紹介しています。この2つでは、販売データを元にして商品のトレンドを紹介しています。『ナイスコピー賞グッときたで賞』は、個々のショップを紹介するコーナーです。Yahoo!ショッピングで商品を検索すると、結果として表示されるのは商品説明の冒頭数行にしかすぎません。でも、ショップ内ではすごく工夫して商品紹介をしていることが多いんですね。ユーザーに届きづらいショップの魅力を伝えるために、このコーナーを設けました」(内山さん)。

いずれも、商品の販売促進に直接結びつく内容だが、たしかにYahoo!ショッピングの本体サイトでは紹介しづらそうだ。しかし、スタッフが自分の意見として主観的にブログで紹介するのであれば、不自然さは感じられない。

「『イベントレポート』は、Yahoo!ショッピングで行っているさまざまなイベントの紹介です。雑誌や百貨店との連携イベントや、アフィリエイターさんを対象とした試食会などのレポートを掲載しています。ブログはレポートと相性がよく、速報という形であげられるのがいいですね。そして、『外部サイトのおじょうず商品紹介』は、アフィリエイターさんの紹介コーナーです」(内山さん)。

目的のひとつである"アフィリエイターとのコミュニケーション"を、これらのコーナーが担っている。
そのほかに、「おすすめセレクション倉庫」と「運営裏話・おしらせ」コーナーがある。

「 『おすすめセレクション倉庫』はYahoo! JAPANのトップにランダムに表示される『おすすめセレクション』に掲載されたデータを収録しています。毎日入れ替えで消えてしまうのですが、今最も売れている『エース商品』ばかりなので、ぜひみんなに見てもらいたいなということで。『運営裏話・おしらせ』では、おしらせ以外に検索の裏技みたいなTIPSも載せています」(内山さん)。

7つのコンテンツは、それぞれ多彩な内容だが、ブログという枠の中なら違和感がない。ブログというメディアをうまく利用した構成だといえるだろう。

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「ナイスコピー賞グッときたで賞」のエントリー。商品紹介の切り口として大変ユニークだ

■CMS機能と拡張性でMovable Typeを選択

Yahoo!ショッピングブログの構築には、Movable Type が採用されている。

「Yahoo! JAPANでもブログサービスの提供をしていますが、個人向けのサービスとして開発しているものなので、CMSツールとしての役割を期待して別途Movable Typeを利用することにしました」(内山さん)。

Yahoo!ショッピングブログの記事制作を行っているのは5人。それぞれの執筆者が名前を明記して記事を掲載している。個人向けのブログではそもそも想定外だが、Movable Typeでは複数人の執筆者それぞれにユーザー権限の設定や、記事管理を行うことができる。組織としてのブログ作成に向いているのだ。
また、企業ブログとして役に立ったのが、特定のキーワードが含まれるコメントを自動的に非掲載にする機能だ。Movable Typeでは、標準プラグインでこの機能が利用可能になる。

「会社からコメントの即時公開の承認を得るのにとても役立ちました。社内のほかのブログからNGワード一覧をもらい、それを登録して使っています。ある単語が2つ組み合わさることでNGになるとか、複数並ぶとダメだとか、細かい設定ができるところもいいですね」(大川さん)。

拡張性の高さも魅力だという。

「プラグインを開発することで、さまざまな対応ができます。まずユーザーからも見えるところでいうと、『売れ筋ランキング』の表示です。これは、Yahoo!ショッピングが提供しているAPIを使用したプラグインです。フッターの表示には、Yahoo! JAPAN内のほかのMovable Typeを使ったブログで利用していたプラグインをそのまま利用し、共通化を行っています」(福嶋さん)。

表示関連以外のプラグインも多く開発した。

「アイコンをクリックすることで、ソーシャルブックマークなどの登録を行えるんですが、ログを取るためにリダイレクトさせています。そのためのプラグインを開発しました。また、Yahoo! JAPANのシステムにブログを合わせるためのプラグインもあります。サービス統一のルールがあって、たとえば地震情報などをいっせいに流したりすることができるのですが、それに合わせるためのプラグインです」(福嶋さん)。

Yahoo! JAPANのような巨大なシステムの中でブログを動かすには、そこに合わせるためのカスタマイズが必要だ。プラグインを用いることで柔軟に拡張できるMovable Typeであれば、対応が可能になる。

■ショッピングのトレンドを発信するサイトに

Yahoo!ショッピングブログがスタートして約1ヶ月。「まずは100記事をためることが目標」と内山さんは語る。SEO効果も上がり、読者が増えることで、目的であるYahoo!ショッピング全体の売り上げ増加にもつなげられることだろう。

直接的な商品訴求だけでなく、さらに大きな目標も掲げている。
「ネットショッピングのトレンドがどうなっているのか知りたいと思ったとき、まず来てもらえるブログにしたいですね。お客様にとって有益な情報はできるだけ出していくつもりです。ものの売り方、買い方で迷った人に見に来てもらいたいですね」(内山さん)。

商品傾向ばかりでなく、ユーザーの意識やインターネットそのものの流行など、オンラインショッピングが影響を受けるリソースは限りなく多い。しかも、日々変わってゆく。柔軟な対応が可能なブログというメディアは、オンラインショッピングシーンをさらに盛り上げていくための、大きな手助けとなるだろう。

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お話を伺った福嶋さん、内山さん、大川さん(左から)

事例データ
Movable Type 4.2
・サイトを公開したのは:2008年10月
・はじめた理由:既存サイトでは紹介できない内容をフォローするため。
・制作を担当したのは:内部
・何か手ごたえはありましたか?:今まで伝えられなかった内容を伝える場ができた。

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